研究者総覧

大豆生田 稔 (オオマメウダ ミノル)

  • 文学部史学科 教授
  • 人間科学総合研究所 研究員
  • 文学研究科史学専攻 教授
Last Updated :2024/04/23

研究者情報

学位

  • 文学修士(1980年03月 東京大学)
  • 博士(文学)(1994年09月 東京大学)

J-Global ID

研究キーワード

  • 産米改良   市場   主食   米穀市場   小麦   米穀検査   食生活   経済史   米   米穀取引所   日本史   米穀問屋   東アジア市場   貿易   朝鮮米   商社   外米   食糧   

研究分野

  • 人文・社会 / 経済史
  • 人文・社会 / 日本史

経歴

  • 1996年04月 - 現在  東洋大学文学部教授
  • 1990年04月 - 1996年03月  東洋大学文学部助教授
  • 1987年04月 - 1990年03月  城西大学経済学部助教授
  • 1984年04月 - 1987年03月  城西大学経済学部専任講師

学歴

  • 1980年04月 - 1984年03月   東京大学   大学院 人文科学研究科(博士課程)   国史学専門課程
  • 1978年04月 - 1980年03月   東京大学   大学院 人文科学研究科(修士課程)   国史学専門課程

所属学協会

  • 経営史学会   社会経済史学会   土地制度史学会   歴史学研究会   史学会   

研究活動情報

論文

書籍

  • 戦前日本の小麦輸入―1920~30年代の環太平洋貿易
    大豆生田稔 吉川弘文館 2023年02月 ISBN: 9784642039215
  • 港町浦賀の幕末・近代―海防と国内貿易の要衝
    大豆生田稔 (担当:編者(編著者)範囲:序章・浦賀港の変容―幕末から近代へ―/第3章・近代浦賀港の変容―一八八〇年代~一九三〇年代の出入港品―/コラム3・房総との交流/コラム7・浦場久比里町の宗円寺における農事講習会/あとがき)清文堂出版 2019年11月
  • 文京区史(文京区編)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:第3章・安定成長からバブル経済へ(第3節3の「町名変更と旧町名の保存」、第5節1・2を除く))2018年03月
  • 軍港都市史研究 Ⅶ 国内・海外軍港編
    大豆生田稔 (担当:編者(編著者)範囲:序章・内外軍港都市の諸相/第4章・戦時の軍港都市財政―横須賀市財政の展開/コラム・太平洋戦時下の横須賀視察)清文堂出版 2017年05月
  • 軍港都市史研究 Ⅳ 横須賀編(上山和雄編)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:第1章・軍港都市横須賀の財政―一九〇七~一九三六年/コラム・家屋税増徴をめぐる借家人と家主)清文堂出版 2017年01月
  • 近江商人の酒造経営と北関東の地域社会―真岡市辻善兵衛家文書からみた近世・近代
    大豆生田稔 (担当:編者(編著者)範囲:はしがき/第3章・酒造経営の展開)岩田書院 2016年05月
  • 防長米改良と米穀検査―米穀市場の形成と産地(1890年代~1910年代)
    大豆生田稔 (担当:単著範囲:)日本経済評論社 2016年01月
  • 歴史の「常識」をよむ(歴史科学協議会編)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:近代日本の米食)東京大学出版会 2015年03月
  • 新横須賀市史 通史編 近現代(横須賀市編)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:第1編第2章第1・2節/第2編第2章第1・2節/第3編第2章/第4編第3章)2014年08月
  • 戦前期北米の日本商社―在米接収史料による研究(上山和雄・吉川容編)
    大豆生田稔 (担当:共著範囲:第4章・三菱商事シアトル支店の北米小麦・小麦粉取引―1920年代における東アジア向け輸出の拡大―)日本経済評論社 2013年02月
  • 發展與帝國邊陲―日治臺灣經濟研究文集―(薛化元主編)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:伍 糧食政策的展開與臺灣米―在來種改良政策的展開及對内地移出的變遷/郭雲萍譯)臺大出版中心 2012年12月
  • 新横須賀市史 資料編 近現代Ⅲ(横須賀市編)
    大豆生田稔 (担当:共編者(共編著者)範囲:)2011年07月
  • 新横須賀市史 資料編 近現代Ⅱ(横須賀市編)
    大豆生田稔 (担当:共編者(共編著者)範囲:)2009年03月
  • 大豆生田稔 (担当:単著範囲:)吉川弘文館 2007年01月 ISBN: 4642056254 231
  • 雑穀Ⅱ―粉食文化論の可能性(木村茂光編)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:第7章・米穀消費の拡大と雑穀―産業革命前後の主食の変貌―)青木書店 2006年05月
  • 新横須賀市史 資料編 近現代Ⅰ(横須賀市編)
    大豆生田稔 (担当:共編者(共編著者)範囲:)2006年03月
  • 明治前期の日本経済―資本主義への道(高村直助編著)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:第10章 米穀流通の再編と商人―東京市場をめぐる廻米問屋と米穀問屋―)日本経済評論社 2004年10月
  • 商品流通の近代史(中西聡・中村尚史編著)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:第1章・東北産米の移出と東京市場)日本経済評論社 2003年08月
  • 横浜市史Ⅱ 第3巻(下)(横浜市史編集室編)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:第6編第3章 公害問題)2003年07月
  • 史料が語る日本の近世(大野瑞男編)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:一八八〇年代半ばの秋田腐米改良政策―「米質改良彙説」にみる県勧業課の農法改良論―)吉川弘文館 2002年09月
  • 横浜近郊の近代史―橘樹郡にみる都市化・工業化(横浜近代史研究会・横浜開港資料館編)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:序章/第5章・農業技術の普及と農会組織の形成―明治中後期の橘樹郡)日本経済評論社 2002年07月
  • 横浜市史Ⅱ 第3巻(上)(横浜市史編集室編)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:第3編第3章 農業・農村問題)2002年03月
  • 老川慶喜・大豆生田稔 (担当:共編者(共編著者)範囲:第8章・東京市場をめぐる地廻米と遠国米―産業革命期首都圏の米穀市場―)日本経済評論社 2000年11月 ISBN: 4818812765 308
  • 横浜市史Ⅱ 第2巻(上)(横浜市史編集室編)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:第3編第3章)1999年03月
  • 明治の産業発展と社会資本(高村直助編著)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:第4章・道路網の整備と米穀市場-秋田県南部の場合-)ミネルヴァ書房 1997年12月
  • 横浜の近代―都市の形成と展開(横浜近代史研究会・横浜開港資料館編)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:第6章・都市化と農地問題―一九二〇年代後半の橘樹郡南部―)日本経済評論社 1997年03月
  • 横浜市史Ⅱ 第1巻(下)(横浜市史編集室)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:第5編第6章 農業・農村問題)1996年03月
  • 前近代の日本と東アジア(田中健夫編)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:幕末開港と上海貿易一八六〇年代初頭の英国船輸送網と日本生系・茶・棉花輸出)吉川弘文館 1995年01月
  • 対立と妥協―1930年代の日米通商関係(上山和雄・阪田安雄編著)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:第7章・東アジア小麦市場をめぐる国際関係)第一法規出版 1994年10月
  • 近代日本の軌跡 8 産業革命(高村直助編著)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:12・米と農民)吉川弘文館 1994年06月
  • 戦時華中の通貨工作と軍票(中村政則・高村直助・小林英夫編著)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:第9章・砂糖部の活動/第10章・穀肥部の活動)多賀出版 1994年02月
  • 戦後改革期の農業問題-埼玉県を事例として(西田美昭編著)
    大豆生田稔 (担当:共著範囲:)日本経済評論社 1994年02月
  • 大豆生田稔 (担当:単著範囲:)ミネルヴァ書房 1993年12月 ISBN: 4623023745 349
  • 実業の系譜・和田豊治日記―大正期の財界世話役
    小風秀雅; 阿部武司; 大豆生田稔; 松村敏 (担当:共編者(共編著者)範囲:)日本経済評論社 1993年08月
  • 岩波講座 近代日本と植民地 5 膨張する帝国の人流
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:8・戦時食糧問題の発生―東アジア主要食糧農産物流通の変貌―)岩波書店 1993年04月
  • 横浜市史Ⅱ 第1巻(上)(横浜市史編集室編)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:第2編第5章・農業・農村問題)1993年03月
  • 企業勃興―日本資本主義の形成(高村直助編著)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:第10章・米穀生産の拡大と対ヨーロッパ輸出の展開)ミネルヴァ書房 1992年03月
  • 房総地域史の諸問題(三浦茂一先生還暦記念会編)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:千葉県における外米消費の動向―一九一〇年代末と二〇年代半ばの比較―)国書刊行会 1991年06月
  • 横浜市史Ⅱ 資料編2 地方小作官と農村情勢(横浜市史編集室編)
    大豆生田稔 (担当:共編者(共編著者)範囲:本巻担当編集委員)1990年03月
  • 日露戦後の日本経済(高村直助編著)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:Ⅸ章・食糧政策の形成と植民地米)塙書房 1988年02月
  • 成田市史 近現代編 (成田市史編さん委員会編)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:第1章第2節第2項(明治前期の農業)・第4項(三里塚牧場)/第2章第2節第1項(明治後期の農業)・第3項(商工業の発達)/第3章第2節(好況から恐慌へ)/第4章第2節(戦時下の諸産業))成田市 1986年03月
  • 中村隆英先生還暦記念 近代日本の経済と政治(原朗編)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:農林省の成立と食糧政策)山川出版社 1986年03月
  • 神奈川県の百年(高村直助・上山和雄・小風秀雅・大豆生田稔著)
    大豆生田稔 (担当:共著範囲:五・恐慌の嵐のなかで(4・地域開発と生活を除く)/六・総力戦と戦災)山川出版社 1984年06月
  • 成田市史現代編史料集(成田市史編さん委員会編)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:解説:農業(農業経営)、商工業)成田市 1984年03月
  • 千葉県のあゆみ(千葉県企画部広報県民課編)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:第5章第7節(昭和恐慌から戦争へ))千葉県 1983年03月
  • 朝倉毎人日記 1~6 近代日本史料選書9-1~6(阿部武司・大豆生田稔・小風秀雅編)
    大豆生田稔 (担当:共編者(共編著者)範囲:)山川出版社 1983年03月
  • 論集房総史研究(川村優編)
    大豆生田稔 (担当:分担執筆範囲:一九二〇年代後半における農業倉庫・販売組合奨励政策―千葉県安房郡主基村産業組合の米穀販売活動の進行と限界)名著出版 1982年05月

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 戦間期日本の小麦輸入と世界市場―1920年代~30年代における国際商品の受容
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 大豆生田 稔
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 前田 廉孝; 大豆生田 稔; 野田 顕彦
     
    本研究が考察の俎上に載せた大阪堂島米穀取引所は,戦前期日本における最大規模の商品取引所であったが,その機能と経営は第1次大戦期以降に安定性を欠いた。1921年の米穀法制定,1933年の米穀統制法制定で政府は米穀市場に対する介入を強化し,米穀先物取引の指標価格形成機能は変動した。そして,かかる機能の変動は大阪堂島米穀取引所の取引量減少に帰結し,売買手数料収入の減少で経営は悪化の一途を辿った。その打開策として同取引所は,先渡市場の創設,有価証券投資と不動産投資の拡大で事業の多角化を図った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 大豆生田 稔
     
    本研究は、戦前期の日本において、東南アジアからの「外米」輸入が断続的に活発化した現象を対象にして、(a)主食である米の需給構造とその特質、(b)外米取引の展開とその担い手、(c)質的に国内産米と異なる外米の消費の実態、についての実証的考察とを目的とする。本年度の研究実績は次の通りである。 1.資料の調査・収集:上記(a)について、前年度より継続し、東京とその周辺の資料所蔵機関において、統計資料、農業・食糧・貿易政策の関係資料等を調査・収集した。(b)について、国内では、前年度に引き続き、(a)と同様の諸機関において関係資料等を、デジタル化資料も含め調査・収集した。また海外では、英国ロンドンの国立公文書館National Archivesにおいて、外米産地の英領ビルマや、取引の拠点香港など東アジアの英国外交官の報告書等を、また大英図書館British Libraryにおいて、「インド省文書」などから、ビルマの米生産・流通関係の諸資料を調査し撮影により収集した。(c)戦前期の米・小麦等をめぐる国内の主食消費の特質やその変化、地域性等について、新聞記事、経済雑誌記事等を調査・収集を継続した。 2.収集資料の整理・分析:海外収集資料については、撮影データをリストを作成するほか、収集資料のスキャニングによる電子化・整理、文字・数値データの入力作業を行った。また、1880年代~90年代を中心に、外米輸入の本格化について、収集資料の整理・分析をすすめた。 3.研究成果の公表:米穀輸出が活発化した1890年代末からから輸入が急増する1890年代初頭の変化に注目し、米穀輸入の急増が可能になった諸条件を解明するため、当時の貿易統計、経済雑誌、政府関係の諸刊行資料などにより論文を作成して公刊した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 野田 顕彦; 大豆生田 稔; 前田 廉孝; 井奥 成彦; 伊藤 幹夫
     
    本研究は,戦前期日本の米穀市場における情報効率性と統合速度の通時的な変動とその変動要因の解明を試みた.具体的には,東京・大阪の先物・現物月次価格を取得したうえで時変計量経済モデルによる計量分析を実施した.そして,第1に第1次大戦期まで情報効率性は台鮮米が受渡代用品に指定された時期に低下したこと,第2に1920年代以降の情報効率性は台鮮米が受渡代用品に指定された時期でも低下しなかったこと,第3に米穀法・米穀統制法が施行された両大戦間期に情報効率性は政府が有する政策的裁量性の縮小によって上昇したこと,第4に電報利用の拡大に牽引された市場統合速度の上昇は1910年代末まで継続したことを明らかにした.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2013年04月 -2016年03月 
    代表者 : 吉川 容; 高村 直助; 上山 和雄; 長島 修; 老川 慶喜; 大豆生田 稔; 中村 尚史; 大島 久幸; 岡部 桂史; 市川 大祐; 谷ヶ城 秀吉; 木庭 俊彦
     
    米国国立公文書館とオーストラリア国立公文書館には、戦前期日本商社の在外支店関係接収史料が所蔵されている。これらの史料は、日本国内に残されている商社関係史料と補完関係にある貴重な史料である。本研究では、両公文書館で史料調査をおこない、目録並に付随する史料情報を整備し、重要史料の複写収集をおこなった。目録、史料情報、複写収集史料の学界での共同利用に向けて準備を進めた。収集した史料を利用して実証的歴史研究を進め、その成果を論文等として発表した。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2013年 -2015年 
    代表者 : 大豆生田稔
     
    戦時下の1930年代末、米穀需給は俄に逼迫して東南アジアからの外米輸入が急増し、食糧統制が強化されその消費がすすんだ。また、円ブロック外から小麦輸入が試みられるが1940-41年には困難になった。米の一大産地である仏印などが勢力圏に入り、大量の外米が輸入されて国内に備蓄された。日本米とは異質の外米は、多様な方法により受容され消費されるが、輸送が隘路となり、輸入からの「脱却」が唱えられるようになった。戦争末期には輸移入が困難となり、深刻化した食糧難が敗戦後にも継続した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 吉川 容; 高村 直助; 上山 和雄; 老川 慶喜; 大豆生田 稔; 落合 功; 中村 尚史; 大島 久幸; 岡部 桂史; 市川 大祐
     
    米国国立公文書館には、戦前期日本商社の在米支店関係接収史料が所蔵されている。この史料は、日本国内に残されている商社関係史料と補完関係にある貴重な史料であるが、目録が整備されていないため、その閲覧利用が容易ではなかった。本研究では、同文書館で史料調査をおこない、目録を整備し、重要史料の複写収集をおこなった。収集した史料を利用して実証的歴史研究を進め、その成果を論文集として刊行した。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C), 基盤研究(C))
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 大豆生田稔
     
    本研究の目的は、第1次大戦前後から1930年代を対象に、国内小麦需要の多様化・増大に応じた、北米・豪州小麦の輸入拡大の過程を実証的に解明することにある。特に、(a)小麦需要の構造と特質を地域差に留意しながら検討し、(b)小麦輸入貿易の活発化を三井物産・三菱商事など日系商社の活動を通じて探り、また(c)小麦輸入関税政策をl926年・32年の関税改訂に着目して考察することを具体的な課題とする。本年度の研究実績は次の通り。(l)資料の調査・収集:上記(b)について、引き続き米国国立公文書館、および豪州国立公文書館シドニー分館が所蔵する三菱商事・三井物産の北米小麦輸出関係資料について調査・写真撮影を進め、一部を残し大方の作業を終えたところである。<旅費等>(a)(c)については、国内の資料所蔵機関において新聞資料の検索、小麦需要の拡大、製粉業の動向などに関する諸資料の収集を継続して進めた。<その他>(2)収集資料の整理・分析:(b)について、米国国立公文書館、豪州国立公文書館シドニー分館収集資料について撮影リストを作成し、またデータの入力作業を進めた。(a)(c)については収集資料の画像データ化、データ入力などの作業を実施した。<謝金等>(3)研究成果の公表:主として米国国立公文書館の収集資料を用いて、1920年代半ば以降の三菱商事在米支店に注目し、北米(アメリカ、カナダ)小麦・小麦粉の仕入活動、および対東アジア、対ヨーロッパ輸出の展開について論文を2本作成した。刊行は2012年度の予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2008年 -2010年 
    代表者 : 横山 百合子; 大豆生田 稔
     
    近世の町共同体や商人の仲間組織は、近世都市に生まれた特徴的な社会的結合組織である。本研究では、明治維新によってそれらの社会的結合のあり方がどのように変化したのかを探り、近世において、町共同体と仲間組織は互いに依存しあう関係にあり、明治維新以後においてもその関係は継続したが、明治10 年代以降の組織の再編によって、依存しあう関係も失われていったことを明らかにした。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2007年 -2009年 
    代表者 : 大豆生田稔
     
    本研究は、近代日本の主食(米・小麦)について、明治中後期から1930年前後の時期を対象に、消費構造の変化、国内産地の動向、および貿易を通じた海外供給の検討を課題とする。この時期、国内では産地に米穀検査が普及して産地間競争が激化するほか、米価上昇を機に小麦の消費がすすみ、伝統的な麺類のほかパンなど新たな消費が本格化した。また小麦消費の増大は、日系商社の活動を通じて、北米や豪州から国際商品である小麦の輸入を促進した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2006年 -2008年 
    代表者 : 上山 和雄; 高村 直助; 老川 慶喜; 大豆生田 稔; 吉川 容; 渡邉 恵一; 落合 功; 大島 久幸; 岡部 桂史; 中村 尚史; 高村 直助; 及川 慶喜; 大豆生田 稔; 吉川 容; 渡邉 恵一
     
    米国・オーストラリアの接収企業文書を調査し、従来から掌握しているデータと併せ、米国に関しては全商社の全エントリーの概要、主要コンテナの内容も把握し、それを私家版として刊行・配布した。国内機関・個人がマイクロとして所蔵している資料はCD.R化し、またハードコピーも電子化した。主要コンテナについては、冊子目録、文書目録も作成し、電子化を終えているが、これらは公刊するには至っていない。情報は三井文庫に集中しており、新たな資金を得て公開を図りたい 内容把握と同時に史料の収集も進め、商社史研究の新たな展開を準備してきた。連携研究者は既に2, 3の論文を発表したが、本研究が終了した今年度から、分析的研究に向けて体制を立て直し、着手している
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2004年 -2006年 
    代表者 : 大豆生田稔
     
    本研究の課題は、明治初年から1920年代に至る時期を対象に、都市・農村を通じた主食消費の実態を地域差に留意しながら把握し、その変化がもたらした多様な影響を実証的・総合的に明らかにすることである。特にこの時期に消費が急増した米に注目し、(a)主食の消費動向の実態とその変貌、(b)主食の質的向上の要因、(c)主食農産物流通の多様化・規格化・序列化、(d)主食消費とその変容の社会経済的な影響(大都市消費市場の形成と機能分化、産地の市場への対応、流通を実質的に担う商人の機能分化)、の4点から解明することを課題とした。研究課題に実証的に接近するため、まず各地の所蔵機関等に出張して資料調査・収集をすすめた。(a)米・麦・イモ類の生産・消費の実態を概観する諸統計資料、(b)農村の消費動向を示す村是調査や、婦人雑誌に掲載された都市の食生活に関する記事、(c)産地である山口県・青森県の産米改良、関東近県(群馬県・栃木県)の地回米に関する資料、(d)大消費地である東京、大阪、神戸・兵庫の米穀問屋の関係資料等、である。コピー複写、写真撮影などにより収集し、一部については解読・基礎データの入力等を行った。収集資料を分析し課題の解明を進めた結果、(a)米・麦・イモ類などの主食消費が、都市農村間、農業生産のあり方等により大きな地域差が存在したこと、(b)地域差を含みながら、都市・農村を通じて主食消費の質的向上が見られ、輸入米の消費も進んだこと、(c)防長米(山口県産米)の規格化を目的として同業組合が1880年代に発足したが、初期の事業には限界があったこと、(d)東京の廻米問屋、兵庫の米穀問屋が産地における規格化を奨励して全国的な市場形成を促したこと、等を明らかにした。以上の作業から、主食需要の構造的変化に伴う食糧農産物取引の拡大・円滑化とその限界、国内市場形成の促進、米穀問屋の機能の重要性を確認した。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2001年 -2003年 
    代表者 : 大豆生田稔
     
    本研究は1920年代を中心とする時期を対象に、国内米穀市場の展開過程を、(a)国内の米穀産地で展開する産米改良の実態、(b)国内米穀市場に参入する朝鮮米の位置づけ、(c)第一次大戦期に進む米穀輸送の変貌、の3点から解明することを課題とする。まず、本課題に実証的に接近するため資料調査・収集を進めた。主な収集資料は、(a)については国内の主要米穀産地である東北地方(秋田県・山形県)、東海地方(愛知県・岐阜県・三重県)、中国地方(鳥取県)、九州地方(福岡県・大分県)等における産米改良に関係する県庁文書や、関係団体等が刊行した諸資料、(b)朝鮮米取引が活発な阪神市場を対象に大阪堂島米穀取引所、それと比較する意味で東京深川正米市場、および朝鮮米を国内に送り出す東アジア地域レベルの穀物(米・小麦・雑穀)貿易に関する諸資料、(c)『大日本帝国港湾統計』ほか国内米穀産地と主要消費地の港湾統計等の輸送関係資料である。これらの収集資料を分析し課題の解明を進めた結果、(a)については、各産地の産米改良事業の展開と限界について検討し、商品化促進の前提となる産米の規格化・標準化の実態について解明するとともに、その限界として農法の制約や輸送条件等の存在、(b)阪神市場における朝鮮米の流通と国内産米との競争のあり方について検討し、また1920年代には北米からの小麦・小麦粉輸入を含めて、朝鮮米を日本国内に送り出す複層的な東アジア地域内の穀物貿易システムが存在したこと、(c)遠隔産地から消費地に至る米穀輸送が、第一次大戦期の船舶逼迫を契機に、汽船輸送が後退して鉄道輸送に決定的に転換したこと等を、それぞれ実証的に明らかにした。以上の作業から、東アジア-日本国内-国内消費地・国内産地の、米穀をめぐる重層的な市場圏の存在を確認した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2000年 -2003年 
    代表者 : 高村 直助; 神山 恒雄; 大豆生田 稔; 長島 修; 内藤 隆夫; 鈴木 淳; 長妻 廣至; 上山 和雄
     
    本研究は企業勃興に先立つ明治初期を対象とし、19世紀末に産業革命が達成された前提と基盤を、制度・政策・市場の形成に注目して探ることを課題とする。本課題に総合的に接近をはかるため、各領域を研究分担者が受け持ち、研究代表者が全体を総括する共同研究を組織した。実証的に研究を進めるため資料調査に力点を置いて多様な資料を収集して研究を進めた。その結果、まず第1に制度の整備や経済政策の展開について、(1)井上財政を準備金運用の面から大隈財政と比較して、両財政政策を対照的に把握し、(2)工部省勧工寮設置から農商務省工務局発足に至る時期の民間工業奨励政策を系統的に跡付け、(3)工部省時代の鉱山官営政策における御雇い外国人の決定的役割と阿仁鉱山等への投資の経緯を明らかにし、(4)御雇い外国人の調査を前提とした官営石油事業の経験が民間石油業の勃興に活かされたことを解明した。第2に市場形成について、大豆生田が維新変革による領主米流通め消滅を背景として、資金力・信用力により「遠国米」を大量取引する深川廻米問屋の台頭・組織化とその限界を指摘した。第3にこれ等の諸条件の形成により当該時期に活発化した諸産業の動向について検討し、(1)民間の機械制大工業として創業期の洋紙製造業が、華族・政商・外商による出資、大蔵省・大阪府による融資・一時的株式所有などの諸条件により定着したこと、(2)官営製鉄所建設に先立つ海軍省所管製鉄所案の検討から、前史となる三菱の民間製鉄所建設案の挫折と官営案の浮上、その目的が軍事のみにしぼられなかったこと、(3)府県段階の勧農政策と地域豪農の関係を追いって、豪農が府県の政策に呼応して土地改良・肥料導入に積極的に取り組んだことを明らかにした。なお、本研究の成果は、さらに数名の研究者の協力を仰いでより体系的に再構成し、論文集として刊行することを予定している。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 1998年 -2000年 
    代表者 : 大豆生田稔
     
    本研究の課題である第一次大戦前、近代日本の米穀市場の再編過程を、(a)産地の産米改良、(b)輸送条件の整備、(c)大都市の市場構造変化、(d)全国の米穀流通の実態把握、に即して資料を収集し研究を進めた。主な収集資料は、(a)秋田・宮城・新潟・富山・岡山・山口・熊本など各産地の産米改良に関する県庁文書や刊行資料、(b)海運・鉄道輸送に関する年報、統計書、(c)東京深川・大阪堂島の取引所に関する刊行資料、堂島の内部資料、県統計などに掲載された各地の取引所のデータ、(d)全国的な鉄道・海運の輸送統計や主要産地の県統計、などである。それ等の分析の結果、(a)地租改正前後から進む粗製濫造に対し、主要産地では、日露戦争前後に始まる府県営の産米改良(米穀検査)に先立ち、1890年代から同業組合や行政機関の主導による産米改良が始まり、有力産地間の競争がおきた。これらは乾燥の徹底、俵装の整備、容量の充足とその等級化を図り、産米の規格化・標準化を目的とするものであった。(b)産米改良の進展は汽船・鉄道など輸送条件の整備と密接に関わった。産地が如何なる性格の需要地とどの様な輸送方法で結びつくかによって、産米改良の進展度合は多様であった。(c)東京深川・大阪堂島の二大市場は定期取引と結びつきながら、遠隔産地との取引を円滑に拡大した。両市場の廻米商たちは産地に対し、規格化・標準化を目的とする産米改良を呼びかけた。また、大都市の中下層や北海道市場では低質米需要が新たに生じて、産米改良の進展が遅れた地域の産米も吸収した。(d)以上の作業を通じて、大都市需要の拡大と輸送条件の整備を前提として展開する産地の産米改良が遠隔地産米の商品化を促進し、また低質米の規格化・標準化により大都市などでの安価な低質米需要に応えるという、拡大する当該時期の米穀市場の再編過程を実証的・総合的に検討した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1991年 -1991年 
    代表者 : 大豆生田 稔
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1990年 -1991年 
    代表者 : 高村 直助; RAMSEYER J.M; WRAY William; ICHIOKA Yuji; MAYO Marlene; 本宮 一男; 大豆生田 稔; 木村 昌人; 小風 秀雅; 老川 慶喜; 上山 和雄; 阪田 安雄; J Mark Ramse; MARLENE Mayo; RAMSEYER J M
     
    1.日本国内においては、各自が担当する課題について、公官庁文書・新聞・雑誌・出版物等日本・米国の関係史料を外務省外交史料館・国会図書館・横浜開港資料館等で調査し、マイクロ・フィルムおよびコピ-による収集をおこなった。収集した史料については、順次アルバイトの協力も得て整理分類・目録作成の作業を進めた。また、月1回、定例研究会を開催し、共同研究者各自が、自己の担当する課題に関連する先行研究のレポ-トをおこない、当研究プロジェクトにおける研究方針を検討しあうとともに、調査・収集をおこなった史料に関する内容紹介・分析をおこない、全員で検討を加えていった。 2.二年度にわたり、計6名の国内共同研究者がアメリカへ調査出張し、ワシントン・ニュ-ヨ-ク・デトロイトで調査をおこなった。ワシントンにおける調査機関は、米国立公文書館(National Archives)・同ス-トランド(Suitland)分館・米議会図書館(Library of Congress)である。米国立公文書館では、国務省・商務省・農務省・内外通商局・関税委員会・海事委員会等の関係史料を調査し、当時の実態や対日戦略に関する部内文書・領事や商務官の報告・刊行物をコピ-およびマイクロフィルムで収集した。ス-トランド分館では、三菱商事を中心に、在米日系企業の史料を収集した。また、米議会図書館では、当該期の関連する外国研究書・当該期の米国公官庁の刊行物・新聞・雑誌について、調査・収集にあたった。ニュ-ヨ-クでは、公共図書館での史料調査をおこなうとともに、日本の生糸を大量に消費し世界最大の絹織物都市であった近郊のパタ-ソンを調査し、いくつかの関係文献・写真を入手した。デトロイトでは、近郊にあるフォ-ド・ア-カイヴスでの調査をおこない、フォ-ド社を中心に米国自動車産業の日本での活動状況・対日戦略に関する史料を収集した。 3.二年度目は、国内共同研究者の1名が米国へ留学したので、当研究者は海外共同研究者間の研究会に出席し、国内外の共同研究者間の一層の情報・意見交換に努め、海外共同研究者や日本からの調査出張者とともにアメリカでの史料調査・収集をすすめた。 4.招聘者は計3名が来日し、両大戦間期の米国務省極東課に勤務し対日政策の形成に携わっていたド-マンを中心とした「日本グル-プ」の動向、日米関係改善のための活動等当該期の日系人の動向、さらに他の海外共同研究者の研究もふくめた米国側での調査・収集史料の紹介・分析に関してレポ-トをおこない、国内共同研究者とともに討論・情報交換をおこなった。また、招聘者は、それまで調査した米国側史料の状況や国内共同研究者が提供した情報に基づき、外交史料館・横浜開港資料館等で日本側史料の調査・収集にあたった。 5.二年間にわたる国内外での史料調査・収集により、当研究プロジェクトのテ-マについての日本側・米国側の関係史料は、相当量の収集ができた。特に、上記のようなアメリカへの調査出張により調査・収集した史料については、アメリカへ留学した研究者・大学院生の博士論文等で部分的には紹介・利用されているが、組織的・総合的な調査・収集は初めてのことと思われる。こうした史料調査・収集およびその分析、国内の定例研究会、招聘者が加わっての研究会により、各商品・産業界の動向、日本・米国および他国市場での競合関係、海運等流通面での動向、両国の通商政策・関税政策の動向とその意義、両国における摩擦イメ-ジの形成等、当該期の日米経済関係全般にわたる実態が明かになり、それにかかわる政治的意味・社会的背景に関する展望も深まりつつある。今後も、一部史料の補足収集、収集史料のさらなる分析、各自の研究成果の総括的視点からの討議をすすめ、本研究成果を論文集等で総合的に発表していく予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1989年 -1991年 
    代表者 : 小林 英夫; 古厩 忠夫; 高村 直助; 大豆生田 稔; 浅井 良夫; 中村 政則; 疋田 康行; 三谷 孝
     
    本年度は、最終年度に該当するため、これまでやり残した作業の完成とすでに着手ずみの作業のまとめ力を注いだ。まず、前者のやり残し作業の完成について。これまで、軍配組合各部局のうち紙部、綿業部、殻肥部に関しては資科整理、コピ-取り、資科読み込み作業はかなり進行していたが、毛糸毛織、工業薬品、人絹、染料、砂糖の各部に関する整理コピ-作業は十分ではなかった。そこで、1991年7月より9月にかけてアルバイト学生の援助を受けて整理、コピ-作業を集中的に実施し、10月以降この整理作業に着手し、10月からこれと並行して研究成果報告書の執筆準備にとりかかった。他方、紙部、綿業部、殻肥部に関しては、取り残したコピ-の複写作業をおこなうと同時に、総務関連資料は箱詰めとし、箱に目録をつけ、箱の中が透けて見える状況で一橋大学中央図書館に保管し関覧可能な状況にした。また、軍配組合と関連する雑誌類については、他で見ることができない貴重本が多いため、すベて整理し、目録を作成して一橋大学図書館に保管を依頼し関覧に供する準備を完成した。こうして、1991年11月初旬駒沢大学において研究会をもち、コピ-類をすべて分類、整理し、研究成果報告書の準備資料として執筆分担者に送付した。そして、11月以降1月末まで資料の読み込み、成果報告書の執筆にあて、1月末に各執筆者よりの原稿送付を受け、事務局が取りまとめて報告書を3月に完成させた。入手資料にもとずく分析の結果、日中戦争から平洋戦争期にかけて、軍配組合の機能と役割に一定の変化が生じていることが判明した。すなわち、日中戦争期、華中軍の価値維持に重要な役割を演じた軍配組合は、太平洋戦争を契機に日本国内への華中資輸出組合へ転換していくことと思うのである。

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