本研究はコミュニケーション力育成を目指した日本の学校英語教育改革において、中学・高校に勤務する英語教員の実践の変化とその要因を調査することを目的とした。初年度から3年目までは主に文献研究とデータ収集をアンケートやインタビューで行い、最終年度は収集したデータをCritical Language Policyの枠組みで分析し、国家主導の教育改革に伴う社会的・文化的プロセスが教育の現場もたらす影響を検証した。結果、改革が広がらない要因として、教育改革と教員心理の間の心理的距離と、学校単位の組織的な取り組みの不在があることなどが明らかになった。