研究者総覧

小柴 和子 (コシバ カズコ)

  • 生命科学部生命科学科 教授
  • 生体医工学研究センター 研究員
  • 工業技術研究所 研究員
Last Updated :2024/04/23

研究者情報

学位

  • 博士(理学)

科研費研究者番号

  • 30467005

J-Global ID

研究キーワード

  • 形態進化   再生   発生   心臓   

研究分野

  • ライフサイエンス / 発生生物学

経歴

  • 2017年04月 - 現在  東洋大学生命科学部応用生物科学科教授
  • 2016年04月 - 2017年03月  東洋大学生命科学部応用生物科学科准教授
  • 2010年04月 - 2016年03月  東京大学分子細胞生物学研究所エピゲノム疾患センター心循環器再生研究分野講師
  • 2010年02月 - 2010年03月  東京大学分子細胞生物学研究所高次機能研究分野助教
  • 2007年09月 - 2010年01月  東京工業大学グローバルエッジ研究院山村フェロー博士研究員・東工大特別研究員・特別研究員(RPD)
  • 2006年10月 - 2007年08月  UCSFグラッドストーン研究所博士研究員
  • 2002年10月 - 2006年09月  トロント小児病院心循環器研究部門リサーチ・アソシエート
  • 1998年04月 - 2002年09月  奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科教務職員
  • 1997年04月 - 1998年03月  徳島大学工学部生物工学科未来開拓研究員
  • 1995年05月 - 1997年03月  ERATO吉里再生機構プロジェクト研究員

学歴

  •         - 1995年04月   東北大学大学院   理学研究科   生物学専攻博士課程
  •         - 1992年03月   東北大学大学院   理学研究科   生物学専攻修士課程
  •         - 1990年03月   東北大学   理学部   生物学科

研究活動情報

論文

MISC

受賞

  • 2010年 日本動物学会奨励賞
     
    受賞者: 小柴 和子
  • 2007年 公益信託山村富美記念女性科学研究者研究助成基金
     
    受賞者: 小柴 和子
  • 2002年 上原記念生命科学財団 海外留学助成リサーチフェローシップ
     
    受賞者: 小柴 和子

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 竹内 純; 小柴 和子; 井原 健介
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 小柴 和子
     
    脊椎動物の心臓の形態は様々であり、魚類は1心房1心室、両生類は2心房1心室、ワニ目・鳥類・哺乳類は2心房2心室の心臓を有する。このような形態変化は2心房2心室の心臓をもつマウスの心臓発生においても認められ、心房と心室の区画ができた後に、心房中隔と心室中隔が形成されることにより、2心房2心室の心臓が形作られる。心室中隔の形成には転写因子Tbx5の左心室への局在が心臓の進化発生において重要であることが分かっており、心房中隔形成においても心房に極性をもって発現する因子の関与があるのではないかと考え、マウス心房で左右に極性をもって発現する因子をゼブラフィッシュ、肺魚、アフリカツメガエル、マウスで比較したところ、左心房へのPitx2の局在が心房中隔の形成と非常によく関連していることを見出した。そこで、Pitx2の極性をもった発現が、心房中隔形成および心臓機能に与える影響を明らかにするために、Pitx2を心臓全体に発現するマウスを作出し、形態解析および遺伝子発現解析を行った。Pitx2の過剰発現によって発現が上昇する因子のうち、表現型との関連が深いと考えられる因子に着目し、Pitx2による発現制御機構の詳細について解析を進めている。また、心臓は、拍動を担う作業心筋だけでなく、洞房結節といった特殊心筋や心臓線維芽細胞などのさまざまな細胞種によって構成され、それらの相互作用が心臓の形成、機能維持に重要である。そこで、Pitx2の過剰発現による影響を細胞種ごとに調べるための解析系を構築中である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 渡邉 裕介; 小柴 和子; 中川 修; 浦崎 明宏; LAMRI LYNDA; 能丸 寛子; 原田 恭弘; 垣花 優希; 橋本 大輝; 劉 孟佳; 瀬谷 大貴; 田中 亨
     
    本研究は①「胸部大血管形成における内皮細胞発生・管腔構造形成の重要性と制御機構の解明」と、②「心室筋の異なる領域における転写制御機構と細胞運命の解明」を目的として転写抑制に機能するHeyファミリー因子に着目して研究を進めている。 ①について、本年度は胸部大血管形成における内皮細胞でのHey1遺伝子の重要性を明らかにするため、胸部大血管の由来となる胎生10.5日目胚での咽頭弓動脈の構造および遺伝子発現についても解析を進めた。その結果、内皮細胞でHey1遺伝子を欠損させたcKOマウスでは第4咽頭弓動脈の形成異常が生じ、動脈内皮細胞マーカーの発現が消失することを観察した。一方、cKOマウスの咽頭弓動脈での平滑筋細胞マーカーや神経堤細胞マーカーの発現は正常であった。前年度および今年度の結果から、内皮細胞で発現するHey1遺伝子の胸部大血管形成における重要性と転写制御機構の一端を明らかにした。本研究実績はJBC誌に投稿し受理された(Watanabe et al., 2021. 筆頭および責任著者)。 ②について、本年度は胎生期心室筋で発現するHey2遺伝子の機能解析を行った。右心室から心室間領域にかけてHey2遺伝子を欠損させたcKOマウスでは、全身Hey2遺伝子欠損と同様に心室中隔欠損、三尖弁形成異常、右心室低形成を生じた。cKOマウス右心室では転写抑制に機能するTbx2の発現が異所的に誘導され、その下流遺伝子であるMycn発現が減少していた。さらに細胞増殖も低下していた。以上から、Hey2-Tbx2-Mycnの転写抑制カスケードが右心室形成に必須であることが示された。本研究実績はDev Growth Differ誌に投稿し受理された(Seya et al., 2021. 共責任著者)。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年04月 -2021年03月 
    代表者 : 小柴 和子
     
    多くの脊椎動物の心臓流出路が心筋から構成されているのに対し、ゼブラフィッシュなどの真骨魚類はエラスチンに富んだ平滑筋からなる心臓流出路(動脈球)を有する。これまでの研究から動脈球の獲得にはトロポエラスチン遺伝子の重複と新規機能の獲得が重要であることが分かってきた。本研究では、エラスチン重合に関与するltbpやファイブリンに着目し、ゼブラフィッシュの心臓発生における発現パターンを詳細に観察するとともに、トロポエラスチン遺伝子も含めこれら遺伝子が動脈球に発現する制御機構を明らかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 小柴 和子; 守山 裕大; 春日井 隆; 吉田 真明
     
    軟体動物頭足類は心臓を3個有している。1個は体心臓と呼ばれ、血液を全身に循環させる機能を担っており、脊椎動物の心臓と同様の役割を果たしている。他の2個は鰓心臓と呼ばれ、鰓に血液を送ることに特化した心臓である。このように特殊な心循環器系を有している頭足類において、体心臓、鰓心臓がどのように発生してくるのか、そのメカニズムは全く明らかにされていない。本研究では世界最小のイカであるヒメイカを用いて鰓心臓、体心臓の発生過程を調べた。脊椎動物の心臓特異的転写因子をヒメイカから単離し、発現様式を詳細に解析したところ、体心臓と鰓心臓は共通の心臓予定領域から発生してくる可能性が示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2013年04月 -2016年03月 
    代表者 : 竹内 純; 小柴 和子; 白髭 克彦
     
    本研究期間を通して、哺乳類心臓再生を向上させる機構について、2つの研究結果をまとめることが出来た。一つは、心筋再生に関わる際に心臓前駆細胞遺伝子マーカーSall1が発現しエピ因子の機能を制御することを見出した(Morita et al., submitted 2016b) 。Sall1は初期心臓発生において、心筋心臓前駆細胞遺伝子である(Morita et al., JMCC 2016; 3月号雑誌表紙:特願2015-187363)。二つめは、クロマチン因子Baf60cは心臓再生において重要な働きをしていることを見出した(Nakamura et al., DGD 2016)。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年04月 -2012年03月 
    代表者 : 小柴 和子
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年 -2012年 
    代表者 : 竹内 純; 塚原 由布子; 小柴 和子; 白髭 克彦
     
    哺乳類の心臓が再生不可能と考えられていたが、マウス新生児数日以内ならば心筋のみならず心機能も回復する。スクリーニングを行なった結果、興味深いことに、既知のクロマチン因子群が心筋誘導時に発現し成体後に減少することを見出した。クロマチン因子であるBrg1-Baf60cの心臓特異的強制発現系(BAF-TG)マウスを作製しMI(心筋梗塞)を発症させたところ、対照マウスとの比較結果から線維化が抑制され予後回復されていた。週毎に心エコー評価を行なったところ、心筋収縮率も回復されていた。この結果は、Baf60cによって心筋遺伝子プロモーターが活性化状態(クロマチン構造が紐解かれている状態)になっており、これが心筋の可塑性に関わっていると考えている。現在Baf60cを抑制する因子も明らかにできており(論文投稿中)、今後は、MI後特異的遺伝子導入を行い、クロマチン因子の発現亢進に伴う心筋再生能との関連を試みる。さらに、本萌芽研究で、再生能力の高い有尾両生類の心臓再生時、及び、マウス心臓再生可能時においても一過的にクロマチン因子の発現亢進が起る。BAF-TGマウスでは心臓再生の向上が見受けられ、ChIP法により幾つかの心筋遺伝子プロモーター領域でエピジェネティックな変化を見出した(投稿中)。つまり、再生能力低下の原因が心筋細胞のクロマチン構造の安定性が強化されたことによる転写環境の変化と考えられる。この一連の結果より、ChIP-seqを立ち上げるきっかけをつかむことが出来た。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2008年 -2010年 
    代表者 : 小柴 和子
     
    脊椎動物の心臓は、魚類(一心房一心室)から鳥類・哺乳類(二心房二心室)へと、生活環境の変化に伴いより高次な形態を持つようになった。本研究は脊椎動物の心臓形態進化に着目し、脊椎動物が心房心室中隔を獲得していったメカニズムを明らかにすることにより、ヒトの先天性心疾患である心房心室中隔欠損症の発症原因の解明に迫ろうというものである。そのため心室中隔獲得過程にある爬虫類を用いて、心臓発生を調べたところ、心室中隔形成にTbx5遺伝子の左心室への局在が重要であることが明らかになった。この結果は一つの遺伝子の発現様式が進化過程で変化することにより、心臓形態を変化させていったという、心臓進化に関わる新たな知見をもたらした。

その他のリンク

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