研究者総覧

伊藤 元裕 (イトウ モトヒロ)

  • 生命科学部生命科学科 准教授
Last Updated :2024/04/23

研究者情報

学位

  • 博士(水産科学)(北海道大学)

科研費研究者番号

  • 80612332

J-Global ID

プロフィール

  • 1982年生まれ。新潟出身。2011年、北海道大学にて博士(水産科学)取得。国立極地研究所特任研究員、同研究所にて日本学術振興会特別研究員(PD)、東京大学大気海洋研究所国際沿岸研究センター特任研究員を経て、2017年より東洋大学生命科学部応用生物科学科講師。2021年度より同大准教授。海鳥を専門として、北海道天売島をはじめとした北日本の島嶼地域での調査・研究のほか、日本、英国、米国、カナダの研究者と共同して、アラスカ、南極、スコットランド等で共同研究を行っています。
    1)海洋環境変動に対して海鳥の繁殖がどのような影響を受けるのか?また、どのように行動的な応答を行うのか?2)海鳥が3次元的に広がる広大な海でどのような戦略をもって採餌行動を行っているか?3)海鳥をサンプラーとした海洋生態系構造や魚類生態解明ができるか?4)海洋生態系において海鳥はどういった役割を果たしているのか?といった問いに長年取り組んできました。さらに2017年からは、利根川水系を中心とした外来魚食性魚類の研究や野生哺乳類の調査も開始しました。
    古典的な繁殖モニタリングや胃内容物分析の他、安定同位体分析や超小型動物装着型ロガーを用いたバイオロギングも研究手法としながら多岐にわたる研究テーマに取り組んでいます。

研究キーワード

  • 海鳥   海洋生態学   鳥学   行動生態学   安定同位体比   バイオロギング   野生動物   サケ   チャネルキャットフィッシュ   リス   外来種   海洋汚染   

研究分野

  • 環境・農学 / 生物資源保全学
  • ライフサイエンス / 生態学、環境学
  • ライフサイエンス / 水圏生命科学
  • 環境・農学 / 環境動態解析

経歴

  • 2021年04月 - 現在  東洋大学生命科学部 応用生物科学科准教授
  • 2017年04月 - 2021年03月  東洋大学生命科学部 応用生物科学科講師
  • 2016年04月 - 2017年03月  東京大学大気海洋研究所 国際沿岸海洋研究センター特任研究員
  • 2013年04月 - 2016年03月  日本学術振興会(国立極地研究所)特別研究員(PD)
  • 2011年04月 - 2013年03月  国立極地研究所生物圏研究グループ特任研究員
  • 2011年09月 - 2012年03月  第53次日本南極地域観測隊夏隊員

学歴

  • 2007年04月 - 2011年03月   北海道大学大学院   水産科学院 博士後期課程
  • 2005年04月 - 2007年03月   北海道大学大学院   水産科学院 博士前期課程
  • 2001年04月 - 2005年03月   北海道大学   水産学部

所属学協会

  • 日本海鳥グループ   日本バイオロギング研究会   太平洋海鳥グループ   日本生態学会   日本鳥学会   

研究活動情報

論文

書籍

講演・口頭発表等

MISC

受賞

  • 2023年08月 東洋大学 2022年度 東洋大学優秀教育活動賞
  • 2008年02月 Pacific Seabird Group (太平洋海鳥学会) Best Oral Presentation Award
     
    受賞者: 伊藤 元裕

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • マイクロプラスチック汚染による海鳥類の健康被害リスクマップの構築
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓)
    研究期間 : 2022年06月 -2026年03月 
    代表者 : 新妻 靖章; 湊 健一郎; 細田 晃文; 大浦 健; 伊藤 元裕
  • 沿岸性海鳥類による中深層性マイクロネクトンの捕食実態把握と定量化
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 伊藤 元裕
  • 個体および環境情報から包括的に解明するチャネルキャットフィッシュの生態
    東京大学大気海洋研究所:学際連携研究
    研究期間 : 2020年04月 -2022年03月 
    代表者 : 伊藤元裕
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2017年04月 -2021年03月 
    代表者 : 伊藤 元裕
     
    サケOncorhynchus ketaは重要な漁業資源であるが、近年、資源量の減少と母川への回帰率の低下が報告される。サケは、降海後数か月の間に、全個体数の約9割が減耗するとされる。しかし、降海後に外洋を回遊する10-15cm程度のサケ幼魚の捕獲は困難であり、サケの生活史における大きなブラックボックスとなっている。減耗の激しいこの幼魚期における詳細な生態情報を得ることはサケの資源量の減少メカニズムを明らかにする上で急務である。 本研究では魚食性海鳥をサケ幼魚のサンプラーとして用いることで、これまでサンプリングが困難であったサケ幼魚を採集した。本年は、青森の大間弁天島、北海道の太平洋側に位置する大黒島、日本海側に位置する天売島、礼文とど島でウトウの餌調査を行いサケ幼魚を採取した。これらのサケ幼魚に昨年採取したものも加え、由来河川をしらべた。更に、サケの筋肉片のDNAについても昨年同様検討を行い耳石から、温度標識が観察できなかった個体についてもその系群を明らかにし、少なくとも、北海道由来の個体群であるか、三陸由来の個体群であるかを判定した。加えて、ウトウにGPSを装着してその採餌範囲を調べることで、どのような場所でウトウが採餌を行っているか複数個所で明らかにした。昨年度の結果と同様、温度標識、DNAの結果ともに、日本海側でとれるサケは北海道日本海側河川由来であり、太平洋側でとれるサケは全て北海道の河川由来のものであることが明らかになった。本研究の結果は、これまで、北海道および三陸の太平洋側の個体群は全て、北海道のごく沿岸を回遊すると考えられてきたが、三陸個体群については、別の回遊ルートがあることを想定する必要があることをさらに強く示唆した。しかし、青森や日本海側において想定よりもサケが集まらず分析数は増えなかった。そのため、GPSデータとサケの分布域の解析が不十分となった。
  • 魚食性海鳥を幼魚サンプラーとして用いたサケの幼魚期生活史の解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 研究活動スタート支援
    研究期間 : 2016年08月 -2018年03月 
    代表者 : 伊藤 元裕
     
    サケOncorhynchus ketaは重要な漁業資源であるが、近年、資源量の減少と母川への回帰率の低下が報告される。冬から春に人工孵化放流されるサケ稚魚は、初春に降海しオホーツク海へ向かう。その際、放流数の約9割がオホーツク海に入るまでに減耗するとされる。しかし、降海後に外洋を回遊しオホーツク海に達する前の10-15cm程度のサケ幼魚の捕獲は非常に困難であり、サケの生活史における大きなブラックボックスとなっている。減耗の激しいこの幼魚期における詳細な生態情報を得ることはサケの資源量の減少メカニズムを明らかにする上で急務である。本研究では魚食性海鳥をサケ幼魚のサンプラーとして用いることで、これまでサンプリングが困難であったサケ幼魚を採集し、その生活史や上位捕食やによる捕食圧を明らかにすることを目的とする。我々は、サケがオホーツク海に入る前に通過すると考えられる、北海道の日本海に位置する松前小島、天売島、および礼文とど島、また太平洋に位置する大黒島においてウトウの餌調査を行いウトウによるサケ幼魚への捕食圧を推定した。また、ウトウから得られたサケ幼魚の耳石を用いてサケの放流された河川を特定した。大黒島のウトウによるサケ幼魚の捕食量は最大で約5%程度であると推定されたが、日本海側すべての島のウトウによるサケ幼魚の捕食量は非常に高く推定され、餌調査の不足による過大評価があることが推察された。また、大黒島でとられた2割弱程度のサケ幼魚の耳石から由来河川を判定可能な輪紋が観察され、北海道太平洋側および岩手県の河川由来のサケ幼魚が来遊していることが明らかとなった。
  • 海鳥における集団採餌の意義:社会的採餌仮説の検証
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
    研究期間 : 2013年04月 -2016年03月 
    代表者 : 伊藤 元裕
     
    本研究の目的は、ヨーロッパヒメウが行う集団採餌がもつ機能を明らかにし、その生態学的意義を世界に先駆けて明らかにすることにある。そのため、GPSおよびビデオロガーを用いて、群れの行動を詳細に測り、その餌獲得量や繁殖成績をることでこうした目的を達成することを目指している。27年度には、当初の計画通り、イギリススコットランドのメイ島においてフィールド調査を行った。このフィールド調査によって、ヨーロッパヒメウに34個体にGPSロガーと加速度・深度・温度ロガーを1週間装着して長期間における行動データの回収に成功した。 GPS調査では、特に10番を個体を捕獲してそれぞれの採餌場所を特定した。その結果、エネルギー価の高いイカナゴの利用可能性が低い年には自分自身の過去の餌獲得量が次の採餌場所選択に影響することが示唆された。一方、イカナゴの利用可能性が高い年には自分自身の過去の餌獲得量によらず、イカナゴが獲れやすい砂地が多く分布する海域を全ての個体が繰り返し集中的に利用することが示唆された。どちらの年も番相手の餌獲得量は、次の採餌場所選択に影響しなかった。 また、昨年度までに得たのビデオロガーデータを全て解析し論文執筆を行った。本種は、海底でのみ餌を捕獲しており、砂場ではイカナゴが、岩場ではカジカ類、ギンポ類、カレイ類などが捕食されていた。また、記録された採餌場所の底質の利用割合は年によって異なり、餌の利用割合も異なっていた。更に、底質によって潜水行動が異なっている他、砂場の方が採餌効率やエネルギー獲得効率が高いことが初めて明らかとなった。現在草稿を共著者に回覧し、内容・文章について議論、修正を行っている。本論文については近日国際誌に投稿予定である。
  • 海洋環境モニターとしての海鳥の認知と理解の促進
    日本財団:助成金(2009年度)
    代表者 : 綿貫豊; 日本海鳥グループ
  • 海鳥を指標とした海洋モニタリングの普及と推進
    日本財団:助成金(2008年度)
    代表者 : 綿貫豊; 日本海鳥グループ

委員歴

  • 2019年08月 - 現在   さいたま市   さいたま市環境影響評価技術審議会委員
  • 2019年01月 - 現在   日本鳥学会   英文誌編集委員会 副編集長
  • 2017年09月 - 現在   日本鳥学会   英文誌編集委員
  • 2017年04月 - 2019年03月   文部科学省 科学技術予測センター   専門調査員
  • 2017年09月 - 2018年03月   平成29年度発電所の環境影響評価審査に係る調査委託費(海域調査)検討委員
  • 2007年04月 - 2012年03月   Pacific Seabird Group (太平洋海鳥学会)   Japan Seabird Conservation Committee 委員長

担当経験のある科目

  • 環境倫理学
  • バイオロギング実習(水圏フィールド環境・生物モニタリング実習)
    北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター
  • 生命工学実験II / 生命科学実験II
  • 生態学
  • 海洋環境臨海実習
    東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻 実習補助
  • 水生動物行動学
    北里大学海洋生命科学部 非常勤講師
  • 水圏生態学
    弘前大学農学生命科学部 非常勤講師
  • 生命科学研究指導
  • 生命科学特別研究
  • 生命科学特殊研究
  • 生態毒性学
  • 学外実習
  • 修士論文(大学院)
  • フィールド生態学特論(大学院)
  • 生態管理学
  • 卒業研究
  • 卒業論文
  • 研究室演習
  • 応用生物科学序論
  • 応用生物科学特別講義
  • 生命工学実験II / 分子生物学実験II
  • 応用生物科学輪講II
  • 応用生物科学輪講I
  • 野外フィールド実習
  • 生態制御学
  • 生命科学英語
  • 生物資源科学

その他のリンク

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