研究者総覧

藤井 修治 (フジイ シュウジ)

  • 食環境科学部食環境科学科 教授
  • 工業技術研究所 研究員
Last Updated :2024/04/23

研究者情報

学位

  • 博士(理学)(北海道大学)

ホームページURL

科研費研究者番号

  • 40401781

J-Global ID

プロフィール

  • メソ構造を持つソフトマターのレオロジー挙動を調べています。特に、構造欠陥が関与するレオロジー現象を系統的に整理することを目指しています。欠陥の構造観察と分光計測を行うため、レオメーターに特殊な顕微鏡を組み込んだ装置開発も行います。
    最近は、生きている細胞核内部のレオロジー研究にも取り組んでいます。
    生物からメタマテリアルまで、構造形成と機能の創発、欠陥の関係に興味があります。

研究キーワード

  • 構造組織学   細胞核   ソフトマター   レオロジー   液晶   

研究分野

  • 自然科学一般 / 生物物理、化学物理、ソフトマターの物理

経歴

  • 2020年04月 - 現在  東洋大学食環境科学部教授
  • 2020年04月 - 2022年03月  北海道大学大学院 工学研究院 応用物理学部門客員教授
  • 2016年07月 - 2020年03月  北海道大学大学院工学研究院 応用物理学部門准教授
  • 2018年11月 - 2019年01月  ワイツマン科学研究所 客員研究員
  • 2005年04月 - 2016年06月  長岡技術科学大学工学部助教
  • 2014年05月 - 2015年03月  ワイツマン科学研究所客員研究員
  • 2003年10月 - 2005年03月  アーヘン工科大学博士研究員
  • 2002年04月 - 2003年09月  バイロイト大学博士研究員

学歴

  •         - 2002年   北海道大学大学院   生物科学専攻
  •         - 1999年   群馬大学   Graduate School, Division of Engineering
  •         - 1997年   群馬大学   Faculty of Engineering

所属学協会

  • 日本酪農科学会   ソフトマター研究会   日本バイオレオロジー学会   日本物理学会   日本レオロジー学会   

研究活動情報

論文

書籍

  • 動的粘弾性 動的粘弾性測定とそのデータ解析事例
    (担当:分担執筆範囲:)技術情報協会 2021年12月
  • 相分離生物学の全貌(現代化学増刊46)
    (担当:分担執筆範囲:)東京化学同人 2020年11月
  • Nano/Micro Science and Technology in Biorheolgy: Principles, Methods, and Applications
    Shuji Fujii (担当:共著範囲:Nonequilibrium Structural Transformation of Complex Bilayer Membranes under Shear)Springer 2015年 ISBN: 9784431548867 436 77-97

講演・口頭発表等

  • 微小プローブ粒子を用いた細胞核内ダイナミクス  [招待講演]
    藤井 修治
    Future Trend in Polymer Science 2022 2023年02月 口頭発表(招待・特別)
  • コレステリックブルー液晶相のレオロジー  [招待講演]
    藤井修治
    第17回希薄溶液の流動学講演会 2021年06月 口頭発表(招待・特別)
  • タンパク質自己会合体を用いた細胞核内ダイナミクス計測  [招待講演]
    藤井修治
    高分子学会東海支部 東海高分子研究会 2020年10月 口頭発表(招待・特別)
  • コレステリックブルー液晶相のレオロジー  [招待講演]
    藤井 修治
    熱物質流体工学分科会講演会 2019年09月 口頭発表(招待・特別) 化学工学会 熱物質流体工学分科会
  • 藤井 修治
    International Symposium Polymers and networks via topology and entanglement 2019年08月 口頭発表(招待・特別)
  • 藤井 修治
    2019年01月 口頭発表(招待・特別) Tokyo Metropolitan University Mini Conference on Physical Chemistry of Molecular Assembly
  • Nuclear dynamics revealed by bio-tracers  [通常講演]
    藤井 修治
    International Symposium on Hydrodynamic Flows in/of Cells 2016年11月 口頭発表(一般)

MISC

受賞

  • 2012年05月 日本レオロジー学会 奨励賞
     スメクチック液晶相のレオロジーに関する研究 
    受賞者: 藤井 修治
  • 2010年10月 日本レオロジー学会 ポスター賞
     複合二分子膜系のずり誘起ラメラ/オニオン構造転移 :高分子鎖長効果 
    受賞者: 光増 大輔;藤井 修治
  • 2010年05月 高分子学会 高分子研究奨励賞
     高分子/界面活性剤複合ラメラ相の ずり誘起ラメラ-多層膜ベシクル転移機構の解明 
    受賞者: 藤井 修治
  • 2008年10月 日本MRS学術会議 Award for Encouragement of Research of Materials Science
     Viscoelasticity of Onion Phase Composed of Complex Surfactant Bilayers 
    受賞者: 藤井 修治

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 藤井 修治
     
    本研究の目的は応力場にさらされた細胞核内部の染色体の時空間秩序を維持する基本原理を理解することである。タンパク質バイオプローブを用いで細胞核内部の粘弾性特性を把握しつつ細胞核内の構造体のダイナミクスを包括的に把握するには、レオメーターを用いて制御された応力を細胞に印加しつつ、共焦点顕微鏡で核を観察する必要がある。そこで、初年度は共焦点システムとレオメーターを組み合わせたConfocl Rheometryの構築を最初の達成目標とした。共焦点システム(Yokogawa製CSU-W1)を倒立顕微鏡に取り付け、さらにレオメーターをその上部に取り付けることにより、同システムを完成させた。このシステムを用いることにより、一定応力をゲルに加えつつ変位場を読み取ることにより、物質内部の粘弾性特性を把握するための準備を整えた。また、粒子画像流速測定法(PIV)や牽引力顕微鏡(TFM)による細胞内粘弾性分布抽出のためのソフトウェアをMatlabで構築した。 本研究では、レオメーターで細胞封入ゲルを振動させ、振動刺激を受ける細胞核内部の動的秩序構造の観察も行う計画である。しかし、振動下では細胞が常に観察視野内を振動方向に移動するため、核内部の構造変化を定量的に観察することが困難になってしまうという実験上の問題がある。振動下でも定量的な構造観察を行うことができるように、周期的振動下における画像解析手法の構築にも取り組んだ。本手法では、一定周期で往復運動している構造体内部を観察するため、振動振幅がゼロ点に回帰した瞬間の画像のみを収集・動画化し、PIVやTFMを実施する。振動下では、画像の関心領域が、振動方向だけではなくゲル全体の変形により同心円方向(回転中心)にも変形するため、二軸方向に移動する。この二軸変位を補正し、関心領域内部の動的変化を観察する手法を整えた。
  • 科学研究費補助金 新学術領域研究:次世代物質探索のための離散幾何学
    研究期間 : 2018年04月 -2020年03月 
    代表者 : 藤井 修治
  • バイオプローブが切り拓く細胞核マイクロレオロジー
    日本学術振興会:二国間交流事業
    研究期間 : 2017年04月 -2019年03月 
    代表者 : 藤井 修治
  • 科学研究費補助金 基盤研究(B)
    研究期間 : 2013年04月 -2016年03月 
    代表者 : 藤井 修治
     
    ソフトマターの代表である界面活性剤や液晶が形成する様々な秩序構造のレオロジー挙動は、構造の違いに依らず統一的に理解できるのだろうか?統一的な理解を得るため、さまざまな秩序構造が内包する欠陥のダイナミクスに着目した。コレステリック・ブルー相という液晶について、流動による欠陥の再配置が構造転移を引き起こすことを示唆する結果を得た。これは、スメクチック相という異なる液晶について観察された結果と一致する。欠陥ダイナミクスが、秩序構造のレオロジーを統一するための重要な因子であることを見出した。また、細胞核内部の力学特性を初めて精密に測定した。
  • 科学研究費補助金 若手研究(B)
    研究期間 : 2011年04月 -2013年03月 
    代表者 : 藤井 修治
     
    C10E3膨潤ラメラ相のラメラ/スポンジ相転移点近傍と共存領域においてずり流動を加えた直後に動的光散乱を行うことにより、スポンジ相の出現とともにスローモードが発達すること、二分子膜系の粘弾性における膜の連結効果(欠陥)が分散関係に影響することを明らかにした。 リン脂質DMPGベシクル分散溶液は、温度を変数として粘弾性挙動が劇的に変化すること、特に昇温過程と降温過程ではベシクル構造の変形に履歴が残るために大きな差が出ることを発見した。また二分子膜が液晶状態にあるベシクル分散系について初めてシアシックニング挙動を見出し、ベシクルからの構造転移の存在を示唆した。 拡散波分光(DWS)装置に平行平板流動セルを組み込み、ずり流動が誘起する非平衡構造のマイクロレオロジー測定を可能にした。また動的光散乱による同様のマイクロレオロジー手法の開発に取り組んだが、粘弾性体では拡散係数の波数依存性のために正確なマイクロレオロジー測定が困難になることが明らかになった。
  • 研究期間 : 2009年04月 -2011年03月 
    代表者 : 好村 滋行
     
    本研究ではスメクチック相が示す特徴的なレオロジー挙動が、転位ループの非束縛転移における(i)フォーカルコニックドメインのサイズのスケーリング則、(ii)降伏応力の温度依存性、(iii)ずり流動誘起スメクチック・ネマチック転移などの相互の関連性を通じて理解できることを明らかにした。特にフォーカルコニックドメインのずり速度依存性と温度依存性を介した弾性特性の整理により、スメクチック相が示す弾性の物理的起源が解明された。
  • 科学研究費補助金 特定領域研究
    研究期間 : 2008年04月 -2011年03月 
    代表者 : 藤井 修治
     
    本研究課題では、具体的に1.複合二分子膜ラメラ相のずり誘起オニオン相転移、2.ブロック共重合体ラメラ相のずり誘起構造転移、の2課題に焦点をあてた。研究課題1では、界面活性剤とブロック共重合体から成る複合二分子膜ラメラ相のオニオン相形成挙動について、ずり流動による欠陥密度増加、臨界ずり応力の物理的意味の観点から研究を進めた。研究課題2では、これまで独立の研究課題であった流動場によるラメラ相の構造転移挙動(オニオン転移、配向転移)を非平衡構造形成の基本原理という統一の視点から理解するために動的相図を作成することを第一の目標とした。 得られたずり誘起構造転移の動的相図作成を出発点とし、流動光散乱やX線散乱を粘弾性測定と組み合わせた実験手法により構造形成過程、構造破壊過程がどのような基本原理の下に進行するのか調べた。複合二分子膜ラメラ相のオニオン相形成については、ラメラ相における欠陥密度の増加がオニオン相形成を誘起するために必須であること、また欠陥構造から球状ベシクル(オニオン)への構造転移は、二分子膜の曲げ弾性率を超えるずり応力が与えられた時に生じることを明らかにした。この結果は、流動場下における構造転移が、与えられるずり速度と系の緩和時間の比のみによって決まるのではなく、力学特性が重要な因子となることを示している。ブロック共重合体ラメラ相について粘度測定と流動小角光散乱測定を行い、ラメラ配向転移とオニオン転移の動的相図を作成した。得られた相図より、オニオン転移の臨界ずり速度とラメラ配向転移の臨界ずり速度には一桁以上もの大きな差があること、また、高ずり速度ではオニオン相は破壊され再びラメラ相を再形成することが明らかになった。この結果はオニオン相形成とラメラ配向転移は異なる物理メカニズムにより達成されることを示唆する。
  • 科学研究費補助金 特定領域研究
    研究期間 : 2007年04月 -2009年03月 
    代表者 : 藤井 修治
     
    本研究では、流動場により誘起されるラメラ-多層膜ベシクル構造転移における高分子鎖の添加効果を粘弾性測定、流動小角光散乱、そして流動小角中性子散乱により調べた。高分子である3元ブロック共重合体を界面活性剤と混合した複合ラメラ相の構造転移は高分子濃度に敏感であり、高分子鎖間の反発作用により、転移が促進、あるいは抑制されることが分かった。
  • 科学研究費補助金 若手研究(B)
    研究期間 : 2007年04月 -2009年03月 
    代表者 : 藤井 修治
     
    本研究では、流動場により誘起されるラメラ-多層膜ベシクル構造転移における高分子鎖の添加効果を粘弾性測定、流動小角光散乱、そして流動小角中性子散乱により調べた。高分子である3元ブロック共重合体を界面活性剤と混合した複合ラメラ相の構造転移は高分子濃度に敏感であり、高分子鎖間の反発作用により、転移が促進、あるいは抑制されることが分かった。

委員歴

  • 2019年05月 - 現在   日本バイオレオロジー学会   理事
  • 2012年04月 - 現在   日本レオロジー学会   セッション・オーガナイザー
  • 2010年05月 - 現在   日本バイオレオロジー学会   評議員
  • 2013年10月 - 2013年10月   高分子学会   北陸支部若手幹事
  • 2011年05月 - 2012年03月   日本物理学会   領域12世話人(ソフトマター物理)
  • 2010年08月 - 2010年08月   5th Pacific Rim Rheology Conference   Organizing Committee
  • 2010年08月 - 2010年08月   International Workshop on Soft Matter Physics   Chair

その他のリンク

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