日本学術振興会:科学研究費助成事業
研究期間 : 2017年04月 -2020年03月
代表者 : 本郷 正武; 蘭 由岐子; 宇田 和子; 佐藤 哲彦; 佐藤 嗣道; 種田 博之; 中川 輝彦; 中塚 朋子; 藤田 景子; 藤吉 圭二; 本田 宏治; 松岡 一郎; 松原 千恵; 山田 富秋; 吉武 由彩
薬害概念がきわめて日本の文脈に依存した固有のものであることを、薬害エイズ問題を中心事例に、日本と初期条件が近い英国などとの比較から明らかにした。その特質は、サリドマイドやスモン、肝炎といった異なるイシューの被害者たちを「薬害被害者」として連帯させる機能に加え、原疾患である血友病や障害など従来の連帯との「切り離し」を促す点にある。さらに、公害訴訟運動の社会的背景から薬害概念が提示された点も指摘でき、今後の調査研究課題となった。