日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
研究期間 : 2016年04月 -2020年03月
代表者 : 菱田 慶文; 中嶋 哲也; 細谷 洋子
平成30年度は、研究代表者の菱田と分担者の中嶋は、サンパウロにて、ブラジル講道館会長やその他、移民初期における柔道教育の聞き取り調査を行った。ブラジルにおける柔道普及の発展史の概要を把握し、その柔道普及におけるソーシャルプロジェクトの概要においても調査することに成功した。ブラジルにおけるソーシャルプロジェクトとは、個人間で行われる小規模なボランティア活動もあれば、NGOなどの団体が国家や企業を巻き込んで行っている大規模なものまで多様であった。特に柔道でのソーシャルプロジェクトの活動は、国家を巻き込んだ活動を行っている。なかでもリオデジャネイロオリンピックの金メダリスト、ラファエラ・シウバ選手を込んだ輩出したヘアソンというNGOは、その代表的な例である。ラファエラ・シウバ選手は、リオの貧民窟であるファベイラ出身者である。ヘアソンというNGOは、柔道だけでなく、子ども達に基礎的な学力を身につけさせるように、学習の支援や職業訓練も行っていることが明らかになった。また、UFC王者、バンダレイシウバ選手の総合格闘技(MMA)のソーシャルプロジェクトについてもインタビューに成功した。シウバ選手は、ブラジルにおいて学校教育において格闘技を導入することを希望している。理由は、青少年を犯罪から遠ざける為である。犯罪が身近におきるブラジルでは、格闘技において、訓練させることによって規律や仲間の大切さを知り、試合に出るために身体を鍛えることが教育につながる事を強調した。これらのようなソーシャルプロジェクトの役割や意義を語った。