日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
研究期間 : 2017年04月 -2021年03月
代表者 : 大井 美紀; 下寺 信次; 柴 英里; 矢野 宏光; 是永 かな子
就労移行/準備期にある精神障害者の体力低下や主観的健康観(自己効力感等)の低下により就労や地域生活の継続を断念せざるを得ない状況が急増し改善法の確立が国内外において、緊急課題となっている(申請者らの先行研究結果や、2018年度の文献研究及び就労支援事業所でのインタビュー調査結果からも予防対策の緊急性が示唆された)。
2018年度には、申請者らが開発した既存プログラム「自己効力感促進プログラム」(本プログラムによる、自己効力感等の主観的健康観向上等一定の効果は検証されたが、継続性や、体力向上への課題が残されていた。)に改良を加えるために、1.関連する国内外の文献検討及び、2.研究協力施設での参加観察や関係者らへのインタビュー調査を行った。その後、3.前述した1,2をもとに、改良を加えたプログラムのパイロットスタディ第1段階を(無作為化比較試験は用いずまずは、研究協力への希望があった小集団において)実施した。
その結果、1.作業環境(作業姿勢や作業構造、休息の取り方等)から生じる血流障害の改善の必要性、2.血流障害と関連する柔軟性や効果的な休息方法を取り入れた体操の試案、3.筋力や持久力を高める運動処方の検討、4.食習慣との関連性の検討が必要であることが明らかにされた。
2019年度には、上記の結果を踏まえたプログラムの作成を行い、再度、パイロットスタディの第2段階を実施する。現在、研究協力施設スタッフのニーズなども踏まえ、プログラムの精度を高めるための準備を行なっている(補助具の検討、測定機器の選択、オリジナル体操の考案、食生活改善のためのリーフレット検討他)