研究者総覧

勝亦 徹 (カツマタ トオル)

  • 理工学部応用化学科 教授
  • 工業技術研究所 研究員
  • 理工学研究科応用化学専攻 教授
Last Updated :2024/04/06

研究者情報

学位

  • 理学博士(東北大学)
  • 理学修士(東北大学)

ホームページURL

科研費研究者番号

  • 60204442

J-Global ID

研究キーワード

  • 酸化物単結晶   固体レーザー材料   融液成長   ブリッジマン法   不定比性   フラックス成長   Crystal Growth and Characterization   

研究分野

  • ナノテク・材料 / 結晶工学
  • ナノテク・材料 / 応用物性

学歴

  •         - 1981年   東北大学   理学研究科   化学
  •         - 1981年   東北大学   Graduate School, Division of Natural Science
  •         - 1979年   静岡大学   理学部   化学科
  •         - 1979年   静岡大学   Faculty of Science

所属学協会

  • 日本結晶成長学会   応用物理学会   

研究活動情報

論文

書籍

  • 結晶成長ハンドブック(共著)
    (結晶成長ハンドブック) 共立出版株式会社 1995年
  • オプトエレクトロニクスの夢
    化学の夢 三共出版 1995年
  • 容器との濡れ性を考慮したほう酸塩単結晶の育成
    人工結晶と新材料の創製 三共出版 1994年

MISC

産業財産権

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 光ファイバセンサの開発
    研究期間 : 2000年
  • Study on the fiber-optic sensors
    研究期間 : 2000年
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 1996年 -1996年 
    代表者 : 勝亦 徹
     
    新しい固体レーザ材料の開発を目的とした希土類バナデ-ト単結晶の育成と相関係評価を行った。LnVO_4-LiVO_3系からの結晶の析出過程の直接観察及び、LiVO_3フラックスを用いた温度差輸送法により、Pmを除く16種類の希土類バナデ-ト単結晶の育成に成功した。また、格子定数の組成依存性を詳細に評価することによりTmVO_4、YbVO_4、NdVO_4、LuVO_4、GdVO_4について結晶の不定比性の存在を示した。放射性元素であるPmを除く全ての希土類バナデ-トについて直接観察法による単結晶成長過程の観察を行った後、フラックス法でそれぞれの希土類バナデ-ト単結晶を育成した。直接観察は様々な組成で希土類バナデ-ト(LnVO_4)とLiVO_3フラックスを混合して、加熱溶融した後に徐冷し、結晶析出の過程をデジタルマイクロカメラ、コールドライト光源、ヒーター加熱用直流安定化電源を組み合わせて観察した。この結果、ScVO_4のみ成長過程でのモホロジー変化が異なることがわかった。LiVO_3をフラックスとして用いた単結晶成長では、温度差輸送法により最大3mm角の単結晶が育成できた。育成した単結晶は、水溶性のLiVO_3フラックスを温水で溶かして容易に取り出すことができた。YVO_4についてはすでにその不定比性を報告しているが、今回、TmVO_4、YbVO_4、NdVO_4、LuVO_4、GdVO_4について格子定数の組成依存性を詳細に評価した結果、YVO_4と同様の不定比性の存在が示された。この研究を通じて得られた結果は下記学会にて報告した。1、"RVO_4単結晶のフラックス成長"結晶成長国内会議(730a1B5)1996年7月2、"希土類バナデ-トの不定比性の検討"応用物理学会学術講演会(9PzH13)1996年9月3、"希土類バナデ-ト結晶の組成と格子定数"人工結晶討論会(3L11)1966年10月4、"固体レーザー用Yb:GdVO_4結晶の不定比性の検討"応用物理学関係連合講演会(28aN11)1997年3月
  • 文部科学省:科学研究費補助金(重点領域研究)
    研究期間 : 1993年 -1993年 
    代表者 : 勝亦 徹
     
    この研究ではその場観察装置を改良し観察の高精度化を行った、併せて画像処理技術を応用して結晶成長速度の定量化を行った。成長温度、原料組成を様々に変えた条件下でほう酸リチウム単結晶を成長し、成長過程をビデオに録画した。得られた画像をコンピユータを用いて処理し、結晶成長速度の成長条件依存性を解析した。ガラス内部での成長では結晶成長速度は温度の上昇とともに増加したが、変化は直線的ではなかった。ガラスからの成長では成長温度の上昇にともなって過冷却度は低下するが、同時にガラスの粘性の低下、成長界面での拡散速度の増加が起き、その結果、成長速度が増加するものと考えられる。成長速度の温度依存性は組成により異なっていた。成長結晶Li2B4O7の組成x=0.67よりもリチウム過剰組成であるx=0.64のガラスからの成長では、成長速度が温度の上昇に伴って不連続に増加した。ホウ素過剰組成x=0.68のガラスからの成長では不連続性は見られず、成長速度は温度の上昇と伴に急激に増加した。リチウム過剰組成での不連続な成長速度の変化の原因としては、成長界面近傍でのリチウム濃度の増加に伴う体積変化によるマイクロクラックの発生が考えられる。成長界面でのマイクロクラックの発生が成長の駆動力となる原子拡散の障害となり成長速度に不連続点を生じたものと考えられる。これらの結果はガラス内部での結晶成長が原子拡散に律速されている事を示唆するものである。一方、白金メッシュ上に乗せたほう酸リチウム融液からの成長では、成長温度の低下(過冷却度の増加)に伴ってほぼ直線的に成長速度が増加した。また、実験した範囲では、融液組成依存性はほとんど見られず成長界面付近は対流によりほぼ完全に攪拌されていることが示唆された。その場観察装置内部はほぼ等温状態であるが、白金メッシュセルを用いた観察では融液に自由表面が存在するため、表面張力の不均一性による対流(マランゴニ流)が発生しガラス内部の成長と大きく異なる結果が得られたものと考えられる。この結果は、石英板で融液をサンドイッチ状に挟み、自由表面を無くしたセルを用いた成長ではガラスからの結晶成長と類似の結果が得られることからも支持された。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(重点領域研究)
    研究期間 : 1992年 -1992年 
    代表者 : 勝亦 徹
     
    この研究は、酸化物単結晶の融液からの成長機構及び、結晶欠陥発生に与える界面付傍での物質輸送の影響を原子レベルで明らかにすることを目的として行われた。平成4年度は、融液対流抑制の効果をより明確化するため、完全に融液対流が抑制されたガラス内部での単結晶成長に着目し、結晶成長に与える原子拡散の効果を検討した。容易にガラス化し、融液からの結晶成長とガラスからの結晶成長を相互に比較可能なほう酸リチウムを標準試料として選び、高温試料台を備えた顕微鏡を使って、結晶成長過程をVTRに録画した。得られた画像から成長形への原子拡散の効果についての解析を行った。結晶成長への原子拡散の効果を明確にするため、種々の組成を持つほう酸リチウムガラスを試料として用い、単結晶成長界面近傍にLiあるいはBの過飽和層を形成しやすくした。試料は約700℃で結晶化し始めた。ガラス内部で成長した結晶は8面体のLi_2B_4O_7単結晶であった。結晶は約100μmのサイズまで8面体のまま成長し、その後、角の部分から異常成長が始まり、最終的にはファイバー状結晶に覆われた球晶となった。8面体単結晶は球晶の核となっており、核の大きさは用いたガラス試料の組成(X=B/Li+B比)により大きく変化していた。ガラス組成が成長した単結晶の組成(Li_2B_4O_7組成X=0.67)からずれる程、核の大きさは減少した。また、Bリッチ側ではLiリッチ側よりも急激な核のサイズの減少が見られた。これは成長界面近傍でのLi、B原子の拡散の大きさの違いによるものと考えられる。原子拡散速度のより大きなLi過剰組成では、界面での過飽和が解消されやすく、その結果大きな8面体核が成長したものと考えられる。完全に対流を抑制した融液成長の実現は宇宙空間でも困難であり、この研究の結果は極限状態の貴重なシミュレーションと考えられる。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(重点領域研究)
    研究期間 : 1991年 -1991年 
    代表者 : 勝亦 徹
     
    融液から酸化物単結晶が成長する際の固液界面での不純物の挙動、欠陥の発生機構を明らかにする目的で、垂直及び、水平ブリッジマン法を新たに開発し、育成した4ほう酸リチウムの融液及び、成長した結晶について不純物、結晶欠陥を評価した。融液を急冷したガラス試料の赤外吸収法による水分の定量を行い融液に関する情報を得た。4ほう酸リチウム水の吸光係数はこの研究で初めて決定されたものを用いた。4ほう酸リチウムの水分定量の報告例がないので、まず赤外吸収法による定量化を行った。50ppmから700ppmまで、様々な水分量の試料を作成し波数3500cm^<-3>の(-OH)吸収の強度を測定した。試料を溶融した際に放出される水を補集、定量する方法(MEA)を用い作成した検量線からモル吸光係数を決定し、定量を初めて可能にした。測定には設備備品費で購入した赤外分光器を用いた。単結晶の育成には、成長条件の設定、成長中の温度測定が容易なブリッジマン法を用いた。環境相(融液)の対流による物質輸送が大きく異なる水平ブリッジマン法及び、垂直ブリッジマン法による4ほう酸リチウム単結晶の成長をグラファイト容器を用いて初めて可能にした。水平ブリッジマン法では、幅25mm長さ140mmの結晶が、垂直ブリッジマン法では、直径約75mm、長さ40mmの結晶が育成できた。成長装置の温度環境測定には設備備品費で購入した多点温度測定装置を用いた。成長に必要な消耗品の購入には消耗品費を充当した。異なる融液対流のもとで作成したガラス及び、単結晶の水分含有量、分布を赤外吸収法で評価した。これと欠陥(気泡)密度との比較から、欠陥発生機構の検討を行った。4ほう酸リチウム融液への水の溶解度は結晶の5倍以上にのぼり、溶解度差による界面付近での水分濃度の上昇と、これによる気泡の発生が示唆された。
  • 酸化物単結晶の育成と光学応用
  • 酸化物単結晶の成長技術の研究
  • 単結晶成長メカニズムの研究
  • 固体レーザー結晶の成長と評価
  • Growth and optical applications of oxide Crystals
  • Study on the Growth Technique of Oxide Single Crystals
  • Study on Crystal Growth Mechanism
  • Growth and Characterization of Laser Crystals

委員歴

  • 1994年 - 2002年   人工結晶工学会   単結晶育成技術分科会委員長   人工結晶工学会
  • 1999年 - 2000年   日本結晶成長学会   評議員   日本結晶成長学会

その他のリンク

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