Kenichi GotouDepartment of Food Life Sciences Professor Institute of Life Innovation Studies Researcher Course of Food and Nutritional Sciences Professor | ![]() |
視覚障碍者のために,理科実験で行った測定機器の実験データをアンドロイドタブレットによりリアルタイムで読み上げる教材を開発した。さらに音声データを3 次元の立体グラフにすることで,指先で触知することができるようにした。これにより理科実験で使われている測定装置(温度計,天秤,pH 計,電圧計,伝導率計,気圧計など)で液晶表示されている全てが,音声化と触知化することができるようになり,科学的な考え方や思考力が育成されることが期待できる。pH 計を使った実験を行ったので報告する。
本研究では,小学校及び中学校において理科を指導している教師を対象に,理科の学習指導に関する質問紙調査を実施し,平成27 年度の全国学力・学習状況調査の理科の結果と関連付けた分析を行った。質問紙調査の実施に際しては,平成24 年度調査に参加している公立の小・中学校からランダムサンプリングにて各350 校を抽出し,郵送にて質問紙を送付した。分析においては,平成27 年度調査のデータと学校レベルで接合し,学力調査との関連について検討した。その結果,小・中学校に共通の傾向として,理科の学力が高い学校の教師は,「問題解決的な学習の積極的な取り入れ」などについて肯定的に回答する割合が高いことが明らかとなった。
国際バカロレア(IB)は,同機構が認定した世界各国の学校(認定校)において実施されている教育プログラムである。IBは,資質・能力の育成を目指すとともに,基本的な知識や技能の習得も目指しており,我が国の教育に示唆に富む知見を提供してくれる。そこで,IB における高等学校化学分野,ディプロマプロジェクト(DP)化学のカリキュラム編成の理論と,概念,そこで展開される学びについ整理を行った。
世界的な潮流として,資質・能力を育成する教育課程の実現が求められ,我が国の次期学習指導要領に向けた中央教育審議会の議論においても,その方向性が示されている。資質・能力の育成には,内容と学習活動のつながりを考え,一体となった学びが求められ,さらに,理科では内容を構成する概念の深い理解が重要である。ここでは,特に学習指導要領で示されている化学に関する概念について整理し,育成すべき資質・能力との関係について考察する。