研究者総覧

佐藤 総一 (サトウ ソウイチ)

  • 理工学部応用化学科 教授
  • 理工学研究科応用化学専攻 教授
  • 工業技術研究所 研究員
Last Updated :2024/04/23

研究者情報

学位

  • 博士(理学)(1994年03月 筑波大学)

科研費研究者番号

  • 90280908

ORCID ID

J-Global ID

研究キーワード

  • 超原子価化合物   三方両錐形   ハイパーバレント化合物   ヘキサアリールパーテルラン   光学活性   6配位   テトラアリールテルラン   速度論的安定化   リガンドカップリング反応   八面体構造   カルコゲヌラニルジカチオン   Pseudorotation   超分子化学   酸化還元電位   応答性分子   配位結合   レドックス物質   カルコゲヌラン   

研究分野

  • ナノテク・材料 / 無機・錯体化学 / 典型元素化学
  • ナノテク・材料 / 有機合成化学 / 典型元素化学
  • ナノテク・材料 / 構造有機化学、物理有機化学 / 典型元素化学

経歴

  • 2022年04月 - 現在  東洋大学理工学部教授
  • 2018年04月 - 2020年03月  首都大学東京理学部化学科准教授
  • 2006年10月 - 2018年04月  首都大学東京都市教養学部都市教養学科理工学系化学コース准教授
  • 2003年12月 - 2004年03月  筑波大学化学系助教授
  • 1998年05月 - 2003年11月  筑波大学先端学際領域研究(TARA)センター講師
  • 1998年04月 - 1998年05月  筑波大学先端学際領域研究(TARA)センター助手
  • 1995年10月 - 1998年03月  筑波大学化学系(先端学際領域研究(TARA)センター)助手

所属学協会

  • 基礎有機化学会   

研究活動情報

論文

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 佐藤 総一
     
    3つのppy配位子を有する6配位カルコゲノニウム塩の合成、単離を試み、対応するテルロニウム塩とセレノニウム塩の合成・単離に成功した。またそれらのX線結晶構造解析にも成功し、いずれもややひずんだ6配位、八面体構造で、facial体のみが生成していることを明らかにした。またそれぞれの化合物についてDFT計算を試み、いずれもHOMOで中心原子上に非共有電子対が存在していることが明らかとなった。これによりこれら化学種が[14-Ch-6]+(Ch = Se, Te)という、これまでにない大変珍しい化学種であることがわかった。さらに中心原子と窒素原子間の結合特性を詳細に見積もるため、AIM解析を行った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2006年 -2009年 
    代表者 : 鍋島 達弥; 佐藤 総一; 秋根 茂久; 池田 忠作; 山村 正樹
     
    高い協同的な制御機構を組み込んだメタロ超分子を合成し、元素どうしの直接的および間接的な相互作用を制御することによって、分子や超分子の機能を改変できる相乗的な機能をもつ分子システムの構築を行った。特に、シッフ塩基やオキシム部位を複数もつ鎖状あるいは環状配位子、複数のピリジン環を有する多座配位子、ジピロメテンを基本骨核とする多座配位子に着目し、この特性を利用した多様な分子の合成に成功した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2006年 -2007年 
    代表者 : 鍋島 達弥; 秋根 茂久; 池田 忠作; 佐藤 総一
     
    外部因子応答性の機能性分子の研究が近年活発に行われるようになってきたが、多段階の協同性や応答性、これを利用したlogic gateといった動的機能を有する分子は興味深いターゲットであるにもかかわらずその報告例は非常に少ない。そこで本研究では配位結合を利用した自己集積により、柔軟な構造をもつ多元応答性配位空間の構築を行い、分子情報の伝達や機能の変換および増幅を目指した研究を進めた。そこで配位結合による自己組織化・自己集積化による機能場の創成を構築の基本的ストラテジーとした。さらにこの場に、ゲストの添加、酸化還元など外部因子を用いた構造および機能に対する摂動を加えることによって、協同的で動的な機能の多段階制御の実現が可能な配位空間の創出を目指した。 擬クリプタンドによる応答性配位空間の創出として以下の検討を行った。球状配位空間として、正八面体型の鉄一ビピリジン錯体部を構成要素とする擬クリプタンド型アニオンレセプターを設計した。認識場となる空間を包み込むように三つの尿素部位を導入し、効果的なアニオンの包接にふさわしい構造とした。この系においては、認識場の近傍に位置する鉄一ビピリジン錯体部とゲストの静電相互作用の大きさをレドックスにより変化させることで、アニオン認識能を劇的に変化させることに成功した。また我々が開発した新規配位子であるsalamoのC字型誘導体を基本骨格に用い、静的構造および動的性質(配座変換・化学反応)の制御として、「球状配位空間」に取り込まれるイオンの種類に応じた錯林分子の動的な配座変換(らせん反転)速度の制御を実現することができた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2000年 -2002年 
    代表者 : 赤阪 健; 永瀬 茂; 若原 孝次; 佐藤 総一; 岡村 睦雄
     
    光ビスシリル化反応により、ケイ素化フラーレンの創製を試みた。さらに、ポリシラン自身の光分解によるシリルラジカルを、フラーレンで捕捉する可能性を検討した。即ち、ジシランへのフラーレンの挿入反応の拡張を試み、ポリシランの主鎖へのフラーレンの取り込みに成功した。また、これまでに合成したケイ素化フラーレン、ケイ素化金属内包フラーレン等の物性を明らかにし、新たな機能性材料への応用を目指した。 概設設備でフラーレン誘導体生成物の単離同定、構造決定は行えるので、研究経費は器具類、試薬等の消耗品や若干の小型設備の購入にあてた。大型設備費としてMALDI-TOF型質量分析計及び紫外可視近赤外分光光度計を購入し、測定実験、試料合成の大幅な効率化を図った。 平成14年に米国フィラデルフィアで開催された米国電気化学会フラーレンシンポジウムで研究成果発表を行った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2000年 -2001年 
    代表者 : 佐藤 総一
     
    我々が新たに開発した、高効率ヘキサアリールパーテルランの合成法を用いて、まずトリス(2,2'-ビフェニリレン)パーテルラン1を合成した。このテルラン中心原子のテルル上に6配位、2座配位子を3つ持つため、Δ,Λの光学異性体のラセミ体として存在している。これを光学活性カラムにて分割し、それぞれの性質を旋光計、CDスペクトル、UVスペクトルにて観測した。超原子価化合物としては、初めて中心原子上に不斉源を持つ化合物の単離例となり、さらには、今まで理論計算の結果からのみ否定されてきた、3組の3中心4電子結合に関与するd軌道の度合いが、CDスペクトルのd-d^*遷移の吸収の有無にて、初めて実験的に明らかになった。 炭素リガンドのみならず、他の元素が直接中心原子に配位したカルコゲナジカチオン種の合成を試みた。利用する超原子価化合物はKapovitsタイプのジオキシカルコゲヌランで、この化合物群を一旦酸化してオキシスルフランとし、その後トリフルオロメタンスルホン酸無水物にて脱酸素反応を行うことによって、対応するカルコゲナジカチオンの創製を試みる。このタイプのオキシスルフラン、カルコゲナジカチオンの報告はなく、新規化合物となる。また非対称型のリガンド、または酸素原子をリガンドとして持つため、反応性についても従来のものと全く異なった挙動が期待できる。また得られたジカチオン種の安定化を図るため、ベンゼン環の6位に嵩高い置換基を導入し、速度論的安定化を試みた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1999年 -2000年 
    代表者 : 古川 尚道; ERNST Horn; 佐藤 総一; 小林 健二
     
    複数個のカルコゲン原子間には、電気的な作用と立体的相互作用が働く。一般に二配位のカルコゲン原子間では反発相互作用が働くが、複数個のカルコゲン原子の一つを酸化して、カチオンを発生させると、他の二配位のカルコゲン原子が電子吸引的に相互作用して、2つのカルコゲン原子間に、ジカチオンが生成する。この新しいジカチオンは更に複数個のカルコゲン原子間で集積され、超原子価結合を持つ新しい化学結合を発生する。我々は既に、ジカチオンが強い電子吸引基となり、カルコゲン原子に結合している炭素基を活性化し、各種の活性種を発生させることを見出している。 本研究では、1)新たに、カルコゲン原子間の相互作用を利用して、炭素カチオン、ケテン、カルベンの発生に成功した。更に二配位の硫黄、セレンのカチオン(>S^+,>Se^+)を初めて発生することに成功した。その他に、2-ベンジルチオフェニルベンジルスルホキシドとTf_2Oの作用により、ベンジルカチオンと共にベンゾジチエットの発生に成功した。2)2,6-ビスフェニルカルコゲニルフェニル(または2,6-ビスヂメチルアミノメチルフェニル)フェニルテルリドとNOBF_4の反応で、中心テルルが超原子価テルランを持つジカチオンを発生させることが出来た。この反応を利用して、テルリドにベンゼンチオ基をスペーサーとする化合物を用いると、ベンゼン環のπ電子を経由し、反応中心のテルルとは異なる遠隔位置に置換反応を起こさせることに成功し、化学結合を経由する信号伝達モデルを提案した。3)1,4-メチルチオメチルスルフィニルベンゼンとCF_3CO_2Hの反応では分子間での相互作用によりテトラチアカチオンが生成することを^1H-NMRで確認し、分子間での硫黄原子間相互作用の集積により新しい活性分子種や環状ポリフェニレンポリスルフィドの合成に成功した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1998年 -1999年 
    代表者 : 佐藤 総一
     
    カルコゲヌラニルジカチオンは中心原子上に4つの配位子、また2つの正電荷を有する非常に珍しい化学種である。近年我々は、ビフェニリレン基を2つ有するスルフラニルジカチオンを安定に単離する事に成功し、そのX線結晶構造解析により立体構造も明らかにし既に報告した。今回我々はKapovitsリガンドを有するビスアシロキシスルフランを出発原料とし、これにジメチルスルホキシド存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を作用させたところ、対応するスルフラニルジカチオン化合物の生成をNMRにて確認した。単離も試みたが空気中の湿気等に不安定であり、容易に対応するスルホニウム塩に変化した。上記の方法はスルフラニルジカチオンの新たな生成法となる。反応機構としてはおそらくジメチルスルホキシドがトリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応し、スルホニウム塩となった後、これがスルフランと反応して硫黄間にて結合したジカチオン種が発生する。ここからジメチルスルフィドが脱離する事により、目的化合物であるスルフラニルジカチオンが生成しているものと予想される。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1997年 -1998年 
    代表者 : 古川 尚道; 佐藤 総一
     
    2ヶのカルコゲン原子が接近した状態で2電子酸化すると、化学結合としては全く新しいジカルコゲナジカチオンが生成する。このジカチオンは環状化合物やアリール置換体では通常安定で、1,5-ジカルコゲナシクロオクタン骨格を持つ、S,Se,Teのジカチオンは単離され構造が決められている。しかし、非環状の化合物、例えばビフェニルのo,o'位、ナフタレンの1,8-位にアルキルカルコゲニル基を有する化合物では、酸化すると容易に脱アルキル化が進行し、チオスルフォニウム塩のような塩が定量的に得られた。この脱アルキル化反応を上記のカルコゲン化合物と2-メチルチオメチルフェニルアルキルスルフィド(1a)、セレニド(1b)、テルリド(1C)をモデル化合物とし、NOBF_4を用いた-CH_3CN中での酸化反応を行った。(1a)〜(1c)について反応をそれぞれ^1H-NMRにより追跡した所、いずれもジカチオンが生成するが安定性はTe>>Se>Sとなり、Te体のジカチオンは非常に安定な形で単離できた。この反応は-40℃以下で行ったが反応温度の上昇により1a,lbはアルキル基がEt,Pr,i-Pr等では脱アルキルが起こり、その際アルキル基はいずれも炭素カチオン体としてCH_3CNにトラップされ、加水分解によりN-アルキルアセトアミドに変化した。この反応の機構は速度論的実験、光学活性な1-フェネチル基を用いた立体化学の研究より、SNI型の反応で進行し、通常のSNl反応では生成し難い一級のカルボカチオンが生成することを見出した。またジカチオン種の安定性についてのab initio分子軌道計算から、ジカチオンの中心原子の電気陰性度の減少と共に脱離するアルキル炭素とカルコゲン原子間の結合次数が増加するためという結論が得られ、実験結果をよく説明している。この結果はカルコゲンジカチオンの生成により分子が強く活性化され、モノカルコゲニウムカチオンの反応より、10^<10>以上の反応性を示すことが明白になった。同様に分子内では相互作用が考え難い、1,3-,1,4-ビスアルキルチオベンゼンでは同じ条件で2分子間でのジカチオン(テトラカチオン)の生成を経由する反応を新たに見出し、新しい活性カルコゲン分子創製に成功した。

その他のリンク

researchmap