Japan Society for the Promotion of Science:Grants-in-Aid for Scientific Research
Date (from‐to) : 2021/04 -2025/03
Author : 庵 功雄; イ ヨンスク; 松下 達彦; 太田 陽子; 二子石 優; 打浪 文子; 豊田 哲也; 志賀 玲子; 高嶋 由布子; 西川 朋美; 橋本 直子; 杉本 篤史; 南浦 涼介; 柳田 直美; 宮部 真由美; 岩田 一成; 奥野 由紀子; 早川 杏子; 本多 由美子; 田中 牧郎; 木村 護郎クリストフ; ビアルケ 千咲
本研究は、ろう教育班、教科書作成班、漢字教育班、教科書分析班、継承語教育班、言語政策班、教員養成班、障害者班、日本語表現班、自治体協働班、国際日本語班、マスコミ班の12班から構成される。
ろう教育班では、日本手話引き日本語基本語辞典の開発を続ける一方、令和4年2月に開催したシンポジウム「日本語手話をめぐる諸問題」の出版に向けた準備を令和4年度に引き続き行った。障害者班では、特別支援教育領域における「やさしい日本語」およびわかりやすい情報提供の必要性を検討した。教科書作成班では、令和4年度までに刊行を完了したJSL生徒向け日本語教科書3冊を材料に、JSL生徒向け日本語教育の実践に関する理念の普及に努めるとともに、これらの教科書に対応するwebアプリの開発における課題を検討した。継承語教育班では、継承語教育と「やさしい日本語」の関連に関する研究を進めた。漢字教育班と教科書分析班では、それぞれ前科研で作成した中学校教科書コーパスの分析を進めた。
言語政策班では、海外の事情の収集を続ける一方、日本の移民受け入れ政策の妥当性を言語教育の観点からも検討するとともに、日本国内の日本語学校の現状についての調査、考察を行い、その成果の一部を査読論文などで公刊した。また、ろう児に対する日本手話による教育を言語権の観点から分析した。自治体協働班では、令和4年度に引き続き東京都港区からの依頼のもと、実際に使用されている公的なお知らせ文書を「やさしい日本語」の視点から分析し、その研究成果を公開シンポジウムで発表した。
日本語表現班では、日本語母語話者にとって「やさしい日本語」が持つ意味についての研究を進め、国際日本語班では、専門家による非専門家への説明における言語表現のあり方について考察を深め、マスコミ班では、マスコミの言語表現における定型性の洗い出しとその分析を進め、それぞれの研究成果を論文や口頭発表の形で発表した。