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石川 菜央イシカワ ナオ

所属・担当
社会学部社会学科
職名准教授
メールアドレス
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生年月日
Last Updated :2019/09/06

研究者基本情報

学位

  • 博士(環境学), 名古屋大学

研究活動情報

MISC

  • 大学院におけるアクティブラーニングの実践と効果的な教育方法 : 広島大学「たおやかプログラム」における講義「地域文化創生論」を事例に, 石川 菜央, 広島大学総合博物館研究報告, (8) 1 - 15,   2016年, 本研究の目的は,アクティブラーニングの観点から,多国籍の学生を対象にした講義において,効果的な教育方法を提示することである。これまでの多国籍の学生を対象としたアクティブラーニングに関する研究では,日本人の学生と留学生が交流する異文化理解に主眼が置かれていた。筆者が担当する講義「地域文化創生論」では,多国籍の受講生が相互の文化的な背景を理解し合うだけではなく,フィールドワークに関する学びを深めることを目的とした。そして,言語に制約がある中でも,受講生がより主体的に学びを深められるように,講義のアクティブラーニング化を目指した。本稿ではその工夫と学生への教育効果を踏まえ,アクティブラーニングを実践する上での効果的な教育方法について述べる。This study was aimed at presenting effective educational methods with active learning in mind for lectures geared toward international students in classroom settings. Past studies on active learning designed for multinational students have focused mainly on cross-cultural understanding between Japanese and international students. The author's lecture, "Creation of Regional Culture," sets not only mutual understanding of cultural backgrounds, but also gaining deeper learning experience in fieldwork as its objectives for multinational students. The author also aims to integrate active learning into the lecture so that students can voluntarily enhance their studies in fieldwork despite language barriers. Based on the actual methods introduced and their effect on the students, this paper will discuss perspectives required for active learning in educational settings.本研究は,文部科学省博士課程教育リーディングプログラム広島大学大学院「たおやかで平和な共生社会創生プログラム」の講義「地域文化創生論」の実践にもとづいて行った。
  • 大学院分野融合型教育における現地研修の意義と課題―広島大学のたおやかリーディングプログラムを事例として―, 石川 菜央, 岡橋 秀典, 陳 林, E-journal GEO, 11, (2) 502 - 515,   2016年,

    筆者の3人は,広島大学大学院の分野融合型のリーディングプログラムであるたおやかプログラムにおいて,現地研修の企画,実施を担当してきた.筆者らは,ともに地理学を学問的バックグラウンドとしてもっている.本稿では,地理学で培われた地域への視点や調査法が,分野融合型教育における現地研修にどのように貢献し,そして実施後にいかなる課題が残されたのかを考察した.検討の結果,事象を地域内の文脈でとらえ,さまざまな要素と関連づけて地域を総合的に把握する視点や,現地調査でオリジナルなデータを得る方法などが研修にも有効であった.また,これまでの地理学的研究では控える傾向があった,地域内の現象の比較的早期の一般化や,課題を解決するための具体的提案も研修という見地から学生たちに積極的に行わせた.今後は,長期間にわたって地域に繰り返し足を運び,さらに研究を深めることや,より長期の現地研修と効果的に結びつけることが課題である.

  • 大学院分野融合型教育における現地研修の意義と課題:広島大学の「たおやかリーディングプログラム」を事例として, 石川 菜央, 岡橋 秀典, 陳 林, 日本地理学会発表要旨集, 2016,   2016年, 発表者らは,広島大学大学院の分野融合型リーディングプログラム「たおやかで平和な共生社会創生プログラム」(以下,「たおやかプログラム」と示す)において,現地研修の企画,実施を担当してきた.発表者の3人は,ともに地理学を学問的バックグラウンドとして持っている.本発表では,地理学で培われた地域への視点や調査法が,分野融合型教育における現地研修にどのように貢献し,そして実施後にいかなる課題が見えてきたのかを指摘することを目的とする.
    近年,環境問題や地域の活性化など,国内外の現代社会を取り巻く課題の糸口を探る中で,様々な分野による連携の重要性が指摘されており,大学においても,学部や大学院の中に分野融合のプログラムを設ける動きが加速してきた.日本学術振興会によって採択された「博士課程教育リーディングプログラム」である「たおやかプログラム」もその一つである.
    このプログラムの特徴は,文化創生コース,技術創生コース,社会実装コースの3つのコースの学生が分野の枠を超えて共に学ぶこと,地域の現場での学習や実践を重視していることにある.本発表では,プログラムの1年生が参加する日帰り研修とそれに関わる授業からなる「オンサイトコースローテーション」での実践をもとに議論を進める.
    発表者が所属する文化創生コースが担当した2015年,2016年のオンサイトコースローテーションでは,「六次産業を基盤とした地域発のイノベーション」というテーマを設定した.「六次産業」とは,一次産業,二次産業,三次産業を同じ経営主体が行うものである.農林水産業の従事者が商品を加工し,顧客に販売,提供する段階まで一貫して関わることで,商品に付加価値を付けることができ,より安定した経営が可能になる. 
    研修では,広島県東広島市福富町において六次産業に取り組んでいる2つの事業所を訪れた.
    研修では,地理学的な視点や調査方法の長所と課題を鑑みながら運営を行い,以下の結果を得た.
    第1に,六次産業を地域と切り離して見るのではなく,地域の歴史や産業の変遷などと関連させ,総合的に捉える姿勢を身に付けるよう促した.その結果,全てのコースの学生が,地域において六次産業を成り立たせている,事業者同士のネットワークや他地域との関係など,様々な要素やそれらの関係を検討し,モデルを作ることができた.
    第2に,人々の暮らしと六次産業との関連を,地域における文脈で捉えさせた.研修で訪問した六次産業の事業体は,ビジネス志向型,コミュニティ志向型と異なる方向性で役割を果たしている.学生たちには,2つの事業体を比較することで,六次産業が地域内で果たす役割のバリエーションに注目させ,地域の文脈で六次産業を捉えることができた.
    第3に,文献だけでは得られない,地域を知るために必要な生のデータを,現地に出て自ら得る体験を与えた.本研修では時間や言語の制約のため,代表者へのインタビューや施設の見学のみを行った.学生からは,「現地に足を運んだことで深い学びがあったが,もっと様々な立場の人々に意見を聞いたり,体験できるものがあると良かった」との感想を得た.代表者から話を聞くだけではなく,様々な角度から地域を見る必要がある,ということに学生自ら気付いたことは,研究や学びを深める上で大きな一歩であった.
    第4に,他地域で六次産業を実施する場合の課題を指摘させ,それに対して自分たちは何ができるかを考えさせる機会を与えた.学生たちはそれぞれの専門にもとづいてユニークな提案をすることができた.しかし,提案を裏打ちできる十分な調査の機会を与えられなかったのは反省点である.また,工学をバックグラウンドとする技術創生コースの学生からは,「現地に赴いての学習という初めての体験で視野が広がったが,技術者としては何を目標にして研修に臨めばいいのか戸惑いがあった」との意見も出された.分野融合をさらに円滑に進めるために,他コースの教員やスタッフとの連携が必要である.
    学生へのアンケート結果からは,研修後のコースごとのプレゼンテーションや全体のディスカッションによって分野を超えた学びを得ていることが判明した.「自分たちのコースにはない視点を他コースの学生が持っていることに気付いた」,「地域への貢献を目指して,他分野の学生と連携することの重要性を感じた」などの感想を得た.
    近年,多くの大学院において分野融合が試みられているが,異なる分野の学生や研究者が協力し,結果を出すために確立された方法はまだない.「たおやかプログラム」のように,試行錯誤しながら実践を重ねていく必要がある.今後は,オンサイトコースローテーションに続いて実施される,より期間が長く難度の高い研修を企画し実施する中で,さらに検討を深めていきたい.
  • 徳島県上勝町における地域ブランドの確立と移住者による認知, 石川 菜央, 広島大学総合博物館研究報告, (7) 1 - 14,   2015年, 本研究では,徳島県上勝町がいかにして地域ブランドを確立してきたか,それを移住者がどのように認知しているかを解明することを目的とし,特徴的な農業「彩事業」やごみをゼロにすることを目指す政策「ゼロ・ウェイスト運動」を分析した。その結果,彩事業が経済的な側面だけではなく,担い手である高齢者がIT機器を駆使しながら生き生きと働くという文化的な側面においても町の認知度の向上をもたらしたことが分かった。また,町が日本で初の「ゼロ・ウェイスト宣言」を行い,ごみの34分別を実現してきたことは,役場と住民が協働して画期的な環境政策を実現している地域であるというブランド作りにつながった。これらの2大事業は自分らしい仕事をしたいと願う他地域の若者にとって,移住のきっかけになるほど,上勝町を魅力的な場所にしている。上勝町は,新しいライフスタイルにチャレンジできる場所という新たな地域ブランドの側面をも確立しつつある。This study investigates how Kamikatsu, a town in Tokushima Prefecture, Japan, has established a local brand and how it is recognized by incomers to the town. It also analyzes Kamikatsu's signature agriculture project, called the "Irodori Project," and a policy aimed at eliminating waste, the "Zero Waste Campaign." The results reveal that recognition of the town has increased not only in economic terms but also in the cultural sphere through the Irodori Project, whereby elderly people, who are in charge of the project, work with enthusiasm, making full use of IT equipment. Announcing the "Zero Waste Declaration" for the first time in Japan and separating waste into 34 categories have led to the establishment of the local brand that proclaims Kamikatsu as a community where the town hall and the residents work in cooperation to realize innovative environmental measures. These two major projects have made Kamikatsu an attractive destination for young people from other communities seeking career opportunities. It can be said that Kamikatsu is establishing a new aspect of local branding, based on the concept of it being a promising town where it is possible to adopt a new lifestyle.本研究は,文部科学省博士課程教育リーディングプログラム 広島大学「たおやかで平和な共生社会創生プログラム」による補助を受けたものである。
  • 闘牛から未来館へ : 広がるフィールドと可能性(12月例会,中部支部,例会記録(2013年10月~12月)), 石川 菜央, 経済地理学年報, 60,   2014年
  • 徳之島の闘牛における観客の動向と今後の可能性, 石川 菜央, 広島大学総合博物館研究報告, 0, (3) 89 - 96,   2011年, 本稿では,徳之島の闘牛大会における観客を対象に,彼らが闘牛とどのような関わりを持ち,どこから,いかなる動機で大会に足を運んでいるのかを2回のアンケート調査の結果をもとに解明した。その結果,観客層は,大きく分けて牛主の関係者=特定の牛主の応援者,闘牛ファン=特定の牛の応援者の2つがあることが分かった。大会に来た回数では10回以上と答えた回答者が最多で,リピーターが多かった。全国闘牛サミットの記念大会では初めて来た観客が多く,こうした他の開催地との連携などの工夫が,新たな観客の誘致につながるといえる。初めての観客からは闘牛の雰囲気になじめないとの記述もあった。さらなる観客を獲得するために,初めての観客に「応援したい牛」や「応援したい牛主」を持たせるための工夫を提案した。The purpose of this study was to clarify why people visit Tokunoshima Island to watch the native bullfighting event. I twice administered a questionnaire to visitors and tourists who had watched the event. This questionnaire included questions on their lifestyles, hometowns or home countries, and why they came to watch the event. The spectators could be classified into two groups: one that cheers particular bull owners and one that cheers their favorite bulls. More than half of the respondents had attended the event more than ten times, suggesting that repeat spectators play an important role in the success. Many spectators first watched the event during the National Bullfighting Summit hosted by the island, so to attract more tourists to bullfighting events, it is important to seek the cooperation of other bullfighting hosts and experiment with new approaches. Some of the spectators who watched the event for the first time felt awkward because they did not share the islanders' enthusiasm, so when encouraging new visitors, it is important to devise specific means of entertaining them.
  • 闘牛大会の新規イベントとしての可能性 : 福岡県筑後市における「闘牛フェスティバル」を事例に(シンポジウム 多様な「ヒト-生きもの」関係と地域,2009年度地理科学学会秋季学術大会), 石川 菜央, 地理科学, 65, (3) 154 - 160,   2010年
  • 全国闘牛サミットの開催地における意義--岩手県久慈市の「第12回全国闘牛サミット」を事例に, 石川 菜央, 広島大学総合博物館研究報告, (1) 45 - 51,   2009年, 「全国闘牛サミット」は, 闘牛の担い手や行政の担当者が各地域から集まり, 闘牛の保存対策について意見を交換する協議会である。本稿の目的は, サミットの開催地における意義を解明することである。事例として, 2009年に岩手県久慈市で行われた「第12 回全国闘牛サミット」を挙げる。具体的には, サミットに対する行政の対応, 同時開催される記念闘牛大会の観客に焦点を当てた。闘牛大会で行ったアンケート調査の結果をもとに, 観客の闘牛との関わりを検討した。その結果, サミットの意義として行政が普段よりも積極的に闘牛の運営を支援すること, 住民の闘牛に関する関心が大きくなることを指摘できた。The "National Bullfighting Summit" has been set up with the view to discuss how bullfighting, a traditional Japanese event, may be reinstated as a popular activity. The aim of this paper is to study the significance of such a summit to the area that hosts it. I carried out a study on the 12th National Bullfighting Summit at Kuji city, Iwate Prefecture. This paper, in particular, focuses on the measure of support extended by the city office and individual spectators of a ceremonial bullfighting game that was jointly hosted by the city. I studied the extent of the involvement of the audience in the bullfighting from a questionnaire survey conducted at the game. As a result, I was able to point out the utility and functions of bullfighting summits in the host area. First, city offices were likely to be more positive and committed to the bullfighting than usual as a result of these summits. Second, these summits were responsible for drawing a number of new spectators to the bullfighting game.
  • 徳之島における闘牛の存続と意義, 石川 菜央, 地理学評論 = Geographical review of Japan, 81, (8) 638 - 659,   2008年11月01日, 本研究の目的は, 闘牛開催地が全国的に担い手不足に悩む中, 徳之島において闘牛が盛んに行われ, 若い後継者が続々と現れている要因を解明することである. 具体的には, 闘牛大会の運営方法, 後継者を生み出す仕組み, 担い手にとっての意義の3点に着目し, 娯楽の側面, 行事をめぐる対立, 女性の役割を踏まえなら分析した. その結果, (1) 島内からの多数の観客が大会を興行として成り立たせ, 行政の支援や観光化なしでの運営を可能にしていること, (2) 牛舎が若者を教育する場になる上, 大会での応援を通して牛主以外の多くの人々が闘牛に関わること, (3) 親しい人物のウシとは取組を避け, 取組相手とも友人関係を築く切替えの早さを前提に, ウシの勝敗が日常の社会的評価とは異なる価値基準として島内で確立していることを指摘できた. 担い手は, このような闘牛に強い愛着を持っており, 島に住み続ける大きな動機にもなっている.
  • 日本における闘牛の文化 : 牛が作る人の縁(第73回(2008年2月15日),例会発表要旨), 石川 菜央, 地理科学, 63,   2008年
  • 徳之島の闘牛における担い手と社会関係, 石川 菜央, 日本地理学会発表要旨集 = Proceedings of the General Meeting of the Association of Japanese Geographers,   2006年03月10日
  • わくわく生き物地理学(3)つながる!わかる!闘牛の世界, 石川 菜央, 地理, 50, (8) 104 - 107,   2005年08月
  • 新潟中越地震におけるボランティア報告と今後の展望, 石川 菜央, 地理, 50, (4) 98 - 103,   2005年04月
  • 隠岐における闘牛の担い手と社会関係, 石川 菜央, 人文地理, 57, (4) 374 - 395,   2005年, A number of traditional events have recently been on the verge of extinction in Japan mainly because of a lack of successors. The tradition of bullfighting in the Oki Islands has fortunately continued up to now. This study investigates how bullfighting is continued and its significance in the Oki Islands by concentrating on the connection between the social relations created between the bulls and local society. I focus on the various inhabitants who run the bullfighting, particularly the following four types of people: ushinushi (bull's owner and trainer), tsunadori (bull's motivator), the ushinushi's neighbors, and the ushinushi's family. Currently, bullfighting takes place in Saigo town, Tsuma village and Goka village.
    First, I consider the transition and background of bullfighting. Bullfighting in the Oki Islands underwent changes in connection with people's occupations. It is said that bullfighting began in common pastures as a local attraction in the agricultural off-season in the Kamakura era. When people started producing beef cattle in the Meiji era, bulls played the roles of draft cattle, beef cattle and fighting bulls all at the same time. However, agricultural mechanization and the depreciation of cattle reduced bullfighting activities in the 1960s. When tourism started to thrive in the Oki Islands in the 1970s, bullfighting was moved back into the limelight as a resource for tourism. Ushinushis began casual bullfighting for tourists and charged admission. Thus tourism has supported bullfighting. In addition to that, town and village offices began assisting bullfighting in the 1980s because they expected the traditional event to inspire the region and create a local identity. Now, there are bullfighting associations in each town and village. They cooperate with the local municipal governments and run bullfighting events in each region.
    Next, I focus on ushinushis and tsunadoris. There are forty-three ushinushis in the Oki Islands. Raising bulls incurs some costs, but ushinushis say that the sheer pleasure of training bulls and associating with other ushinushis is worth it. They raise bulls through a trial and error process and have a special feeling for their own bull. They gather and train bulls every week. After training, they exchange information about bulls over drinks and food. The most important point of contact for them is the "shoma, " which is the buying and selling of bulls. Once they have gone through the shoma, they become close friends, part of the brotherhood, because through the shoma, they consider each other as fully-fledged ushinushis. Because they want strong bulls, they trade them beyond the boundaries between towns and villages. Shoma creates a wide-ranging network of ushinushis. At the fight, the ushinushi entrusts his bull to the tsunadori, the motivator of the bull. The ushinushi has every confidence in the tsunadori, and the tsunadori has a strong sense of responsibility for obtaining victory. They build up trustful relations over long periods of time and cooperate with one another to train the bull. To emphasize the unity of their place of residence, the ushinushis tend to ask someone from their home town or village to become their tsunadori. The interaction between ushinushis and tsunadoris increases the solidarity of their community.
    Thirdly, I focus on the ushinushi's neighbors and family. Neighbors give gifts of sake or money two weeks before a bullfight. The ushinushi holds a banquet at his house in return for the gifts. The neighbor who gives sake is the most important of all the people giving gifts. They always attend the banquet and cheer on the ushinushi on the day of the bullfighting.
  • 宇和島地方における闘牛の存続要因 : 伝統行事の担い手に注目して, 石川 菜央, 地理学評論, 77, (14) 957 - 976,   2004年12月01日
  • 宇和島地方における闘牛の存続要因-伝統行事の担い手に注目して, 石川 菜央, 地理学評論, 77, (14) 957 - 976,   2004年, 宇和島地方において闘牛が存続してきた要因を,担い手の生活や行動に注目して分析した結果,以下の3点が明らかになった.第1に,生業における牛の必要性が農民の娯楽としての闘牛を生み出した.ゆえに農業が機械化されると闘牛は消滅した.しかし第2の要因である観光化と担い手の組織化が,これを復活させた.宇和島市・南宇和郡の各組織が観光化と地域の状況に対応しながら大会を維持してきたことは,現在の共存関係につながっているといえる.組織を支える第3の要因として,担い手の中心である牛主や勢子,それを支えるヒイキなどが組織内で育まれていることが最も重要である.彼らは勝負の時だけではなく,牛の世話や飲食など日常生活を通して交流し,確固たる人間関係を築いており,そこから次の担い手が再生産されている.闘牛は伝統行事であると同時に,現在においても担い手の生活の核となり,新たな人間関係を生み出しているのである.
  • 人と生き物がつくりだす関係の諸側面--フィリピン・カオハガン島の事例, 野中 健一, 石川 菜央, 宮村 春菜, 人文論叢, (20) 133 - 143,   2003年, 本稿では、人と生き物の関係を流動的かっ可変的なものとしてとらえ、人と生き物とが、どのように結ばれているのかということ、そこに関連する諸側面を明らかにすることを目的とした。対象地域としてフィリピン、カオハガン島を選定し、島民にとって身近な生き物であるニワトリ、イヌ、ホシムシを例に取り上げた。その結果、島民はそれぞれの生き物に対して、臨機応変に対応を変えつつさまざまな関係を成り立たせていた。それは関係そのものに対する融通性と、関係を結ぶ生物の選択に対する融通性としてとらえることができた。また、人と生き物の関係は、島の社会と大きく関わっており、人間どうしのつながりをもつくっていることが明らかとなった。さらに、人と生き物の関係の間に技能が関連していることは、それぞれの関係が、一定の型にはめられるものでなく、人と生き物の実際のふれあいにより築くことが出来るものであることを示している。論説 / Article

書籍等出版物

  • 生き物文化の地理学
    池谷 和信, 高橋 春成, 山下 博由, 池口 明子, 石川 菜央, 千代 勇一, 齋藤 暖生, 寺谷 亮司, 中井 信介, 水野 一晴, 柚洞 一央, 田和 正孝, 西村 春菜, 野中 健一, 橘 セツ, 増野 高司
    海青社  2013年
  • 家畜の文化
    秋篠宮 文仁, 林 良博, 石毛 直道, 神谷 信明, 荒俣 宏, 小林 章夫, 小長谷 有紀, 高井 康弘, 石川 菜央, 楠瀬 良, 葛野 浩昭, Stewart Henry, 波多野 鷹, 菅 豊, 家森 幸男, 山田 章雄, 前多 敬一郎, 束村 博子, 松原 豊彦, 佐藤 衆介
    岩波書店  2009年