日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
研究期間 : 2019年04月 -2022年03月
代表者 : 吉田 敦
2019年度の在外研究期間(カリフォルニア大学アーヴァイン校)での研究期間を経て、その研究成果としてアフリカにおける資源開発(石油・天然ガス、鉱物資源)と紛争の理論および実証分析した単著(『アフリカ経済の真実ー資源開発と紛争の論理』2020年7月、ちくま新書)を公刊するにいたった。本書のなかで、本研究課題との関連が深いアフリカ産油国における制度基盤の理論的検討、そして産油国の政治体制の特殊性やアルジェリアにおける具体的事例について論証することができた。また、翻訳書(ヤン・デ・フリース(共訳:吉田 敦、東風谷太一)『勤勉革命ー資本主義を生んだ17世紀の消費行動』筑摩書房、2021年3月)の刊行にもいたった。本書は本研究課題と直接的な関連は低いが、資本主義経済の成立過程について、また近代ヨーロッパにおける『産業革命』(資本集約的工業化)に代わる『勤勉革命』(労働集約的工業化)が17世紀になぜおこったのかを理論的見地から論考しており、今後の研究に活かしていきたい。