日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究期間 : 2015年04月 -2018年03月
代表者 : 持田 信樹; 石田 三成; 林 正義; 中里 透; 天羽 正継; 橋都 由加子
地方債の信用力は発行団体ごとの財政状況によって規定される部分と地方財政制度全体として地方債の償還確実性を担保する仕組みによって規定される部分とに分けて考えることができる。前者と後者は完全に分離されているとより、前者が後者にも影響を及ぼしている。近年の地方債市場は個別条件決定方式、夕張市の財政破綻などのイベントを経験したが、コンテイジョン(伝染・伝播)リスクと思われる金利スプレッドの拡大が観察された。低廉で安定的な資金調達の確保と、発行体の財政状況に即した地方債スプレッドの形成を通じた市場による規律づけの確保のいずれを重視するかの政策判断が重要になる。