研究者総覧

日色 真帆 (ヒイロ マホ)

  • 理工学部建築学科 教授
  • 理工学研究科建築学専攻 教授
Last Updated :2024/04/23

研究者情報

学位

  • 博士(工学)(東京大学)

ホームページURL

科研費研究者番号

  • 50222237

J-Global ID

研究キーワード

  • 保存再生   復興小学校   スペースブロック   設計方法   人間環境系   表記法   経路探索   空間デザイン   場面   立体化   空間認知   プロトコル分析   デパート   環境情報   CAD   スカイウェイ   設計手法   商業空間   タウンスケープ   ワークショップ   状況論   都市空間評価   問題解決   人工地盤   イベントアイコン   役割演技   インターネット   設計教育   環境移行   建築   メディア   建築・都市空間   

研究分野

  • 社会基盤(土木・建築・防災) / 建築計画、都市計画

経歴

  • 2013年04月 - 現在  東洋大学理工学部建築学科教授
  • 2010年04月 - 2013年03月  愛知淑徳大学メディアプロデュース学部教授
  • 2002年04月 - 2010年03月  愛知淑徳大学現代社会学部教授
  • 1997年04月 - 2002年03月  愛知淑徳大学現代社会学部助教授
  • 1995年04月 - 1997年03月  愛知淑徳大学現代社会学部専任講師
  • 1991年04月 - 1995年03月  神戸芸術工科大学環境デザイン学科助手

学歴

  • 1986年04月 - 1991年03月   東京大学大学院   工学系研究科   建築学専攻博士課程
  • 1984年04月 - 1986年03月   東京大学大学院   工学系研究科   建築学専攻修士課程
  • 1980年04月 - 1984年03月   東京大学   工学部   建築学科

所属学協会

  • 日本建築家協会   人間環境学会   日本建築学会   

研究活動情報

書籍

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 萌芽的研究
    研究期間 : 2000年 -2001年 
    代表者 : 高橋 鷹志; 日色 真帆; 黒野 弘靖
     
    平成13年度は、当初の計画のとおりに、1、特徴的な対象の調査と2、転用手法の整理をおこなった。 1、特徴的な対象の調査 7月にイタリアへ渡航し、カステルベッキオ美術館、パレルモの歴史的中心地区、ヴェローナの円形闘技場の図面と写真を収集した(高橋)。これにより、新しいところを抑制的に扱い既存部分を際だたせ、総体として時間的経過を表現する手法を把握することができた。 8月から国内調査を行い、建築スケールとして、今井町のまちづくりセンター(奈良)、金沢市民芸術村(石川)、明倫小学校(京都)、郡上八幡旧町役場(岐阜)、桐生市の鋸屋根工場(群馬)、町家の転用(京都、石川)、農家の再生(富山)の写真と図面を収集した(黒野、日色)。さらに都市スケールとして、銀座の首都高速と横十間川(東京)、鉄道ガード下の店舗(兵庫)の写真と図面を収集した(黒野、日色)。 2、転用手法の整理 転用例を分類するためのインデックスを事例ごとに抜き出し、データを整理した。これにより転用の手法について、以下の4つの枠組みを考案した。 (1)、スケール: 都市レベルと建築レベルとの対応を比較すると、都市レベルのものがサポートとなっていることがわかる。建築レベルと室内レベルの対応を比較すると、転用に伴って両者の境界が曖昧になっていることがわかる。 (2)、しつらえの操作: 室内レベルにおいては、建具と家具が重要な要素となる。既存部分と対比的なモチーフとして使用されている。 (3)、開口部や天井や階段: 既存部分の内外を反転させ、別の視点から見る手法がとられる。階段の位置はしばしば変更される。 (4)、象徴的操作: 板やステンドグラスなど一部を残して、全体を象徴する手法が見られる。これは外国で見られず、とくに日本的な手法といえる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    研究期間 : 1998年 -1999年 
    代表者 : 廣川 美子; 阪口 明弘; 日色 真帆; 小倉 繁太郎; 伊藤 泰行; 山下 享子
     
    高級土壁の展示場といわれる角屋、土壁の塗りたて当初の色を再現するために、1992年2月の測定値と2000年2月の測定値の比較を行い、変化の方向と変化量を考察した。Lab表色系により色差を求めているが、L値について新旧で変化の大きい土壁は黄大津磨きと赤大津磨きであり、共にL値の高い方に変化している。C値については黄大津磨きと大阪土の変化が大きく共にC値の低い方に変化している。a値とb値について変化が大きいのは、a値は江州白の赤と大阪土であり、共にa値の低い方に変化、b値は赤大津磨き、黄大津磨き、大阪土であり、すべてb値の低い方に変化している。色差が最も大きいのは扇の間西側廊下の赤大津磨きと馬の間縁側の江州白の赤であった。聚楽土と漆喰壁の色差は少なかった。文化財壁の復元作業においては色合わせが重要な役割をもつ。今回文化財壁を形成している土、砂、すさのような粉末状の試料の色の数値化に伴う側色技術およびコンピュータを用いた色合わせを検討した。粉体の分光特性はその充填密度、厚さ、入射光を照射する側の試料面の状態に強く依存するので、充填作業に個人差がでにくいよう開発したセル厚可変の石英窓板付き粉末セルと精度よく散乱光のみを検知する正反射トラップ付き大型積分球の組み合わせ用いた拡散反射測定によってこの問題点を解決した。この測定法で得た可視スペクトルをもとにCCM(コンピュータカラーマッチング)を行った結果、目標色との色差が1.0未満の良好な結果を得た。関西には聚楽土、大阪土、浅黄土、九条土、桃山土等の色土が豊富であったが、特に利休が茶室に用いた聚楽土には格別な思い入れがある。その聚楽土を地質学的に知るために、その採集地の地層の成り立ちを調べることにした。聚楽土は平安京跡付近の地下の泥層を掘ったものである。考古学では平安京の地盤と考えている。京都盆地北部の平原は賀茂川や天神川などの扇状地でできている。扇状地礫層の上には厚さ1m程度の泥層が堆積している。その形成過程を知るために、各地の扇状地の泥層を採集している段階である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 1998年 -1999年 
    代表者 : 日色 真帆
     
    経路探索(wayfinding : 目的地を目指して移動する行動)を考慮した空間デザインを行うために、スペースブロック(壁などに囲われた空隙部分積木のように取りだしたもの)をとイベントアイコン(行動や偶発的出来事を絵文字のように表したもの)の概念を使った設計手法を開発している。この研究では、商業空間、特にデパートを対象としており、従来より継続している行動観察やデパートのイメージに関するアンケート調査について、集計し分析を行った。その中で、人々が共有してもっているデパートスキーマという概念が提出された。そのデパートスキーマと現実のデパートとの関係を明らかにするために、国内、海外の三次元的に複雑な商業空間の代表的事例を網羅的に調査した。対象としたのは国内においては東海、東京、関西の21の主要デパートであり、国外においてはロンドン、パリの主要デパートである。資料としてはフロアガイドを中心としており、中でも売り場の断面的な構成に焦点をあてた。 この結果を分析するために、スペースブロックとイベントアイコンの手法の枠組みを用いている。特に多様化する商業空間を比較検討するために50の商品標準コードを提案した。 これらによって、この手法が、ひろく一般的に空間と出来事の設計手法として展開できる見通しを得て、理論的考察をすすめた。さらに試行的に学生の課題として出題することで、その設計ツールとしての有効性を探っている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 1997年 -1999年 
    代表者 : 坂元 多; 大西 誠; 五島 幸一; 大野 光子; 日色 真帆; FLEMING Dani; HILL John; MCLOONE Mart
     
    本研究は、愛知淑徳大学と北アイルランドのアルスター大学との間で開設した大学院修士課程レベルの共同講座インターナショナル・メディアスタディースを推進し、同時に異文化間におけるメディア教育の可能性を探るために進められた。この講座は、前期の間は名古屋で、後期は北アイルランドで学習するという前例のないものであった。 1997(平成9)年度は3名、1998(平成10)年度は1名の学生に対して授業を行った。この講座を円滑に進めるため、双方のスタッフ間で異文化間におけるメディア教育についての一貫性ある研究・教育テーマを探った。この過程を通して、同じメディア学についても、アルスター大学側はいわゆるカルチュラルスタディーズを取り入れた理論的アプローチをとるのに対して、愛知淑徳大学側は、スタッフの多様な専門領域を背景として、やや実験的なアプローチをとり、坂元を中心としてメディア制作を意図した実践的傾向が強いことも特徴であった 1999(平成11)年度には、日本側の大学院体制の変更等によって募集を見送ったが、1999年11月に.アルスター大学からMartin McLoone、John Hill、Sarah Edgeの3名が来日し、日本側の全メンバーと議論を深めた。その結果、1)授業評価や学位など両国間で大学制度に相違があるため共同講座運営に困難が多いこと、2)メディア学という新しい学問領域に対し両者で捉え方の相違があること、3)その異なるパラダイムに基づき半年ずつ集中的に学習する上に、北アイルランドでは英語のみで講座が運営されるため、日本人学生には厳しいプログラムであること、4)日本語の制約が大きいためか、結局、北アイルランドから日本に来て学ぶ学生を確保できなかったことなどの問題点が指摘された。 しかし、これらの困難を超えて共同講座を運営することで、メディアを捉える視野の広がりが得られ、研究、教育をすすめる上での具体的方法が豊富になった。さらに、その成果を広く公開するために、1999年11月12日に名古屋で、両大学のメンバーを中心に国際シンポジウム「メディアの東西比較」を開催し、メディアに関する異文化比較の議論を深めることができた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 1997年 -1998年 
    代表者 : 小嶋 一浩; 日色 真帆
     
    スペースブロック表記を利用したデジタルデータベースをインターネット上に構築するために、現実の建築・都市空間からサンプルを選び、現地調査をもとにデータ構築を行った。 平成9年度には、ポンピドゥーセンター前広場(パリ)、ラ・トゥーレット修道院(リヨン)、ヴィットリオ・エマニュエル二世のガレリア(リヨン)、カンポ広場(シエナ)、パンテオン(ローマ)、チステルニーノ(南イタリアの小都市)の小広場、など、境界が明確で比較的スペースブロック表記が容易な事例の調査を行った。 平成10年度には、光の効果を生かしたフィンランドにあるアルバ・アアルトの作品群、ベルリン国立ギャラリー、ギャラリーラファイエット百貨店(ベルリン)、クンスタル(ロッテルダム)などの近代・現代の建築を中心に、スペースブロックでの表記に工夫が必要と思われる事例の調査を行った。 いずれもその空間内の一つないし複数の視点から、周囲を見回した画像を収集した。これらのデータをもとに、コンピュータ上でインタラクティブに見回すことのできるQuickTimeVRの技術を利用して、データベースを構築した。このデータベースによって、図面や1枚の写真だけはわかりにくい、取り囲まれた空間の雰囲気を再現することでできることがわかった。 また、この見回し画像のデータに様々な加工をして比較することで、ある空間の雰囲気を再現するには、その空間の特性によって、複数の点からの見回し映像が効果的である場合、照明と反射光が重要である場合、隣接する空間や外部空間とのつながりが意味をもつ場合、天井や床の素材が影響する場合などがあることが具体的に示された。(東京、名古屋の女子大学生を対象)のデータを集計し、デパートのスキーマについて考察を行った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 1996年 -1997年 
    代表者 : 日色 真帆
     
    スペースブロックは、壁などに囲まれまとまりをもって感じられる空間を、中の人間や樹木ごと取り出してブロックのように捉える空間の表現手法として、これまでに研究を進めてきたものである。このアイデアを利用して、経路探索を考慮した空間デザインのためのモデル化を図り、設計手法として整備した。このモデルの妥当性を確かめるため、経路探索の実態調査とアンケート調査を実施した。 1. 現実の経路探索行動の実態調査 平成8年度には、東京の複数のデパートをフィールドとして観察による経路探索の調査を行った。その結果、内部のそれぞれの場所に特有の定型的行動があることが確認された。また、特に行動の連鎖が行きと帰りに大きく分けられること、寄り道的行動の多いことなどが指摘された。 2. 空間構成と経路探索行動のスキーマについてのアンケート調査 平成9年度には、名古屋と東京の学生を対象にデパートの空間構成に関するアンケート調査を行った。これらの結果、空間と行動との双方にみられるスキーマを明らかにすることができた。 3. スペースブロックとイベントアイコンによる場面の創作法 2.で空間と行動のスキーマとして整理したものをさらに一般化して、ひとまとまりの広がりである空間と、人がする行動や偶発的出来事である出来事とがセットになった場面という単位を導入し、l.の調査で得られた経路探索のデータを、場面の連鎖として解釈することとした。特に、現実の場面だけでなく、計画された場面を導入することで、デパートにおける経路探索の概略を説明することとした。具体的には、空間に対してはスペースブロック、出来事に対しては絵文字のように表記するイベントアイコンという表現を与えることで、わかりやすく示すことができた。 さらに、この手法を建築設計にとどまらず、より一般的な場面の設計手法として展開することを考え、設計課題を通して有効性の検討を始めた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 国際学術研究
    研究期間 : 1995年 -1997年 
    代表者 : 近藤 公夫; 王 敏; 日色 真帆; 三上 晴久; 廣川 美子; 川村 政美
     
    日本の文化史に1000年前の金色堂に見られる黄金よりも、500年前の銀閣に銀をもって蔽った漆のたたずまいを好ましいかに思う今日の心象、その心象が形成された風景の源流を三内丸山以来の伝統に考えるのは是か非か。あえて日本の赤をめぐる景観の源流として三内丸山の風景をとりあげ、そこに出土した赤漆の色に「日本の赤と中国の赤」に関する調査研究の拡大と深化に係わる発展的な端緒を求めたいと考える。おそらく今日の科学をもってすれば什器に見られる彩文の赤漆について、あるいは同様に出土している黒漆などに関しても、その原色を解明して三内丸山の文化に迫る可能性は考えられよう。そこから四季の自然に恵まれ秋季の紅葉があざやかな東北日本にあって、今も日本民族の心象に伝わる縄文文化に投影された赤の風景を、その植生に見られる景観の変化から考え得るとも思われる。さらには重ねて司馬遼太郎氏がこの地を北のまほろばと記した秋色を思えば、日本の赤についての源流を縄文時代の赤漆と山野の紅葉から妄想した次第について、ひとつの心象的な風景へと思いを致さざる得ない。4000年前以上もの太古に三内丸山社会が見せた情景、遠近の人々を集めた祭祀のにわに赤が演じた風景とは何であったのか。それは後世の神前に舞う乙女達の白衣紅裳とは果たして連なるものか、あるいは東アジア文化に如何なる位置を占め、それは如何なる変遷を経て今日の伝統文化と結ばれ得るのか。それは自然科学から考古学そして歴史学から文化人類学、それぞれの検討を総合した上に新しい展開を今後に期待させる課題に連なるであろう。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    研究期間 : 1995年 -1995年 
    代表者 : 日色 真帆
     
    空間の表記法として提案されたスペースブロックを、立体化した人間環境系に焦点を当てた設計方法として展開を図った。理論的側面としては、生活のある場面を表すまとまりをもった単位としてスペースブロックを分節することで、設計行為を、不連続な構成要素の関係としては表せない濃密な記号を扱うスペースブロックレベルと、スペースブロックという不連続な記号間の関係を扱うスペースブロックネットレベルに分けて考えられることがわかった。この二つのレベルが、設計ツールとしてスペースブロックを実現するために、模型やインタラクティブなコンピュータグラフィックス、あるいはスケッチや図面、さらには文章などのメディアやそれらの組み合わせを用いる場合に保持されることで、実現メディア間を容易に変換しながら設計することが可能になる。 スペースブロックを利用する実践的側面としては、学生を対象に設計のワークショップを開き、その中で具体的方法を探った。ワークショップに利用する道具として、2.5mキューブの3,4,5個からなる規格化したスペースブロックを考え、プラスチック板で100分の1スケールで作成しベーシックスペースブロックと呼んだ。ワークショップは、一つのベーシックスペースブロックを用いる場合と、複数を用いる場合とを行った。その結果、スペースブロックレベルとしては、制約の強い形をしたベーシックスペースブロックを用いることで、空間の形とその使い方についての想像力が刺激されること、外部空間と内部空間を等価に考えやすいことが効果として見られた。また、透明と白(不透明)のベーシックスペースブロックを用いると、内部/外部、パブリック/プライベートなど様々な対立軸をあてはめて考えやすいこともわかった。スペースブロックネットレベルとしては、普通に平面図や断面図を利用していたのでは考えられないような複雑に立体化した空間が、アクセスや外部との関係などを把握しながら作り出せるという効果がみられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 一般研究(C)
    研究期間 : 1995年 -1995年 
    代表者 : 小嶋 一浩; 日色 真帆
     
    シーンのネットワークを、特に立体化した都市空間の特性を表す表現法とするために、他の表現法と並行して具体的な対象に適応しつつ検討した。ここでいうシーンのネットワークは、対象地を撮影したビデオ画像をコンピュータを利用して編集し、動きにつれ展開するシーンを網状につなぎ合わせたもので、一部をコンピュータ内に実現し、その概念モデルを模型として実現した。この他に比較に用いた表現法は、雑誌等の印刷メディアに掲載された写真と文章による表現、コンピュータを利用して合成や変形を加えた写真や組写真、ビデオで撮影し編集した数分の映像である。いずれも対象空間の特性をできるだけ表すように表現したものである。対象とした都市空間は、東京の東急文化村(渋谷)、フロムファーストビル(表参道)、代官山ヒルサイドテラス、銀座4丁目交差点、地下鉄乃木坂駅入口周辺、渋谷宮下公園十陸橋、池袋メトロポリタンプラザの合計7箇所である その結果、都市空間の特性によって有効となる表現法が異なることがわかった。中でもシーンのネットワークは、立体的な視線のやり取りを含んだ複雑な空間の表現に有効であった。さらに、人の動線と相互にやり取りされる視線との絡み合った結節点を複数含んだ都市空間では、ネットワークが特徴的なねじれを示すことがわかり、そのような場合に中間のシーンを省略して簡潔にする方法を探った これらを通して、シーンのネットワークを空間デザインの方法として展開する可能性が示唆された シーンのネットワークをコンピュータ上で実現するには、オーサリングツールを用いて空間体験者がシーンの中で次の場面を選択しながら仮想空間を移動する方法に可能性があることが確認された。その完全な実現は今後の課題となっている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 一般研究(B)
    研究期間 : 1994年 -1995年 
    代表者 : 鈴木 成文; 日色 真帆; 青井 哲人; 三上 晴久
     
    戦後50年間の日本の公共住宅の発展変容過程を追跡し、その間における計画・設計行為の役割・効果・影響について分析・評価した。 まず建築関係雑誌・書籍・資料等から集合住宅事例を収集・分類し、次いで計画の変遷の上で特色ある事例について現地に見学・調査し、さらに各時期の計画に関わった主要な当事者13名より談話を聴取し、これらをもとに分析・考察した。 公共住宅を中心とした集合住宅の発展変容過程と計画行為の役割は、以下のように整理される。 (1)1950年代 戦後復興。不燃・恒久の集合集宅の開発と、生活様式の近代化・合理化が主要目的とされた。 (2)1950〜60年代 日本が高度経済成長期に入り、日本住宅公団が発足、標準設計による大量建設が発展する。一方、公団による団地設計の開拓、ニュータウン開発が進展する。 (3)1970年代 公団による市街地住宅が展開され、高密度化、高層化、部品化が進展し、住宅が画一化される。一方、低成長期に入り、水戸六番池住宅により公営住宅に新風が起こり、地域性・個別性尊重の機運が興る。 (4)1980年代 公団の質的転換、経営の圧力が大きくなる。マスターアーキテクト方式の試みがなされ、市街地景観形成に留意される。 (5)1990年代 街区型(沿道型)集合住宅の試みがなされる。住居の開放性への試みが展開される。 以上
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    研究期間 : 1994年 -1994年 
    代表者 : 日色 真帆
     
    立体化した住空間が形成するミクロなタウンスケープについて、計画への利用を意図したモデルを作成するために、日本国内の次のような先行事例を調査し、成功した側面と問題となる側面とを明らかにした上で、基礎となる資料を収集した。 1)坂出人工土地:国内で初めて大規模に人工地盤を用いた大高正人設計の再開発計画。人工地盤上は非常に良好な環境が実現されているが、下部の通路、駐車場などはあまり良好とはいえない。上下のアクセスが不十分と思われる。 2)広島基町高層住宅団地:1と同じ設計者による高層住宅。人工地盤、屋上庭園、ピロティ、エレベータコア周辺などは良好に利用されているが、階段部分には問題点が多い。 3)三宮センター街:スカイウェイとアーケードがかなり大規模に採用された例。空中の広場はよく利用されているが、空中歩廊にはほとんど利用されていないものがある。 また、立体化した空間については、実現しなかったりあるいは実現を前提としていなかったプロジェクトが影響を与えた場合が多い。そのため、Smithon夫婦や日本のメタボリストたちの構想案についての資料を収集し分析を加えた。 さらに、これらの立体化した住空間をモデル化するために、壁などに囲まれた空間をその中の人間や植物ごと取り出したスペースブロックという表現法を考案した。これは生活の場面を表し、人間とその環境を一体の人間環境系として扱うモデルである。このスペースブロックをCADソフトを利用してコンピュータ上に表現し、ブロックの変形、表面素材の組み替え、ブロックどうしの組み合わせ、合体分割などを表現した。この方法を用いて、調査対象のデータベースを構築した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 総合研究(A)
    研究期間 : 1993年 -1994年 
    代表者 : 西村 伸也; 黒野 弘靖; 日色 真帆; 鈴木 成文
     
    平成6年度では、2大学の学生課題「子供のミュージアム」(新大)と「集合住宅」(芸工大)を対象に、その設計プロセスを調査・分析した。設計プロセスをI期からIV期に分けて、学生ひとりひとりの空間生成でのプロトコルとエスキース内容の収集を行った。また、他大学の設計課題の組立て・設計課題内容・出題方法・エスキースの体制・講評方法のヒアリング結果からその特徴を整理した。本研究による分析結果は、以下にまとめられる。 1.「視点」の出現特性比較:「子供のミュージアム」では初期から視点が多数(10-30個)現れるのに対して、「集合住宅」では視点の出現がIV期に偏るという設計課題による相異が捉えられた。 2.「視点」の軸の特性比較:「子供のミュージアム」では、視点と軸の出現数が豊かで、視点数と軸の数とに強い相関が認められた。また、軸の派生も数多く、一つの空間から多様な空間イメージが生成されている。これに対して「集合住宅」ではこのような相関・軸の派生も少なく、限定され独立性の高いた空間イメージによって設計が進められていると捉えられた。 3.「視点」のつながり:視点のつながり方として展開・派生・複合等の7類型が分類され、各類型の出現頻度は、調査対象として課題の違いに影響されない特定の偏りをもっている。 4.空間イメージの多様性とスケッチ:視点の中で「透過」よりも「分散」が空間イメージの多様性に寄与していると考えられ、これは場の活動のイメージを代表している。さらに、空間演出の装置・特徴的な形態・空間配置のスケッチは、視点の生成を誘発する。 5.教育方法の特性:空間イメージの媒体を多様に用意する、学生相互の批評を活性させる、空間調査を課題に組み込む、評価の立場を明確に分けて演じる等の課題構成・エスキース・評価での特性が分析・整理された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    研究期間 : 1993年 -1993年 
    代表者 : 日色 真帆
     
    人間が都市空間の中で経路を選択しながら目的地へと移動するプロセスである経路探索について、状況に埋め込まれた行為(situated action)と捉える状況論的な考え方から分析するための基礎的研究を行った。 経路探索の状況に関して、まず人間と都市空間との関係の緊張度によって分類し、緊張の高い「避難」と、低い「散策」の状況を区別し、それらに対して日常的状況を区別する。日常的状況については、さらに人間が都市空間に対して示す習熟度の高い順に、「通い」、「探索」、「探査」と区別することとする。 この分類に従って、日常的状況について過去に行ってきた経路探索実験にもとづくプロトコル分析の方法を厳密にした、これによって、迷いと発見を含んだ問題解決としての経路探索の特徴を、浅いプランニング、豊富な情報が外部から獲得できること、とりあえず行動によって状況が打開されること、語られないプロセスが多くあることが、明確に指摘された。 当初予定した、状況ごとに被験者が様々な役割を演じる実験は実行することはできなかった。しかし、多様に設定することの可能な役割にもとづいて行う実験に関して、どのような視点から評価するべきかを次のように明確化することができた。 1)迷いと発見はどのような場所で生じるか、2)行動のプラン作成はどのようになされるか、3)どんな情報によって確認するか、4)どのようなとりあえず行動を利用するか、5)どのような内容を発言するか、あるいは逆にどのような内容は発言しないか。 これらの評価基準にたって、役割演技の経路探索実験を組織することではじめて、都市空間の評価手法に適用可能な知見を引き出すことができるものと思われる。同時にこれらの基準は、すでに行ってきた経路探索についての計算論的モデルの評価に利用できる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 一般研究(B)
    研究期間 : 1992年 -1993年 
    代表者 : 鈴木 成文; 日色 真帆; 三上 晴久; 齊木 崇人
     
    建築及び環境デザインの指導に関し、神戸芸術工科大学における環境デザイン実習において、その学生(1学年定員80名)を対象にいくつかの試みを行い、その状況を記録し、成果と問題点について考察した。 (1)課題プログラム編成では、小から大、私的から公共的といったオーソドックスな順序をとらず、小→大→小といった振幅の大きい順序、また比較的初期に公共的、複合的群建築の課題を課すなどを試みた。成果についてはまだ必ずしも明らかではないが、おおむね良好である。ただし、初期の2年次は段階的に構成し、3年次以降に変化をつけるのがよいとする意見もある。 (2)種類の異なるA・B課題を異なるグループに対して同時並行的に課し、次にはこれを交替して課すという方式は、多人数学生を教育する場合には有効である。 (3)デザイン指導は本質的に学生個人々々に対する一対一の指導にならざるを得ない。学習の初期には課題ごとに重点的習得テーマを定めて指導することもありうるが、デザインの総合性、学生の能力差などから、これにも限界がある。初期には学生を少人数(20人程度)に分割して担当するという方式が有効である。 (4)作品の講評では、学生各人に口頭説明を行わせることは必要であるが、人数の多さから講評会が長時間に亘り緊張感を保ちにくい。一方、少数の代表作のみを講評することも、個人指導の実を挙げにくい。多人数を対象とする場合は、講評を興味あるイベントとする演出が必要である。 (5)作品をある期間掲示して学生の目に触れさせることは、評価を共有のものにする意味で有効である。 (6)スタジオ(設計製図室)の空間構成については、低学年(2年次)は比較的オープンに、高学年ではやや小空間に区分する等の変化をつけること、上下の学年の接触を多くすること、作品展示の場を設けること、スタジオを訓練の場としての雰囲気を持たせること(禁煙、清掃、壁面構成等)などが重要である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    研究期間 : 1992年 -1992年 
    代表者 : 日色 真帆
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 奨励研究(特別研究員)
    研究期間 : 1990年 -1990年 
    代表者 : 日色 真帆

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