日本学術振興会:科学研究費助成事業
研究期間 : 2004年 -2006年
代表者 : 小澤 温; 高山 直樹; 吉川 かおり; 稲沢 公一; 的場 智子
16年度は、「障害者のエンパワメント」に関する理論概念研究として、「『当事者主体』の意味に関する考察」、「自立支援の地域展開一自立の価値と支援の方向性」、「地域生活支援の概念に関する考察」、「精神障害者に対する社会のスティグマとエンパワメントに関する研究」、の4つの課題について検討した。あわせて、東京や大阪の地域調査を中心に、「地域における入所施設の新しい役割」、「精神障害者に対する地域支援基盤形成」、などの4つの課題の調査(予備的な調査)および資料検討を行った。
17,18年度は、理論文献研究として、「障害者のエンパワメント支援に関する考察」、「スウェーデンにおける重度知的障害者へのエンパワメント実践と地域福祉理論」、「精神障害者に対する社会のスティグマとエンパワメントに関する研究」、「物語としての精神障害一医学的な物語と当事者の物語」の4つの課題を推進した。調査研究では、「精神障害者のエンパワメントー障害者団体に関する調査をふまえて」、「精神障害者に対する社会のスティグマとエンパワメントに関する研究一学生調査のデータをもとに」の2つの課題を推進した。事例研究では、「女性障害者とコミュニティー「自立生活」を志向する女性障害者の語りから」の課題を推進した。地域事例調査研究では、「沖縄県八重山地域の障害(児)者、高齢者の地域生活支援」、「「個人に対する支援」と「地域に対する支援」のつながり一エンパワメントに注目して」、「精神障害者に対する地域生活支援基盤形成」、「地域で生活する精神障害者からみたコミュニティ」の4つの課題を推進した。以上の文献理論研究および調査研究を通して、エンパワメントの概念整理、エンパワメントとスティグマ、コミュニティとの関係について考察した。