研究者総覧

岡村 敏之 (オカムラ トシユキ)

  • 国際学部国際地域学科 教授
  • 国際学研究科国際地域学専攻 教授
  • 国際共生社会研究センター 研究員
Last Updated :2025/04/19

研究者情報

学位

  • 博士(工学)(東京大学)

科研費研究者番号

  • 90314781

J-Global ID

研究キーワード

  • 公共交通計画   都市交通   鉄道計画   交通工学   交通計画   Public transportation Planning   Urban transport   Railway planning   Transportation Engineering   Transportation Planning   

研究分野

  • 社会基盤(土木・建築・防災) / 土木環境システム
  • 社会基盤(土木・建築・防災) / 土木計画学、交通工学

経歴

  • 2016年04月 - 現在  東洋大学国際学部国際地域学科教授
  • 2012年04月 - 2016年03月  東洋大学国際地域学部国際地域学科教授
  • 2011年04月 - 2012年03月  横浜国立大学 都市イノベーション研究院准教授
  • 2005年01月 - 2011年03月  横浜国立大学大学院工学研究院助教授(准教授)
  • 1999年04月 - 2004年12月  広島大学大学院国際協力研究科助手
  • 1999年 - 2004年  Graduate School for International Development and Cooperation

学歴

  • 1996年04月 - 1999年03月   東京大学大学院   工学系研究科   社会基盤工学専攻博士課程
  • 1994年04月 - 1996年03月   東京大学大学院   工学系研究科   土木工学専攻修士課程
  • 1992年04月 - 1994年03月   東京大学   工学部   土木工学科
  • 1990年04月 - 1992年03月   東京大学   教養学部   理科I類

所属学協会

  • 国際開発学会   日本福祉のまちづくり学会   アジア交通学会   交通工学研究会   日本都市計画学会   土木学会   Eastern Asia Society for Transportation Studies   Japan Society of Traffic Engineers   City Planning Institute of Japan   Japan Society of Civil Engineers   

研究活動情報

論文

書籍

  • 自然災害科学・防災の百科事典
    日本自然災害 (担当:分担執筆範囲:第11章 都市災害 鉄道、p476 –p477)丸善出版 2022年01月 ISBN: 9784621306642
  • 家田, 仁; 小嶋, 光信; 三村, 聡; 岡村, 敏之; 伊藤, 昌毅 (担当:編者(編著者)範囲:第1部第1章.1:生活の質の向上に資する地域モビリティ 第1部第4章:まちづくりからみた再構築)薫風社 2021年08月 ISBN: 9784902055412 291p
  • それは足からはじまった?モビリティの科学
    岡村 敏之; 家田 仁 (担当:範囲:8.4 競争と共同のメカニズム)技報堂出版 2000年06月 
    公共交通の競争と共同のメカニズムについて,事例を挙げて解説した.

講演・口頭発表等

  • Factors Affecting Behavioral Intention toward Public Transport focusing on Walking Environment and Preference: A case of Phnom Penh City  [通常講演]
    Toshiyuki OKAMURA
    The 15th International Conference of the Eastern Asia Society for Transportation Studies 2023 (EASTS 2023) 2023年09月 口頭発表(一般)
  • Result of UBER and GRAB users' preference surveys conducted in 2016 and 2017  [招待講演]
    岡村 敏之
    CoREST VI 2018 2018年05月 口頭発表(招待・特別)
  • 都市における公共交通の役割  [招待講演]
    岡村 敏之
    第35 回 EST創発セミナーinはだの 2017年10月 口頭発表(基調)
  • 白熱討論 「くらしの足の確保の先を見据えて」  [通常講演]
    岡村 敏之
    くらしの足をみんなで考える全国フォーラム2017 2017年10月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • 「自助」・「共助」と「地域公共交通事業」のはざまを探る  [招待講演]
    岡村 敏之
    一般財団法人 地域公共交通総合研究所 第5回シンポジウム 2017年08月 口頭発表(招待・特別)
  • Analysing behavioural intentions in new residential developments of motorcycle dependent cities: A case of Ho Chi Minh City, Vietnam  [通常講演]
    Hoang Le Quan; 岡村 敏之
    The 14th World Conference on Transport Research 2016年07月 ポスター発表
  • Identifying determinants of the intentions and the choices of mass rapid transit use in Ho Chi Minh City  [通常講演]
    Hoang Le Quan; 岡村 敏之
    開発途上国の交通に関するセミナー 2016年06月 口頭発表(一般)
  • 途上国の都市公共交通の現状と今後の方向性  [招待講演]
    岡村 敏之
    日交研シリーズ 2015年06月 口頭発表(一般)
  • 岡村 敏之; 中村文彦王鋭
    第46回土木計画学研究発表会 2012年11月 口頭発表(一般)
  • 佐藤保大; 中村文彦; 岡村敏之; 田中伸治; WANG Rui
    土木計画学研究・講演集(CD-ROM) 2012年11月
  • 小幡慎二; 岡村敏之; 中村文彦; 王鋭
    土木学会年次学術講演会講演概要集(CD-ROM) 2012年08月
  • 岡村敏之; 中村文彦; 小幡慎二; WANG Rui
    土木計画学研究・講演集(CD-ROM) 2012年06月
  • Attitudes of jeepney passengers in Metro Ma-nila, considering different lifestyles  [通常講演]
    岡村 敏之; Yutaro KanekoFumihiko; NakamuraRui WangJose Regin; F. Regidor
    11th International Congress of Asian Planning Schools Association 2011年09月 口頭発表(一般) 
    マニラにおいて,ジープニーをはじめとする公共交通利用者を主に対象として,自動車依存傾向とライフスタイルとの関係,複数の公共交通モードおよび自家用車の使い分けに関する態度について,調査分析を行った.
  • 清水和弘; 中村文彦; 岡村敏之; 王鋭
    土木学会年次学術講演会講演概要集(CD-ROM) 2010年08月
  • Passengers’ preference on Urban Public Transport service in Nairobi  [通常講演]
    岡村 敏之; John; Ngatia GITHUIFumihiko; NAKA-MURA
    Proceedings of International Symposium on Engineering, Energy and Environment (ISEEE 2009) 2010年07月 口頭発表(一般)
  • The Structure of Users’ Satisfaction on Urban Public Transport Service in Nairobi  [通常講演]
    岡村 敏之; John; Ngatia GITHUIFumihiko; NAKAMURA
    11th World Conference on Transport Research 2010年07月 口頭発表(一般)
  • 大都市郊外地域における駅前地区の比較評価に関する研究  [通常講演]
    岡村 敏之
    土木計画学研究発表会・講演集 2006年
  • 都市内の複雑なバス系統における時刻表表示の統一の試み  [通常講演]
    岡村 敏之; 藤原章正
    年次学術講演会講演概要集、土木学会 2004年09月 
    広島都市圏で複数のバス系統が集中している区間を対象に、共通フォーマットの時刻表をバス停に掲示した社会実験を紹介し、時刻表デザイン共通化の効果や、実施上の問題点を整理した。
  • Finding behavioral rules of urban public transport passengers by using boarding records of integrate  [通常講演]
    岡村 敏之; 藤原章正; 張峻屹
    10th World Conference on Transport Research 2004年07月 
    プリペイドカードデータを用い,代表的なデータマイニング手法であるCHAIDを用いて、マーケティングに有効な利用者類型化のためのルールの記述を行い,類型化されたグループの特徴を把握し都市公共交通のマーケティングへ適用した.
  • 岡村敏之; 藤原章正; 小山健
    土木学会年次学術講演会講演概要集 第4部 2001年09月

MISC

受賞

  • 2022年03月 公益財団法人 交通協力会 第47回交通図書賞 第1部(経済・経営部門)
     地域モビリティの再構築 
    受賞者: 家田仁;小嶋光信(以上、監修)三村聡;岡村敏之;伊藤昌毅(以上、編著)
  • 第15回懸賞論文入賞 財団法人道路経済研究所
     
    受賞者: 岡村 敏之

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 途上国における戦略的モビリティマネジメント推進のための政策パッケージの立案手法
    文部科学省:科学研究費 基盤研究(C) 一般
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 岡村 敏之
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2016年03月 
    代表者 : 中村 文彦; 岡村 敏之
     
    本研究では、都市鉄道が普及しつつある東南アジア大都市において、鉄道が人々に認知され、さまざまなかたちで関わりを持つようになる可能性(鉄道文化普及可能性と名付ける)を探るため、タイを対象に、鉄道愛好雑誌の東南アジア版を試作し、東南アジアの人々の関心の持ち方を計測することを目的とした。 試作品を作成し、タイの現地学生を中心としたアンケート調査を行い、その結果をもとに再度試作品を作成し、さらに現地で再度アンケート調査を実施した。最終的な結果として、東南アジアにおいて、未知の交通システムや日本の優れた事例への関心が高いこと、都市内の公共交通への意識が高いこと、総じて購入意思があることを確認した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年04月 -2014年03月 
    代表者 : 中村 文彦; 岡村 敏之
     
    本研究では、途上国だけでなく先進国でも注目されているBRT(バス高速輸送システム)に着目し、その運用において情報通信技術を活用したものをインテリジェントBRTと名づけ、具体的な都市において、その設計及び導入可能性評価を行うための、設計評価用シミュレーションシステムの開発に向けて、先進BRT事例についての詳細な現地調査分析を通して、既存の交通シミュレーションソフトウェアVISSIMの活用を前提に、輸送能力モデル、交通シミュレーションモデル、オペレーションズリサーチモデルを取り入れていくシステム開発のための要件について明らかにした。
  • 文部科学省:科学研究費 基盤研究(C)(一般)
    研究期間 : 2012年 -2014年 
    代表者 : 岡村敏之; 中村 文彦; 王 鋭
     
    今年度は引き続き、交通計画およびそれ以外の分野(社会調査論、マーケティング、文化人類学等)の調査手法の整理を行った。また、昨年度のフィリピン国マニラでの予備調査に引き続き、今年度はベトナム国ホーチミン市において、11月の予備訪問の後、3月の現地訪問の際に、現地のホーチミン交通大学の協力を得て、おもにバイク利用者とバス利用者に対するインタビュー調査および自己記入式の調査を行い、調査票を回収した。また、昨年度に共同研究者が行ったブラジル国クリチバ市での調査結果をもとに、分析を進めた。以上をもとに、途上国での人々の自動車等の私的交通手段への依存傾向の現状調査を進め、調査項目の精緻化と、調査方法の確立を行った。
  • トリップチェーンに着目したカーシェアリングの都市内潜在需要の評価
    日産財団:研究助成
    研究期間 : 2012年04月 -2013年03月 
    代表者 : 岡村 敏之
  • 短距離トリップの移動特性に着目した電気自動車によるカーシェアリングの可能性評価
    日産財団:研究助成
    研究期間 : 2011年04月 -2012年03月 
    代表者 : 岡村 敏之
  • 文部科学省:科学研究費 若手研究(B)
    研究期間 : 2009年 -2011年 
    代表者 : 岡村敏之
     
    本研究は、東京都市圏のある地域の都市内路線バスネットワークを対象として、4ヶ月間の連続的なICカード利用履歴から利用者および路線の特性の把握を行った.個人単位のトリップ数の時間変動・日変動に着目した分析、路線や地区の特性を考慮した利用者特性に着目した分析を行い、これまで定性的な把握に留まっていた利用者および路線・地点の特性を定量的に明らかにし、ICカードの利用履歴データが、運行計画や交通計画の策定に対して有用なデータであることが示された.
  • 都市郊外住宅地の再生に向けた生活環境整備と都市公共交通整備との連携方策
    安藤記念奨学財団:研究助成
    研究期間 : 2006年04月 -2007年03月 
    代表者 : 岡村 敏之
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2004年 -2005年 
    代表者 : 藤原 章正; 張 峻屹; 李 百鎭; 岡村 敏之
     
    (1)集団離散選択モデルの比較分析:世帯の車種選択を例に 世帯意思決定に際して,構成員間に相互作用が存在し,構成員の相対的影響力が異なると考えられる.5つの操作性の高い集団離散選択モデルを取り上げ,世帯の車種選択を対象に,モデル間の比較分析を実証的に行った. 平成16年度に広島都市圏で収集した世帯の自動車保有・利用実態に関する調査データを用いた実証分析の結果,現況再現性においては"多項線形モデル"が勝っていることが確認された.しかし,他のモデルの説明力も高い(全てのモデルにおいて自由度調整済み尤度比が0.2以上)ことから,一概にどの意思決定ルールがより支配的かを断定することは困難である.各モデルの精度の高さより,世帯の車種選択においては複数の意思決定ルールが存在する可能性があることが明らかとなった. 一方,車両価格に対する感度分析の結果から"多項線形型モデル"では価格への感度が一番鈍いことが分かった.また,車種によって価格への感度も異なることから,政策評価への応用に際して,モデルを慎重に選定することが求められる.本研究の結果からみれば,どちらと言えば"多項線形モデル"の適用性が高いが,モデル間の精度に顕著な差があるとは言えない. (2)ウェブ調査による世帯居住地選択行動分析 インターネットを介したウェブ調査を実施し,居住地選択における世帯構成員間の相互作用や相対的影響力といった集団意思決定メカニズムを実証的に調べた.広島都市圏在住者を対象に調査した結果,ウェブ調査の有効性を示したと同時に,世帯によって集団意思決定メカニズムの違いを明らかにした.また,政策内容次第で分析対象となっている広島市アストラムライン沿線居住促進の可能性も確認した.
  • 文部科学省:科学研究費 若手研究(B)
    研究期間 : 2004年 -2005年 
    代表者 : 岡村敏之
     
    都市公共交通(鉄道・バス等)では、磁気式やICカード式の乗車カード(プリペイドカード/定期券等)が普及しつつある。本研究は、都市公共交通の乗車記録データを、集計的な分析にとどまらず、行動軌跡データとして有効に扱うための手法を開発するものである。分析には、マーケティング等に用いられつつある「データマイニング手法」(大量のデータから、データサンプルの特性や傾向を発見していく手法)を用いる。昨年度は、カードデータを都市交通計画等に活用するためのデータベースの構築および問題点整理を行い、今年度は、以下の分析を行った。(1)広島都市圏の公共交通乗降データを用いて、1週間/1ヶ月単位といった一定の期間内での利用者の行動軌跡データから、利用者の行動特性および路線特性を、実際の地域のデータを用いて抽出した。その際、既存手法との比較も行った。(2)乗降データを用いたバスの運用効率化の効果の計測を行った。(3)実用化への課題の抽出(データ記録方式、分析手法等)以上の結果に基づき、カードデータなどの、大量かつ個人特定がある程度可能なデータの活用法を整理し、また現状のカードシステムと本研究による分析手法を結合したシステム開発への課題整理を行った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2002年 -2003年 
    代表者 : 藤原 章正; 杉惠 頼寧; 岡村 敏之; 張 峻屹
     
    本研究は,「超低床式車両を用いた路面電車(以下,低床式LRTと呼ぶ)」を対象として,主観的価値に基づく交通事業評価手法を確立することを目的とする.低床式LRTは高齢者や障害者にとってバリアをなくし利用を促進するといった利用価値のみならず,若者にとって自らの老後の利用を見込んだオプション価値や他者の福祉改善による価値なども含まれており,これらを如何に計測するかが重要となる. 14年度は,まず「CVMによる環境質の経済評価:非市場財の価値計測」をレビューし基礎理論と問題点を明らかにした後に,1999年に研究グループで実施した広島市低床式LRTの導入に対するWTP調査データを用いて,主観的価値データに含まれる問題点とその対応方法について検討した.その結果,CVMの回答者が表明する支払意思額に含まれる曖昧性には4つのタイプがあることが明らかになった.これらの曖昧性への対処法として,ファジィ理論に基づく調査分析方法(ファジィCVM)を提案し,その有効性について道路整備事業のアンケートデータを用いて検討した. 15年度は,初年度に構築した主観的価値の曖昧性を取り扱うことのできるファジィ理論に基づく調査分析方法を改良して,CVMにより計測した主観的価値の区間推定の方法を提案した.その成果は,日本都市計画学会,土木学会およびアジア交通学会において発表した.また,路面電車の低床化に対する主観的価値のバイアス修正のために抵抗回答の修正方法と負価値回答の修正方法を提案してその有効性を実証した. 最後に,熊本市および広島市で導入された低床式路面電車に対する利用者の満足度調査データを用いて,低床式LRTに対する利用者の重要視するサービス要因とその水準を明らかにした.また熊本市と広島市のデータを比較して,低床式LRTに対する主観的価値の地域間安定性について検討するとともに,広島市の2時点のデータを比較して,同じく時点間安定性について検討した.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2001年 -2003年 
    代表者 : 杉恵 頼寧; 岡村 敏之; 張 峻屹; 藤原 章正
     
    本研究は、われわれがこれまで進めてきた理論的な研究を実道路ネットワークへ適用し、地方都市における交通需要の適正な誘導策として、ITSの効果を測定する評価システムの実用化を目指し、次のような研究を行った。1)ITS(高度交通情報システム)サービスの利用効果を合理的に考慮できる交通行動モデルの開発 2)ダイナミックマイクロシミュレーションの開発 3)高度交通情報システムの評価 4)評価システムの開発 具体的には、ITSの様々な利用者サービス提供や情報提供に関するSP(選好意識)調査を行い、そのデータを用いて、情報獲得行動(情報機器選択、情報獲得意向モデル)を考慮した交通手段選択モデルを構築した。このモデルは、相対性効果最大化理論に基づく離散選択モデルであるr-NLモデルを基本にしており、マルチモーダル情報提供の効果を推定できる特徴を有している。また、情報内容の違いによる情報獲得行動と交通手段選択への効用効果、さらに獲得情報の種類による交通手段選択への影響を把握できるようになっている。このモデルを用いて、提供サービスの違いのよる交通手段選択への影響をシミュレーション分析により検討した。その結果、情報の確認による効果の増分は、獲得情報の種類により異なり、またマルチモーダル情報を獲得することにより、公共交通の分担率が増加することを確認し、マルチモーダル情報提供の効果を確認することができた。 これによって、情報提供後の個人の交通行動を予測でき、TDM(交通需要マネジメント)施策としての高度情報システムの評価が定量的に行えることが示された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2001年 -2002年 
    代表者 : 奥村 誠; 藤原 章正; 山田 忠史; 高橋 勝彦; 塚井 誠人; 岡村 敏之
     
    本研究では、生産工学、輸送工学、交通工学、地域計画の分野から見たリサイクル物流の問題点を議論し、相互の関連性の共通理解を踏まえて今後の研究課題を抽出・整理することを第1の目的とした。その際、自動車、家電、建設産業などの先進的な企業等へのヒアリングや実務者の講演を実施し、実際的な議論を行うことができた。以上の議論を踏まえ、消費者や小売業のリサイクル行動および企業内における物流、在庫、生産の機能を統合化した概念モデルを構築と、それらの主要な関連関係を数量的に考察するためのシミュレーションモデルの構築を第2の目的とした。しかし消費者のリサイクル行動に関するデータの蓄積はなく、数量的な検討を行うことが困難であることがわかり、概念モデルに関する検討を行うにとどまっている。第3の目的は、リサイクルの進展が物流拠点・生産拠点の配置に及ぼす影響を明らかにすることであり、在庫コストを考慮した物流ネットワークの配置計画モデルのレビューを行い、日本国内の交通網データ、立地コストデータを当てはめて、立地行動のシミュレーションを行うことができた。第4の目的として、物流と生産の協調方策を提案してその効果を分析することとしていたが、システム全体の数量的な検討は困難であることから、再資源の生産活動への導入を考えた場合の企業の在庫管理モデルを集中的に開発した。 以上の研究の結果、対象とする製品によってリサイクルの形態が大きく異なるため、一般的なモデルを提案することは困難であるが、代表的な製品を取り上げた定量的な検討が必要であることがわかった。また、回収品と製品の荷姿や発生頻度が大きく異なることから、同一のトラックを用いた往復輸送は実際的でないため、拠点配置の問題も、既存の立地モデルに静脈側の物流コストを足しこむことによりある程度分析できることがわかった。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(奨励研究(A))
    研究期間 : 2000年 -2001年 
    代表者 : 岡村 敏之
     
    (1)「社会的圧力最小化投資行動」の検証昨年度に構築した「サービス-コストサブモデル」を用いて、東京圏、関西圏の大手民鉄事業者9社を対象に、各社の1967年以降の5カ年ごとの設備投資実績を表現することで、以下のことを明らかにした。・事業者は、単位サービス改善に対する限界費用が5円/分前後の水準で設備投資を行ってきた。・どの事業者も同様程度の限界費用で設備投資をしていることから、事業者は、利用者の時間価値がこの値前後であると認知して設備投資を行ってきたと考えられる。・ただしこの値は、他の交通モードにおける時間価値に比べて費用に低い値である。(2)「社会的圧力最小化投資行動モデル」から導かれる鉄道政策に対する提言鉄道事業者が設備投資を決定しそれを実行できるときとは以下のときであると言える。「当該事業者内の利用者間での内部補助が、利用者の感覚、制度の運用面の2点から見て容認されやすいとき(なぜなら、設備投資資金の回収が、基本的に、当該事業者の利用者間での内部補助(路線(区間)間/時間帯間/時代間)に依存しているため)」。またそれらの事業実施の結果としてサービスが向上(混雑率が低下)するのは、a)減価償却費の範囲内でサービス改善が可能な場合b)需要の伸びによる収益増加分(平均運営費用低減分も含む)を財源にして需要の伸び以上の容量増加投資が行える場合、などごく限定された場合に限られる。従って、鉄道事業者にとっての設備投資の実施可能性の高さと、鉄道利用者にとっての事業の必要性・逼迫性(=プロジェクトの有効性)とは、必ずしも一致しない。従って、必要性の高い事業が実施可能となるような制度が必要である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1999年 -2001年 
    代表者 : 奥村 誠; 杉恵 頼寧; 塚井 誠人; 小松 登志子; 岡村 敏之; 藤原 章正
     
    本研究の目的は,交通工学,衛生工学,水資源工学などの立場からの知見を総合し,中小都市に即した緊急時の給水計画のあり方と,その立案の効率化のためのシステムの開発であり、基本的な分析ツールの開発を行った。第1に代替水源としての可能性の高い地下水利用を念頭におき,地震時の地上・地下構造物の破損により新たな汚染源が発生した場合の飲用可能性を検討するためのシミュレーション方法を開発するとともに,簡便水質測定法の精度の検討を行った。第2に緊急給水作業に対する道路ネットワーク,耐震配水池,井戸水での代替の効果を検討するため,給水車による飲料水の配送計画モデルを作成した。 次いで,東広島市西条地区を対象に,収集した各種のデータを地理情報システム上に整理するとともに,それを用いた具体的な検討を進めた。まず,残存井戸における地下水位と流向流速調査に基づいて利用可能水量の検討を行った。つぎに汚染シミュレーションに基づく汚染拡散を踏まえた簡易水質検査井戸の選定方法の検討,人口と井戸の分布を踏まえた緊急給水点配置の計画モデルを加えて,緊急時の簡易水質測定体制,給水点の設置,給水車の配備を事前に立案する手順を整理した。いずれの問題も複雑な計算を内包するものであり,現時点でパソコン上の簡便な検討システムの構築は困難であることがわかった。 具体的な知見は以下の通りである。第1に地下水の季節的な量的変動にかかわらず,緊急時に必要な水量はほぼ確保できる。第2に芸予地震時に断水した広島県島嶼部では,日常的に井戸水を用いている世帯を中心にかなりの井戸水が飲用に使われていた。第3に汚染シミュレーションを用いれば,井戸の汚染リスクが計算でき,その影響を最小にするような検査井戸が選定できる。第4に使用可能井戸を踏まえて緊急飲料水の配送を考えれば,一定のコスト削減が可能である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1997年 -1999年 
    代表者 : 杉惠 頼寧; 岡村 敏之; 藤原 章正; 張 峻屹
     
    本研究の目的は,交通行動のダイナミック分析手法を交通機関の選好意識(以下SPと略す)の分析に適用し,その時間的な変化の構造を明らかにすることである.クロスセクションモデルを改良したダイナミックモデルを構築し,その有効性を明らかにする.さらに,時系列モデルを適用し,TDM施策が実施された後に通勤交通の時刻選択行動が安定するまでの時系列過程を予測するモデルを構築する.3年間の研究によって次のような成果が得られた. 1.SPダイナミックモデルの構築 これまで我々の研究室で蓄積してきた広島の新交通システム(19994年8月開業)に対するSPデータ(1987,88,90,93,94年)とRPデータ(1994,97年)の合計7時点パネルデータを用いる.これによって,SPデータを用いて予測した新交通システム開業後の選択結果を評価し,SPモデルの信頼性,改善点を明らかにした. 2.TDM導入効果の時系列分析 時間分散型TDM施策であるフレックスタイム制度と時差出金制度を導入した後の施策対象者および非施策対象者の行動変化について分析した.まず,1996年に広島市内で導入されたフレックスタイム制度に関して,導入後2回(1996,97年)のパネル調査データと導入後1年間の出勤管理データを用いて時系列分析を行い,行動の調整過程と安定過程が存在することを示した.次に,1999年に松江市で実施された時差出勤社会実験前後の観測交通量データを用いて,時差出勤の導入に対する交通渋滞の反応遅れについて分析した. 本研究の主要な成果は,1)SPダイナミックモデルを構築し,その有効性を示したこと,2)TDM施策に対する住民の交通行動には反応遅れが生じ,それらを考慮した時系列モデルの適用の重要性を示したことである.今後は本研究で開発した需要予測モデルを多様な交通政策に適用し,より広範な視点からその適用可能性を検討する予定である.

委員歴

  • - 現在   地域公共交通総合研究所   アドバイザリーボード
  • - 現在   交通工学研究会   交通工学編集委員会
  • - 現在   桶川市   地域公共交通会議 委員
  • - 現在   伊豆市   地域公共交通会議 委員
  • - 現在   湯河原町   地域公共交通会議 委員
  • - 現在   町田市   地域公共交通会議 委員
  • - 現在   交通エコロジー・モビリティ財団   地域バス交通活性化委員会
  • - 現在   県央交通圏・湘南交通圏・小田原交通圏 タクシー事業適正化・活性化協議会 委員
  • - 現在   藤沢市   ふじさわサイクルプラン推進連絡協議会
  • - 現在   横浜市   横浜市自転車施策検討協議会 委員
  • - 現在   国立市   地域公共交通会議 委員
  • - 現在   立川市   地域公共交通会議 委員
  • - 現在   寒川町   地域公共交通会議 委員
  • - 現在   藤沢市   地域公共交通会議 委員
  • - 現在   茅ヶ崎市   地域公共交通会議 委員
  • - 現在   中井町   地域公共交通会議 委員
  • - 現在   真鶴町   地域公共交通会議 委員
  • - 現在   小田原市   都市計画審議会 委員
  • - 現在   秦野市   地域公共交通会議 委員
  • - 現在   横浜国道事務所   神奈川県安全性向上委員会 委員
  • 京浜交通圏タクシー事業適正化・活性化協議会 委員
  • 小田原市 総合戦略有識者会議   委員
  • 相模原市 地域交通活性化協議会   委員
  • 川崎市バス事業 アドバイザリー・ボード   委員
  • 館林市外四町地域公共交通会議   委員

その他のリンク

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