研究者総覧

角田 奈歩 (ツノダ ナオ)

  • 経営学部経営学科 准教授
Last Updated :2021/04/10

研究者情報

学位

  • 博士(人文科学)(2011年03月 お茶の水女子大学)
  • Master 2 (Histoire économique)(2009年12月 Université Paris 1)
  • 修士(文学)(2004年03月 東京大学)
  • 学士(文学)(2002年03月 東京大学)

論文上での記載著者名

  • 角田 奈歩
  • Nao TSUNODA

ホームページURL

科研費研究者番号

  • 10623209

J-Global ID

プロフィール

  • 大枠では「ファッション」はどのように生まれるのかに関心を持っている。
    そしてそもそも「ファッション」とは,もしくはフランス語「モード」とはなんなのかを定義したい。

    服飾を巡る「ファッション」は,衣服を作り売る者,衣服を着る者,メディアの三者のうち,歴史的に誰が主導権を握ってきたのか。それを明らかにするため,服飾と商業,わけても小売業との関係を分析している。その中で,ショッピングの娯楽化,工業製品としての衣服,万人がアクセス可能な「ファッション」といった現在は当然となっている服飾や流行を巡る概念・事物がどのように成立したかも考えていきたい。また,なぜパリという一都市が長らく「ファッション」の中心地であり続けられたのかも理解したい。
    そのため,現在は主に,19世紀後半における百貨店とオート・クチュールといういわゆる近代的ファッション産業の誕生に至るまでの,18世紀~19世紀前半パリにおける服飾品小売業について研究を進めている。
    また,「モード」の起源に関係して,コルベールの重商主義政策とヴェルサイユでの「モード」の扱いに着目し,コルベールが振興した産業のひとつであるレース業についての研究にも着手した。フランスだけでなく,西ヨーロッパ各地のレース手工業・機械工業について情報を収集中である。

    なお,フランス史,もしくはヨーロッパ史において,研究者の立ち位置や意識の上で18世紀と19世紀の扱いにやや分断が見られる上に,特に経済史・商業史では19世紀前半が手薄でアンシャン・レジーム期~フランス革命期と19世紀後半以降が断絶する傾向があることから,18世紀と19世紀の連続性を研究上あえて意識し,19世紀前半の状況を重視している。

    1. アンシャン・レジーム末期~19世紀半ばのパリの服飾品小売業の実情


    特に,18世紀に特異な位置を占めたモード商marchands de modesと,19世紀初頭パリに登場した新物店マガザン・ドゥ・ヌヴォテmagasins de nouveautésについて。彼らの活動と百貨店やオート・クチュール成立までの経緯を明らかにする。


    2. 18世紀末~19世紀前半のパリの商業都市としての様相


    地区別の業種分布,服飾品小売店が多かったパレ・ロワイヤル,グラン・ブルヴァール,パサージュなどの商業空間としての役割,オスマンの大改造前時点でのパリの変化との関連などを分析し,パリの中での「ファッション」の中心地形成の過程を理解する。


    3. 18世紀末~19世紀パリの既製服小売業の展開と,古着業や注文服製造業との関連


    仕立服・古着・既製服という軸から,ファッションの伝達構造を捉える。なお,これについては,パリ・オート・クチュールの消費・模倣・情報伝達の場になった1920年代ニューヨークと,既製服製造の工業化が本格的に始まる1960年代ニューヨークの状況も踏まえ,既製服成立とその要素の注文服への導入により生じた衣服の複製可能性とアート性についてもいずれは論じたい。


    4. 「モード都市パリ」の形成


    上記のようなパリの服飾品製造・小売業者の活動を,コルベール期フランスの産業政策や宮廷の状況を鑑みつつ,「モード都市パリ」が成立していく過程として捉え,パリが世界のファッションの中心地として確立されたのはなぜなのかを考察する。


    5. 「奢侈」そして「半奢侈」という概念と,「ファッション」の定義


    コルベール期以降,広く見れば現在に至るまで続くフランスの産業の「奢侈」路線と,18世紀以降ヨーロッパに広まり,大衆消費社会形成の土台となっていった「半奢侈」の関係について。また,そういった中で生じていったと思われるパリの「ファッション」を巡る特異性を併せて考えたい。


    6. 西ヨーロッパのレース業


    コルベール主義の下に推進されたレース業が以降フランスの「モード」とどう関わってきたかを考えるため,西ヨーロッパ全体での手工業によるニードル・レースとボビン・レース,そして種々の工業化以降のレースの展開を辿っている。レース業を経済史に位置付けると共に,レース業においても窺える奢侈と半奢侈の拮抗,もしくは前者から後者への推移についても追いたい。




    以上の課題のため,具体的には,帳簿などの商人文書,商業年鑑,古地図などを主な史料として分析を進めている。またレース業については,先行研究も文字史料も極めて乏しいため,現物や現存技術についても分析方法を検討中である。

研究キーワード

  • レース   経済史   西洋史   都市史   奢侈   18世紀   商業史   服飾史   小売業   パリ   ファッション   モード   19世紀   

研究分野

  • 人文・社会 / 史学一般 / 服飾史
  • 人文・社会 / ヨーロッパ史、アメリカ史 / 都市史
  • 人文・社会 / ヨーロッパ史、アメリカ史 / フランス史
  • 人文・社会 / 経済史 / 商業史

経歴

  • 2017年04月 - 現在  東洋大学経営学部准教授
  • 2016年09月 - 2017年03月  共立女子大学非常勤講師
  • 2016年04月 - 2017年03月  法政大学比較経済研究所兼任研究員
  • 2013年09月 - 2017年03月  立正大学文学部非常勤講師
  • 2014年04月 - 2016年09月  首都大学東京都市教養学部非常勤講師
  • 2013年04月 - 2016年03月  日本学術振興会特別研究員PD
  • 2014年09月 - 2015年03月  立教大学文学部非常勤講師
  • 2013年04月 - 2015年03月  お茶の水女子大学生活科学部非常勤講師
  • 2010年04月 - 2014年03月  東洋学園大学非常勤講師
  • 2011年10月 - 2013年03月  お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科研究院研究員
  • 2011年10月 - 2012年03月  東京国際大学経済学部非常勤講師
  • 2011年04月 - 2012年03月  お茶の水女子大学生活科学部教育研究協力員
  • 2006年04月 - 2007年09月  日本学術振興会特別研究員DC2
  • 2005年04月 - 2006年03月  お茶の水女子大学生活科学部アカデミック・アシスタント
  • 2004年05月 - 2005年02月  お茶の水女子大学大学院人間文化研究科ティーチング・アシスタント

学歴

  • 2004年04月 - 2011年03月   お茶の水女子大学大学院   人間文化研究科   比較社会文化学専攻博士後期課程
  • 2007年10月 - 2009年06月   パリ第1大学   09学部(史学)   経済史専攻Master 2課程
  • 2002年04月 - 2004年03月   東京大学大学院   人文社会系研究科   欧米系文化研究専攻西洋史学専門分野修士課程
  • 2000年04月 - 2002年03月   東京大学   文学部   歴史文化学科西洋史学専修課程
  • 1998年04月 - 2000年03月   東京大学   教養学部   文科III類

所属学協会

  • 糸・布・衣の循環史研究会   都市史学会   日仏歴史学会   史学会   

研究活動情報

論文

書籍

  • 上垣 豊 (担当:分担執筆範囲:歴史の扉10 モード)ミネルヴァ書房 2020年03月 ISBN: 9784623087785 346 212-219
  • 徳井, 淑子; 朝倉, 三枝; 内村, 理奈; 角田, 奈歩; 新實, 五穂; 原口, 碧 (担当:共著範囲:第I部第1章「流行を商う」:モード界の「ナポレオン」とオート・クチュールの起源,第II部「遺産目録」,「会計帳簿(商人文書)」,「商業年鑑」,「ファッション雑誌」)悠書館 2016年 ISBN: 9784865820102 282, xlvp, 図版 [8] p 31-70; 223-227; 238-244; 249-253; 265-271 
    第1部論文集内論文については「流行を商う:ファッション界の「ナポレオン」とオート・クチュールの起源」へ
  • 杉本 淑彦; 竹中 幸史 (担当:分担執筆範囲:第5章 「モードの国」フランス)ミネルヴァ書房 2015年06月 ISBN: 9784623072712 360 71-85
  • 内村 理奈 (担当:分担執筆範囲:第9章 ファッション産業の歴史とグローバル化)北樹出版 2014年10月 ISBN: 9784779304330 222 161-180
  • 角田 奈歩 (担当:単著範囲:)悠書館 2013年02月 ISBN: 9784903487687 251

講演・口頭発表等

  • 角田 奈歩
    奢侈/半奢侈とファッション 2019年06月 口頭発表(基調) 東洋大学 糸・布・衣の循環史研究会
  • 角田 奈歩
    Textiles and Materiality: Mixing Fibres between East and West, 16th-20th Centuries 2019年03月 口頭発表(一般) The University of Warwick in Venice, Palazzo Pesaro Papafava, Venice 糸・布・衣の循環史研究会/Global History and Culture Centre of the University of Warwick
  • 角田 奈歩
    2017年度都市史学会大会 2017年12月 口頭発表(一般) 東京理科大学 都市史学会
  • 角田 奈歩
    東洋大学公開講座 エクステンション講座A 2017年10月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等 東洋大学 社会貢献センター
  • 角田 奈歩
    Popularizing Fabrics and Clothing: Reconstructing What Was What of Fabrics and Dress 1600-1930 2017年06月 口頭発表(一般) 法政大学 糸・布・衣の循環史研究会
  • 角田 奈歩
    20世紀日本ファッション産業の仲介者たち 2016年06月 口頭発表(一般) 立命館大学アート・リサーチセンター 糸・布・衣の循環史研究会/「デジタル・アーカイブ手法を用いた近代染織資料の整理と活用」
  • 角田 奈歩
    Think of Fashion 2015年10月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等 coromoza fashion laboratory,東京 Fashion Studies (fashionstudies.org)
  • 角田 奈歩
    Symposium "Linking Cloth-Clothing Globally: 18-20th Century Mapping" 2015年08月 口頭発表(一般) 東京大学東洋文化研究所 糸・布・衣の循環史研究会
  • 角田 奈歩
    個人とファッションのはざま:現代ムスリム女性のヴェール着用 2014年10月 口頭発表(一般) 東京大学東洋文化研究所 Global History Collaborative/新しい世界史 グローバル・ヒストリー共同研究拠点の構築/糸・布・衣の循環史研究会
  • 角田 奈歩
    第64回日本西洋史学会 2014年06月 ポスター発表 立教大学 
    アンシャン・レジーム期パリでは,日用品製造・小売は同業組合(ギルド)単位で行われていた。服飾関係業の分業は細かく,衣服入手方法は煩雑で,高価な注文服か流行遅れの古着しか選択肢はなかった。一般にヨーロッパでは仕立工ギルドが古着を扱ったが,パリでは13世紀以来,古着商同業組合が独立して存在した。しかし1776年,財務総監チュルゴの改革と失脚により同業組合制度が再編成されると,古着商と仕立工の同業組合が統合され,パリの仕立工らは既製服販売の可能性を得る。一方,高級服飾品を扱うモード商という職業が再編成時に同業組合認可を受けたが,彼らも既製服を扱い始めた。 続く革命期,ル・シャプリエ法により同業組合制度は廃止される。その後,注文服と古着双方の利点を兼ね添える既製服の製造・小売は,1820年代から確立されていく。 このような過渡期にあった当時のパリの服飾品製造・流通構造を,注文服・古着・既製服という3つの軸から考える。
  • 角田 奈歩
    International Conference "What Was Shared and What Was Circulated? Towards Global History of Consumption, Secondhand Circulations and Adaptations" 2013年11月 口頭発表(一般) 東京大学東洋文化研究所 基盤研究(S)「ユーラシアの近代と世界史叙述」(代表:羽田正)
  • 角田 奈歩
    レクチャー・ワークショップ「古着が開く世界:模倣と創造が生むファッション」 2013年02月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名) 文化学園大学 基盤研究(S)「ユーラシアの近代と新しい世界史叙述」,基盤研究(C)「服飾流行における模倣論構築のための社会・文化史的研究」,文化学園大学文化ファッション研究機構服飾文化共同研究「ファッション分野における政策的支援に関する研究:国内外の産業・文化政策を中心に」共催
  • 18世紀後半~19世紀前半パリにおける服飾品小売とモード商  [通常講演]
    角田 奈歩
    史学会第109回大会西洋史部会 2011年11月 口頭発表(一般) 東京大学 史学会
  • 18世紀パリにおける服飾品流通と同業組合  [通常講演]
    角田 奈歩
    史学会第103回大会西洋史部会 2005年11月 口頭発表(一般) 東京大学 史学会

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

担当経験のある科目

  • 歴史の諸問題東洋大学
  • 女性と社会共立女子大学
  • ヨーロッパ社会・経済史立正大学
  • フランス語圏文化史首都大学東京
  • 西洋史特講立正大学
  • 服飾史資料論お茶の水女子大学
  • 専門基礎・フランス語立教大学
  • 西洋服飾論お茶の水女子大学
  • ファッション文化史東洋学園大学
  • 服飾文化各論お茶の水女子大学
  • 西洋経済史東京国際大学

その他

  • 2020年03月  〈Web体験授業〉「モードの国」フランスの成り立ち 
    http://www.toyo.ac.jp/nyushi/column/video-lecture/20200318_01.html
  • 2019年04月  〈対談〉「歴史を明らかにするということ」 
    安城寿子『1964東京五輪ユニフォームの謎:消された歴史と太陽の赤』(光文社新書 2019年)978-4334044084 内 対談(1)
  • 2013年07月  〈取材記事・共同〉「つきまとう“色”と“模様”の禁忌:ファッションタブーに挑む「本」「映画」」(『サイゾー』2013年7月号,74-77頁)
  • 2012年10月  〈講演英訳協力〉Yoshiko TOKUI, “Historical and Comparative Research of Clothing Patterns”, 2012 International Textiles and Costume Culture Congress, Seoul, 05-07 October 2012

その他のリンク

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