日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
研究期間 : 2020年04月 -2023年03月
代表者 : 保崎 則雄; 藤城 晴佳; 山地 弘起; 斎藤 隆枝; 土井 香乙里; 北村 史
本年度は、研究代表者(保崎則雄)は、同期型オンライン授業での授業における言語コミュニケーションにおいては、授業最後にその場で即興的に行う文字を中心とした授業の振り返りに注目して実施、分析をした。
現在までに明らかになったことは、1)オンラインでの学びや制作活動への馴染みが捗りにつながっていき、学期が進むに連れて有意に高くなったこと、2)協働の制作活動は楽しめる一方で、その難しさは学期を通して継続されたこと、3)クラスメイトとの相互学習は高い尺度評価で安定して
推移したこと、の3点である。
研究分担者(斉藤氏)は、プレゼンテーションスキル向上を目指す「英語ライティング」(授業言語は日英バイリンガル)における実践報告。1つのトピックに対するプレゼンテーションを行う際に、ステップ1で動画投稿サイトにプレゼンテーションを投稿して自己省察、ステップ2でプレゼンテーションビデオを3-4人のグループでディスカッションによる省察、ステップ3で省察を元に修正したプレゼンテーションを口頭発表する手順を取った。結果、ディスカッションのステップを経たプレゼンテーションでは、プレゼン構成が圧倒的に分かりやすくなり、即自的な対応が求められる質疑応答時に聴衆から寄せられた様々な質問に対して、多角的な視点から応答をする態度が多く観察された。別の研究分担者(北村氏)の実践では、即興演劇(≒インプロゲでーム)の手法を取り入れた実践を取り入れ、自由記述による学習者の省察を分析した。学習者の省察を分類すると、1)自身の語彙への気づき、2)自身のコミュニケーションスタイルへの気づき、3)意識下で相手の言葉に反応しようとすることへの気づき、4)知識や正しい事実から飛躍して空想することの難しさ、5)空想することの面白さ、6)相手の言葉を引き出す問いかけの必要性、といった概念が抽出された。