研究者総覧

鈴木 道也 (スズキ ミチヤ)

  • 文学部史学科 教授
  • 人間科学総合研究所 教授
  • 文学研究科史学専攻 教授
  • 国際哲学研究センター 教授
Last Updated :2021/08/31

研究者情報

学位

  • 博士(文学)(東北大学)

科研費研究者番号

  • 50292636

J-Global ID

研究キーワード

  • 中世   年代記   ナショナル・アイデンティティ   フランス大年代記   中世ヨーロッパ   百科全書   ヴァンサン=ド=ボーヴェ   フランス   王権   歴史叙述   ヨーロッパ   

研究分野

  • 人文・社会 / ヨーロッパ史、アメリカ史

経歴

  • 2013年04月 - 現在  東洋大学文学部教授
  • 2008年04月 - 2013年03月  埼玉大学教育学部准教授
  • 1998年04月 - 2008年03月  埼玉大学教育学部助教授
  • 2003年10月 - 2004年07月  パリ第一大学およびCNRS客員研究員
  • 1997年04月 - 1998年03月  埼玉大学教育学部講師
  • 1996年 - 1997年  日本学術振興会特別研究員

学歴

  •         - 1996年   東北大学   文学研究科
  •         - 1993年   東北大学   文学研究科
  •         - 1991年   東北大学   文学部

所属学協会

  • 西洋中世学会   史学会   日本西洋史学会   西洋史研究会   The Medieval Chronicle Society   日仏歴史学会   白山史学会   

研究活動情報

論文

書籍

講演・口頭発表等

  • 中世の百科全書とフランス王権  [通常講演]
    鈴木 道也
    日仏歴史学会第五回研究大会 2015年03月 口頭発表(一般)
  • French National Identity through Medieval Chronicles- Rise of Vernacular Prose Historiography -  [通常講演]
    鈴木 道也
    The 8th Japanese-Korean Symposium on Medieval History of Europe (2013) 2013年08月
  • 歴史資料デジタル化の現状 中世フランス史の場合  [通常講演]
    鈴木 道也
    東北学院大学オープン・リサーチ・センター講演会 2012年12月
  • 中世後期フランス王国における歴史記述と俗語  [通常講演]
    鈴木 道也
    史学会 2011年11月
  • Vernacular chronicles in medieval France (from 13th to 14th century)  [通常講演]
    鈴木 道也
    6th international Conference of the Medieval Chronicle Society (University of P?cs [Hungary]) 2011年07月
  • 歴史叙述と権力  [通常講演]
    鈴木 道也
    西洋中世学会若手支援セミナー 2008年10月
  • Medieval vernacular chronicle in the process of formation from tenth to twelfth century  [通常講演]
    鈴木 道也
    5th international Conference of the Medieval Chronicle Society (Belfast Queen's University) 2008年07月
  • 中世フランス王国におけるナショナル・アイデンティティ形成過程との比較からー俗語散文体王国年代記『フランス大年代記』を手がかりにー  [通常講演]
    鈴木 道也
    日本西洋史学会第57回大会・小シンポジウム 2007年06月
  • 中世フランスの写本メディアとナショナル・アイデンティティ形成に関する研究  [通常講演]
    総合研究機構研究プロジェクト成果発表会 : 口頭発表 2007年
  • 中世フランスの写本メディアとナショナル・アイデンティティ形成に関する研究  [通常講演]
    総合研究機構研究プロジェクト成果発表会 : 口頭発表 2007年
  • 『フランス大年代記』写本の普及とナショナル・アイデンティティ-中世歴史叙述の「間テクスト性」について-  [通常講演]
    鈴木 道也
    西洋史研究会 2006年11月
  • Naissance d'une m?moire ambigue;Grandes Chroniques de France  [通常講演]
    鈴木 道也
    4th international Conference of the Medieval Chronicle Society (Reading University) 2005年07月
  • 王のイメージ 『フランス大年代記』を読む  [通常講演]
    鈴木 道也
    東北学院大学文学部史学科公開講座 2002年10月
  • ルイ9世の裁判に関する一考察 : アンゲラン=ド=クシー裁判(1259年)を中心に  [通常講演]
    鈴木 道也
    東北史学会 1997年10月
  • 中世後期アルザス・ロレーヌ地方の『慣習法文書』と『判告集』  [通常講演]
    鈴木 道也
    日本西洋史学会 1996年05月
  • 13世紀ロレーヌ地方における『慣習法文書』と『判告集』-両者の歴史的意義をめぐる一考察-  [通常講演]
    鈴木 道也
    西洋史研究会 1994年11月
  • サヴォワ伯領の統治構造 -『慣習法文書(Charte de franchises/ Charte de coutumes)』(1196-1291)の分析から-  [通常講演]
    鈴木 道也
    東北史学会 1993年10月
  • 12世紀後半北東フランスにおける『慣習法特許状』の授与について  [通常講演]
    鈴木 道也
    東北史学会 1991年10月

MISC

  • 鈴木 道也 西洋史学 (233) 73 -75 2009年
  • 中世写本メディアの間テキスト性とナショナル・アイデンティティ形成に関する研究
    鈴木道也 総合研究機構研究プロジェクト研究成果報告書 6 (平成19年度) 2008年
  • 中世写本メディアの間テキスト性とナショナル・アイデンティティ形成に関する研究
    鈴木道也 総合研究機構研究プロジェクト研究成果報告書 6 (平成19年度) 2008年
  • 中世フランスの写本メディアとナショナル・アイデンティティ形成に関する研究
    鈴木道也 総合研究機構研究プロジェクト研究成果報告書 5 (18年度) 321 -322 2007年
  • 中世フランスの写本メディアとナショナル・アイデンティティ形成に関する研究
    鈴木道也 総合研究機構研究プロジェクト研究成果報告書 5 (18年度) 321 -322 2007年
  • 『フランス大年代記』とナショナル・アイデンティティ-歴史叙述研究を巡る最近の動向から-
    鈴木道也 西洋史研究 36 21 -41 2007年
  • 中世ヨーロッパにおける歴史叙述とナショナル・アイデンティティ形成に関する研究
    鈴木道也 総合研究機構研究プロジェクト研究成果報告書 4 (17年度) 2006年
  • 中世ヨーロッパにおける歴史叙述とナショナル・アイデンティティ形成に関する研究
    鈴木道也 総合研究機構研究プロジェクト研究成果報告書 4 (17年度) 2006年
  • 記録管理の過去と現在ーサン=ドニ修道院証書集の電子テキスト化について
    鈴木道也 埼玉大学紀要. 教育学部. 人文・社会科学 55 (1) 29 -41 2006年
  • フランス史の誕生-『シャンティイ年代記』から『フランス大年代記』へ-
    鈴木道也 歴史の誕生とアイデンティティ 40 -77 2005年
  • 『フランス大年代記』の普及とフランス・アイデンティティ : パリ国立図書館写本 fr.10132を巡って
    鈴木道也 埼玉大学紀要. 教育学部. 人文・社会科学 54 (2) 17 -27 2005年
  • 書評:レジーヌ・ペルヌー、ジョルジュ・ペルヌー著、福本秀子訳『フランス中世歴史散歩』白水社、2003
    鈴木道也 史学雑誌 114 (11) 927 -928 2005年
  • 中世フランス王権と歴史叙述
    鈴木道也 九州国際大学社会文化研究所紀要 135 -154 2002年
  • Naissance d'une mémoire ambigue;Grandes Chronique de France'
    MIchiya SUZUKI Bulletin de l' Association Français pour l'Histoire de la Justice 38 -46 2002年
  • 中世フランスの地域/王国アイデンティティ
    鈴木道也 歴史におけるアイデンティティの諸相-課題と方法- 2001年
  • ルイ9世の裁判に関する一考察 : アンゲラン=ド=クシー裁判(1259年)を中心に
    鈴木道也 埼玉大学紀要. 教育学部. 人文・社会科学 49 (1) 1 -12 2000年
  • 中世後期アルザス・ロレーヌ地方の慣習法文書と判告集
    鈴木道也 埼玉大学紀要. 教育学部. 人文・社会科学 47 (1) 133 -149 1998年
  • サヴォワ伯領のCharte de franchises-1194 ~1343-
    鈴木道也 歴史 (85) 1 -30 1995年
  • 中世盛期フランス王国の慣習法文書-北東フランスを中心として-
    鈴木道也 西洋史研究 (22) 83 -110 1993年

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 中世の百科全書にみるヨーロッパにおけるユーラシア認識の変容と再構築
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2020年04月 -2024年03月 
    代表者 : 鈴木 道也
  • 中近世ヨーロッパ社会における合意形成の起源と展開―合議制・代議制の理念と現実ー
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 河原 温; 加藤 玄; 三佐川 亮宏; 堀越 宏一; 鈴木 道也; 藤崎 衛; 黒田 祐我; 薩摩 秀登; 大月 康弘; 高田 良太; 菊地 重仁; 甚野 尚志; 皆川 卓
  • 学習者の視点から探る世界史学習の内発的動機づけー国際的志向性の観点から
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 安井 もゆる; 小川 春美; 吉原 秋; 鈴木 道也; 小川 知幸; 畑 奈保美; 津田 拓郎; 田村 理恵
  • 中近世ヨーロッパにおける「正しい認識力」観念の変遷
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 皆川 卓; 田口 正樹; 三浦 清美; 鈴木 道也; 石黒 盛久; 長谷川 まゆ帆; 小山 哲; 坂本 邦暢; 甚野 尚志
     
    平成29年度は研究参加者の役割を確認した後、研究会を年2回とすることを申し合わせ、平成29年7月30日に早稲田大学で初の研究会を開催した。ここでは趣旨説明と焦点確認を兼ねて研究代表者の皆川が、神聖ローマ皇帝レオポルト1世の外交に関する事例分析を報告した。この事例は、従前の宗派中心の政治が現実政策に旋回したことに特徴があるが、本報告では、旧説の如く宗派の相対化が生じたのではなく、宗派自体の「正しい認識」が、教条から「神の御業」の証としての経験的現実に移行した、という見通しを立てた。この報告に対し、紛争ではキリスト教の影響が相対化されるという指摘がある一方、ウェーバーの「脱魔術化」に依存しすぎであり、それ自体を批判的に捉え、西洋的特徴である対話的理性との関係を解明すべきであるとの指摘がなされ、研究参加者間での検討の結果、平成30年3月29日に分担研究者の坂本が、宗教改革からホッブズの社会契約出現の間に生起した反三位一体説に関する報告を行った。ここではポーランドの宗派マイノリティ「ソッツィーニ派」に生じた反三位一体説が、自然哲学者の間で自然の本質を巡る論争を引き起こした結果、ホッブズに至って精霊を物体とし、神が遍在し得ないことを論証して、神と世界を切り離し、世俗化された世界の観念を生み出したと結論づけた。これに対し、その後もなお宗教性が再生産される経緯に鑑みて、西欧的思考の宗教性に位置づけ直す必要が指摘され、さらに神学論争から西欧合理主義への過程には、新約聖書への偏重という神学的要素が、「神の本質」論を巡る古代キリスト教への回帰を生み、それが理性の経験主義化を導く面が指摘された。以上の報告と検討により、西洋合理主義の誕生とされる17世紀の「正しい認識」の変化は、過度に質的に捉えられるべきではなく、むしろ同じ宗教性の中の視角の変化として把握される必要があることが明らかになった。
  • 中世フランス王国の政治文化ーカペー・ヴァロワ両王朝期の知識人とその作品ー
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2016年04月 -2020年03月 
    代表者 : 鈴木 道也
     
    ここまで中世後期のフランス王国内で作成された複数の史書(ラテン語および俗語)をとりあげ、言語表象のなかの王権と諸権力(都市・諸侯・教会)の関係に着目することで、当該期の学知が示す権力観や国家観を明らかにしてきた。ここ数年はヴァンサン=ド=ボーヴェが編んだ『歴史の鑑』の分析を継続的に実施している。本年度は、この『歴史の鑑』をはじめとする13世紀の百科全書のなかのイスラーム世界についての記述がカトリック圏、とくにフランス王国の知的エリートの思想形成に与えた影響を考えるための予備的作業を行った。これら中世の百科全書のうち何点かは最近デジタルデータベースにも収録されており、研究環境は大きく改善している。しかし今年度は叙述内容を分析するための方法の検討に手間取り、具体的な分析作業が円滑に進まなかったことから、分析結果をもとに論文を作成するまでには至らなかった。当該領域に関する研究の現状を確認するため分析作業と並んで進めていた代表的な研究文献の翻訳作業についてはある程度の進展をみた。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(A))
    研究期間 : 2013年 -2015年 
    代表者 : 渡辺 節夫; 加藤 玄; 三佐川 亮宏; 堀越 宏一; 土浪 博; 薮本 将典; 鈴木 道也; 河原 温; 薩摩 秀登; 大月 康弘; 北野 かほる; 甚野 尚志; 皆川 卓; 小澤 実
     
    「追加採択」のためスタートが遅れたが、この科研の共同研究は基本的に「ヨーロッパ中世史研究会」(1995年結成)をテーマ的にも、メンバー構成においてもベースとしているため、実質的には年度当初から着実に共同研究としての実績を挙げてきたと言える。具体的には、斬新かつ先端的な研究を積極的に推進する観点から、先ず、近年我が国で刊行された本格的な当該分野、特にヨーロッパ中世の権力構造に関する研究書を5点選び、著者を招き評者を二人配し、徹底した質疑・応答を通して、問題の本質と、研究の方向性を見出すことができた。対象地域もフランス、ドイツ、セルビア、イタリアに及び、対象とする時代も中世を広くカバーすることができた。この一連の合評会を通じて基本的に王権・教会・貴族・都市の四つを共同研究の軸に設定するが、政治文化、法文化の面に力点を置きつつ、新しい問題設定、問題視角に基づいて方向付けすることが確認された。また、個人レヴェルでは分担者の約半数は科研費を有効に使用し、現地で各分担分野の実証研究を推進する上で不可欠かつ重要な歴史史料、文献の収集を精力的に行った。他の分担者は本科研プロジェクトの共通課題を念頭に置きつつ、個別研究を推進し、後掲のように一定の成果―研究論文、研究書の刊行、学会・研究会での報告―を挙げることができた。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2009年 -2012年 
    代表者 : 鈴木 道也
     
    13世紀後半に成立し、その後数多くの複写(写本)が制作されることで中近世フランスにおける「正史」の地位を得た、『フランス大年代記』と呼ばれる史書及びその写本群を主たる対象に、それがどのように産み出され、また中世人たちにどのような影響を与えたのか、その社会的機能を明らかにする試みを通じて、前近代社会において「ナショナルなもの」が構想され、集合的記憶として受容されていく具体的様相を明らかにすることを研究の目的としている。それはキリスト教的世界観が圧倒的な影響力を有する中世ヨーロッパ社会において「国家史」が誕生する瞬間を描きだすことを目指している。
  • 文部科学省:科学研究費 若手研究(B)
    研究期間 : 2006年 -2008年 
    代表者 : 鈴木道也
     
    本研究は、中世フランスの王国年代記『王の物語』を主たる史料として、(a)多様な歴史認識が交錯する中世社会にあって、権力体としての国家の成長と変容は「歴史家」たちの語りをどう変えたのか、また(b)歴史叙述に携わる当時の知的エリートたちは、どのような意識と方法論をもってそれぞれの史書を組み立てていたのか、という点の解明を試みた。結果として、度重なる再編過程を通じて国家の領域性と連続性に関する理論を次第に精緻化させていく、中世における史書編纂事業の具体相が明らかになった。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(若手研究(B))
    研究期間 : 2003年 -2005年 
    代表者 : 鈴木 道也
     
    本研究は、13世紀後半に成立し、その後数多くの複写(写本)が制作されることで、中近世フランスにおける「正史」の地位を得た、『フランス大年代記』と呼ばれる史書、及びその写本群を主たる対象に、それがどのように産み出され、また中世人たちにどのような影響を与えたのか、その社会的機能を明らかにする試みを通じて、前近代社会において「ナショナルなもの」が構想され、集合的記憶として受容されていく具体的様相を明らかにしようとするものである。それは、キリスト教的世界観が圧倒的な影響力を有する中世ヨーロッパ社会において「国家史」が誕生する瞬間を描きだすことを目指している。論文「『フランス大年代記』の普及とフランス・アイデンティティ」では、大年代記普及初期の写本を分析の対象とし、王朝交代期にあって『大年代記』写本の内容が新王朝の正当性を色濃く打ち出したものへと加筆・修正されていることを具体的に実証した。また論文「記録管理の過去と現在」では、歴史を記すもの(=歴史家)がまた同時に過去に関わる記録の管理者(=アーキビスト)であるという、中世フランスの特異な状況を指摘し、中世における過去へのまなざしと、インターネットに代表される情報メディアの急速な進歩が見られる現在のそれとの間にどのような相違が見られるのか、という点を、特にナショナル・アイデンティティとの関連において分析した。叙述史料の歴史学的史料学的分析はまだ端緒についたばかりであるが、大年代記を始めとする叙述史料が紡ぎ出す無数の歴史を整理していくことで、ナショナル・アイデンティティをも相対化しつつアイデンティティの関係性を明らかにすることは充分可能であると思われる。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(奨励研究(A), 若手研究(B))
    研究期間 : 2001年 -2002年 
    代表者 : 鈴木 道也
     
    本研究は、中世フランスを対象として、王国裁判および裁判外紛争処理過程(国王恩赦や住民集会)を分析することで、前近代型紛争解決システムの解明を目指すものである。2年間の研究活動の後半にあたる今年度は、前年度までの研究成果を受け、特にフランス国王ルイ九世治世期の裁き(=通常の裁判)と恩赦(=裁判外紛争処理)の相補的関係の実態解明を目指した。王の直轄領であるフランス中央部のイル・ド・フランス地方やピカルディー地方において、殺人などの重罪を犯した犯罪者がいかに裁かれたか、その後親族・知人からの申し出により開始される恩赦の審査がどのように行われたか、また有罪となって刑が確定してから恩赦決定に至るまでの共同体住民の心性はどのように変化したのか、といった点に注目して研究を進めた。その結果次の諸点が明らかになった。・王の恩赦は、嘆願に対して無原則・無制限に決定されているわけではなく、暴力の行使を抑止するための政治的キャンペーンの一つとして意識的に展開されている。恩赦証書に現れるという表現は、王国裁判権の信託性を高めると同時に、社会に弥漫する暴力的な風潮への戒めという意図を持って恩赦が行われていたことを示している。・王による恩赦行為は数的には必ずしも多くはないが、王国歴史叙述の中では治世を特徴づけるものとして頻繁かつ詳細に言及されており、王権による世論誘導、プロパガンダ政策のひとつの重要なキーワードとして、実態以上に機能していた。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(奨励研究(A))
    研究期間 : 1999年 -2000年 
    代表者 : 鈴木 道也
     
    本研究は、法人類学の成果を援用して(1)これまで別個に研究されてきた「古き良き法」と称される中世の法観念を巡る思想史的研究と、法制度、具体的には法定立過程と裁判過程に関する制度史的研究を統合するとともに、(2)従来注目されてこなかった(1)国王恩赦や(2)住民集会などの裁判外紛争処理の実態を解明することで、中世における紛争解決システムの構造的把握を目指すものである。本研究は平成11年度より開始されたものであり、平成11年と12年の二年間は当初の研究計画では研究動向の把握や史料データベースの作成を目的とする準備段階であったが、これまでに以下の諸点が明らかになってきている。(1)成文化された法規範は、王国レヴェルでもまた領邦・都市レヴェルでも現実の裁判過程及びその結果に決定的な影響力を及ぼしてはいない。法規範は選択肢の一つに過ぎない。(2)上級権力の下に置かれる裁判所は紛争解決機関としては未熟であるが、そのことは中世人の紛争解決能力の低さを意味するものではなく、地縁共同体や結社的団体の内済による調停・和解型紛争解決は高度に機能している。(3)これまで裁判権の質的強化と量的集積が支配権拡大の指標とされてきたが、中世フランス王権は罪を赦す恩赦行為にも裁判と同等の重要性を認めている。王の権力と権威は、一見すると相矛盾する「(厳格な)裁き」と「(寛大な)赦し」の相補的関係の中で確立されていく。
  • -

担当経験のある科目

  • 歴史学史料研究東洋大学
  • 歴史学基礎演習東洋大学
  • 世界史概説十文字学園大学
  • 史学科卒論演習東洋大学
  • 社会科演習埼玉大学
  • 社会科概説埼玉大学
  • 社会科指導法埼玉大学
  • 西洋史学特講埼玉大学,青山学院大学
  • 西洋史概説埼玉大学

その他のリンク

researchmap