研究者総覧

橋本 剛明 (ハシモト タカアキ)

  • 社会学部社会心理学科 准教授
  • 社会学研究科社会心理学専攻 准教授
Last Updated :2025/05/24

研究者情報

学位

  • 修士(社会文化研究専攻)(2010年03月 東京大学)
  • 博士(社会心理学)(2015年04月 東京大学)

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科研費研究者番号

  • 80772102

ORCID ID

J-Global ID

研究分野

  • 人文・社会 / 社会心理学

経歴

  • 2021年04月 - 現在  東洋大学社会学部 社会心理学科准教授
  • 2017年04月 - 2021年03月  東京大学大学院人文社会系研究科助教
  • 2016年10月 - 2017年03月  東京大学大学院人文社会系研究科特任助教
  • 2015年05月 - 2016年09月  京都大学霊長類研究所研究員
  • 2010年04月 - 2013年03月  独立行政法人日本学術振興会特別研究員 (DC1)

学歴

  • 2010年04月 - 2015年03月   東京大学   大学院人文社会系研究科   博士課程
  • 2008年04月 - 2010年03月   東京大学   大学院人文社会系研究科   修士課程
  • 2004年04月 - 2008年03月   国際基督教大学   教養学部

研究活動情報

論文

書籍

受賞

  • 2013年11月 日本社会心理学会 第15回奨励論文賞
     経済格差の是正政策に対する人々の賛意: 機会の平等性と社会階層の認知が責任帰属に与える影響の検討
  • 2012年11月 日本グループ・ダイナミックス学会 第59回大会優秀学会発表賞(ポスター発表部門)
     なぜ集団による謝罪は「許し」をもたらさないのか-不祥事企業に対する影響力の要因の検討-
  • 2009年10月 日本グループ・ダイナミックス学会 第56回大会優秀学会発表賞(English Session部門)
     Transgressor apology for the victim and the third-party: Its effect on cognition, emotion, and motivation
  • 2009年03月 日本社会心理学会 2008年度若手研究者奨励賞
     社会的苦境場面における被害者/第三者の赦し:社会的目標に基づく認知・感情モデル

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2023年04月 -2028年03月 
    代表者 : 相馬 敏彦; 古村 健太郎; 橋本 剛明; 宮川 裕基; 木村 幸生; 梁 庭昌
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2024年04月 -2028年03月 
    代表者 : 唐沢 かおり; 鈴木 貴之; 大坪 庸介; 橋本 剛明
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2023年04月 -2027年03月 
    代表者 : 橋本 剛明
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2024年06月 -2027年03月 
    代表者 : 唐沢 かおり; 鈴木 貴之; 江守 正多; 橋本 剛明
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年04月 -2024年03月 
    代表者 : 相馬 敏彦; 古村 健太郎; 橋本 剛明
     
    本年度の主たる実績は次の二点である。 第一は、DV予防プログラムに参加することが、どのようにして暴力の抑制に至るのかを実証した点である。これまでに実施したプログラムの効果検証データを分析したところ、交際中の参加者には、受講によって関係コミットメント(関係継続意思)の極化が生じることが示された。これは、プログラムへの受講が、参加者のその後の関係への関わり方に対する熟慮状態を生じさせる可能性を示唆する。さらに、コミットメントの極化、すなわち熟慮の程度は、当事者がケアや危害についての道徳基盤をもつ場合、DV規範の内在化を促し、特に加害を抑制する可能性が示された。これは、予防プログラムの受講によって、親密な相手との相互作用やその行為に対する道徳化が生じる可能性を示している。この結果については、現在国際誌への投稿準備中である。 第二は、COVID-19の感染拡大防止のための社会的距離の増加が、DV被害に与える影響プロセスをCOVID-19前後でのパネル調査データによって、実証した点である。恋愛関係もしくは婚姻関係にある者を対象とする、継続中のオンライン・パネル調査を分析したところ、COVID-19後に、交際相手もしくは配偶者以外の他者と物理的に接触する時間が減少しており、その減少の程度が著しいほど、関係内でのDV被害がエスカレートしやすいことが示された。この結果の生じるプロセスについては、後続の継続調査の結果を踏まえて考察する予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年04月 -2023年03月 
    代表者 : 橋本 剛明
     
    本研究課題は、「被害者」とされる立場に対する、人々の態度形成フレームをモデル化することを目的としている。2021年度は、過年度までの成果をベースに、モデルの実証的な検討を行った。具体的には、被害者が被害発生後にとる「対処方略」が人々にどのように評価されるのかを、「心の知覚」の側面から検討するための実験を実施した。実験参加者には、個人が被害を受けるシナリオ(e.g.,事故にあう)を提示し、被害者への態度を評定してもらった。その際、シナリオ中で被害者がとる事後的な反応を実験的に操作した。一般サンプルを対象にオンラインで実験を実施し、575名から成るデータを分析した。この実験から示唆されたのは、被害者が加害主体への非難や抗議を表明する描写があると、被害者への好印象や共感が高められるということである。そして、そのような効果は、被害者は意思が強いというエージェンシーの心的特性が知覚されることによって媒介された。この知見は、人々が「か弱い被害者」よりも「強い被害者」という像をポジティブに捉える傾向があることを示している。本来は救済の対象となるべき被害者に対して、自助努力が推奨され、ときに被害者非難が生じることの背景要因を示唆する知見である。引き続き、知見の頑健性や現象の境界条件を調べることが目指される。 上記に加えて、2021年度には、不公正に対する第三者的反応を勢力感という要因で検討した論文(Hashimoto & Karasawa, 2021)、公正感受性と集団内の協力行動との関連を検討した論文(Tham, Hashimoto, & Karasawa, 2021)、高齢や精神障害などのスティグマが対象への否定的態度を規定する過程を検討した論文(清水・橋本・唐沢, 2021; Shimizu, Hashimoto, & Karasawa, 2021)などの関連成果が刊行された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 橋本 剛明
     
    5人を救うために1人を傷つけることは許されるか。あるいは自分ならばその行動をとるか。道徳ジレンマ状況での、このような功利主義的な「判断」と「行為遂行」を比べたとき、人々が示す反応が異なるかという点、およびそれぞれの意思決定を規定する心理過程の違いについて検討した。調査と実験の結果、「行為遂行」に関する意思決定時に、人々は「判断」時よりも多くの葛藤を経験する傾向が認められた。その一方で、個人差として自己制御能力が高い個人の場合には、葛藤が抑制され、功利主義的な「行為遂行」が志向されることが、データより明らかになった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 橋本 剛明
     
    本年度は引き続き、紛争状況における個人の制裁や寛容の動機づけを規定する条件について実証的に検討した。平成23年度では、不祥事企業が示す謝罪に対する人々の反応が、企業への個人的影響力の感覚によって調整されることを示したが、平成24年度は、集団レベルの紛争に加えて個人レベルの紛争での検討を行うと同時に、人々が持っている公正観の影響も検討した。 実験1では、職場内トラブルと企業不祥事の各事例における侵害者への態度評定を、131名の参加者に求めた。この際、半数の参加者にのみ状況の当事者の処遇を左右する力があるという情報を提示し、影響力知覚を高めた。分析の結果、特に侵害者が不誠実な謝罪を行う場合、影響力が与えられた個人は、そうでない個人に比べ、制裁動機を低く評定する傾向が認められた。実験2では、影響力知覚に加え、公正観が不公正状況への反応を規定するかを検討した。参加者46名に、ある人物が他者に不当な低評価を下し罰の対象としてしまうという不公正状況を提示した。参加者に侵害者への親和動機の評定を求める際に、回答が対象の受ける罰などに実際に変化を及ぼすかという点で影響力を操作した。その結果、影響力が与えられると、世界が公正であるという信念が弱い個人の親和動機は高まるが、公正信念が強い個人の親和動機は低下するという、公正観と影響力の交互作用がみられた。実験3では、公正観と影響、そして謝罪の効果を総合的に捉えることを目的とした。実験1と同様の対人間紛争シナリオについて、参加者100名の回答を分析したところ、公正信念が弱い個人は、影響力を与えられると、謝罪がないと非寛容的に、謝罪があると寛容的に反応する傾向を強めていた。一方で、公正信念が強い個人は、影響力に関わらず、謝罪によって寛容的態度を高めていた。以上から、状況への影響力は、公正信念と複合的に作用しながら、人々の寛容反応を規定することが明らかになった。

その他のリンク

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